令和6年 年頭における知事訓示

ページ番号1071154  更新日 令和6年1月4日

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とき:令和6年1月4日(木曜日)
ところ:県庁3階 第一応接室(録画)
対象者:全職員

年頭における知事訓示

 令和6年年頭の知事訓示に先立って、今回発生しました能登半島地震についてコメントします。

 多くの方々が犠牲になっていること心からご冥福をお祈りいたします。

 強い地震、そして津波による被害もあり、広い範囲にわたって甚大な被害が出ています。

 全国知事会に対策本部が立ち上がっています。

 全国知事会の分担の中、岩手県もしっかり連携をし、県民の皆さんの被災地への想い、被災地を支援したいという想い、これをしっかり形にしていくよう取り組んでいきましょう。

 

 令和6年の年頭に当たり、訓示を行います。

 

 昨年6月、天皇皇后両陛下の御臨席のもと、高田松原津波復興祈念公園で第73回全国植樹祭を開催しました。

 東日本大震災津波で甚大な被害を受けた陸前高田市において、全国植樹祭が行われたことは大変意義があり、森林への理解醸成と復興の相乗効果で、さらに復興にはずみがつくとともに、林業の持続的で健全な発展や森林の多面的機能に対する理解醸成の重要性も強くアピールできました。

 天皇皇后両陛下が全国植樹祭の開催地を直接訪問されるのは4年ぶりであったように、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、様々な動きが再開された一年であった一方、長く続くエネルギー・物価高騰により県民生活や地域経済が大きな影響を受けた一年であったと思います。

 現在も厳しい状況が続いていますが、県民一人ひとりの暮らし・仕事・学びに寄り添った施策を行っていきましょう。

 

 東日本大震災津波から、今年の3月11日で13年となります。

 復興道路や津波防災施設等の整備、まちづくりなどが進みましたが、被災者のこころのケアやコミュニティの形成支援、主要魚種の不漁対策など、取り組むべき課題があります。

 一人ひとりの状況に応じたきめ細かい支援に引き続き取り組んでいきましょう。

 国内外で震災の風化や関心の低下が懸念されていますが、東日本大震災津波の学習拠点である東日本大震災津波伝承館は、昨年11月、来館者数が90万人に達しました。

 伝承館は、津波の被害を大きく受けた地域の津波博物館と連携し、国内外の防災力向上に貢献する活動を行っており、その活動は岩手県の高校生と海外の津波被災地の高校生の交流にまでつながっています。

 今後も「東日本大震災津波を語り継ぐ日条例」の趣旨にのっとり、震災の事実・教訓の伝承と、復興の姿の発信に取り組みましょう。

 昨年、沿岸地域は新たな道の駅や「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」が開業し、日本に寄港するクルーズ船として最大級となる「MSCベリッシマ」などの海外クルーズ船の寄港が相次ぎ、コロナ禍で難しくなっていた国内外との交流が活発になりました。

 今年、三陸鉄道は開業40周年を迎えます。

 明治29年(1896年)の三陸大津波を契機に鉄道建設の機運が高まり、沿岸地域住民の長年の悲願として昭和59年(1984年)に三陸鉄道が開業し、地域の足であり、東日本大震災津波復興のシンボルとなりました。

 復興により大きく進展した交通ネットワークを生かし、東日本大震災津波伝承館を始め、橋野鉄鉱山、三陸ジオパーク、豊かな食材、食文化など三陸地域の多様な魅力を発信していきましょう。

 

 人口減少は、さまざまな要因が複雑に絡み合っていますが、その背景には、妊娠、出産、子育てのしにくさ、希望する職業への就職のしにくさなどといった様々な「生きにくさ」があります。

 これらの「生きにくさ」を「生きやすさ」に変えていくことが重要です。

 昨年実施した少子化要因の分析において、岩手県の出生数減少は「女性人口の減少」が最大の要因であり、昭和以降続く出生数の減少傾向により出産可能な年齢の女性自体が減少していることに加え、女性の転出超過が拡大し、人口減少が加速しています。

 また、有配偶率が低下しているとともに、2015年までは上昇していた有配偶出生率が2015年から2020年にかけて低下したことも少子化に拍車をかけています。

 戦後の「第1次ベビーブーム」に生まれた団塊世代の孫にあたる1990年代に生まれた世代が、今、結婚・出産の年齢に差しかかっており、20代の人口割合がわずかながら高まっています。

 この世代の次の2000年代以降に生まれた人が結婚・出産の中心世代となる2030年以降は、再び若い世代の人口が減少すると推測されています。

 そのため2030年までが少子化トレンドを反転させる最後の機会と捉え、引き続き全力で対策に取り組んでいきましょう。

 令和5年度、全国トップレベル水準の子ども・子育て環境の実現を目指し、第2子以降の3歳未満児に対する保育料の無償化や自宅育児支援金の支給、医療費助成の高校生等への現物給付の拡大などを実施し、県内の多くの子育て家庭に利用されています。

 令和6年度の自然減対策の方向性として、「有配偶率の向上」、「有配偶出生率の向上」、「女性の社会減対策」の3つの柱を掲げています。

 結婚支援や若者の賃金等向上策の強化による有配偶率の向上、仕事と子育てを両立するための子育て支援サービスの充実による有配偶出生率の向上、雇用労働環境の安定と女性が活躍できる職場の創出による女性の社会減対策などを進めていきましょう。

 社会減対策は自然減対策とともに人口減少対策の根幹です。

 「第2期岩手県ふるさと振興総合戦略」で目標としている「社会減ゼロ」を令和8年度までに達成できるよう取り組んでいきましょう。

 地方から首都圏への人口の流れは経済状況によって変動します。

 岩手県の社会減が329人と最も少なかった1995年は、バブル崩壊後の経済対策によって、岩手県の有効求人倍率が全国平均を上回っていました。

 国と地方自治体が一体となって、東京一極集中の是正と地方重視の経済財政政策に取り組めば、岩手県の社会減ゼロは可能と考えます。

 令和6年度の社会減対策は「第2期岩手県ふるさと振興総合戦略」のもと、県内定着やU・Iターンなど、いわてとのつながりの維持・強化、多様な雇用の創出や労働環境と所得の向上、ニューヨーク・タイムズ紙を契機とした交流人口・関係人口の拡大の3つの柱を掲げています。

 昨年、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行し、いわて花巻空港と台湾を結ぶ国際定期便の再開や、クルーズ船の寄港が過去最多になるなど、ビジネス活動や人の移動が活発になりました。

 そして、ニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52か所」への掲載や、大谷翔平選手をはじめとする若者の活躍など、岩手に関する情報が、かつてないほど世界に拡散され、国内外の人々が岩手に関心を持つ契機となりました。

 私も昨年12月にマレーシア・シンガポールを訪問し、米やりんご、日本酒などの県産品のフェアや大使公邸でのレセプションを行ったところ、現地の皆さんから県産食材の品質やおいしさなどが大変評価されました。

 今年、中尊寺金色堂の建立900年を迎え、今月から4月まで東京国立博物館で金色堂の特別展が開催されます。多くの方々に岩手の宝を見ていただける機会です。

 また、今月から3月までの3か月間、JR東日本と連携した冬季観光キャンペーン「しあわせな予感いわて冬旅キャンペーン」を展開し、内陸地域の温泉やスノーリゾート、三陸沿岸の冬の味覚や絶景など、岩手の特色ある冬季観光コンテンツを生かして首都圏からの誘客に取り組んでいきます。

 今年も国内外の人が岩手と多様な形でつながることができるよう、交流人口・関係人口の拡大を図っていきましょう。

 交流人口・関係人口の拡大を含め、今年は一層人口減少対策に力をいれていく必要があります。「いわて県民計画(2019~2028)」や「第2期岩手県ふるさと振興総合戦略」のもと、市町村、企業・団体など様々な主体と連携し、オール岩手で人口減少対策に総力を注いでいきましょう。

 

 将来発生が予想される日本海溝・千島海溝地震に対する防災・減災対策をはじめ、「いわて県民計画(2019~2028)」第2期アクションプランに掲げる様々な施策を推進していくためには、県と市町村の連携が重要です。

 特に人口減少対策については、子ども子育て支援に早くから取り組んできている市町村もあり、若年女性の転出防止や若者の地元定着、一律的な子育て支援などの人口減少対策に加え、公共交通の維持やインフラ整備、観光振興の推進など市町村ごとに事情や地域課題も異なります。

 現場の状況や意見をこれまで以上に丁寧に汲み取り、県との連携をより一層強化できるよう市町村を支援していきましょう。

 

 労働基準法が改正され、時間外労働の上限規制が今年4月から自動車運転、建設業、医師等の業務に適用されます。

 県では、県内企業の働き方改革を推進する「いわて働き方改革推進運動」を展開し、総実労働時間の削減や多様な働き方の実現を図っているほか、医師不足地域の実情を踏まえた医師の働き方改革を推進しています。

 人口減少が進行する中、労働力不足を解消するために国を挙げて働き方改革に取り組んでいますが、県においても県民ニーズに的確に対応し、持続的かつ効果的に県民サービスを提供していくためには、職員一人ひとりが、仕事と生活を両立できる職場環境づくりが重要です。

 デジタル技術の活用による業務の効率化も進めながら、職員が意欲を持って職場で活躍するとともに充実した私生活が送れるよう、職場環境の改善を進めていきましょう。

 

 職員の皆さんの活躍、そして御多幸を祈念して新年の訓示とします。

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