令和2年10月27日知事会見記録

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開催日時

令和2年10月27日 10時30分から11時15分

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事者質問の用意がありませんので、各社から質問があれば挙手でよろしくお願いします。

記者
 昨日の臨時国会で菅首相が所信表明演説を行いました。これに関して、知事の御所感をお聞かせ願います。

知事
 新型コロナウイルスの流行も受けて、地方が大事になるということを強調されたのは良かったと思います。過去5年間、東京一極集中が加速してしまっていたわけですけれども、新型コロナウイルスの流行でそれに歯止めがかかっているということ、また改めて地方で暮らす、地方で働くということへの関心が高まっていること、そういう状況を踏まえた演説だったので、そこは良かったと思いますので、これから具体策を様々講じていくということになっていくと思うのですけれども、その際、全国知事会との連携、あるいは個別に各都道府県との連携、これがますます大事になると思いますので、そこを期待したいと思います。

記者
 ありがとうございます。いろいろ中身が多岐にわたる中で、例えば、温室効果ガスの排出について2050年に実質ゼロを目指すと、県の、知事の方針ともリンクする部分があったかと思うのですけれども、特に注目されている施策についてはいかがでしょうか。

知事
 温室効果ガス(の排出量を)、2050年にゼロにするということは、去年のマドリードでの国際会議で小泉環境大臣が苦労していたテーマなのですけれども、そのとき岩手県も含め、県内の市町村も含め、地方のほうから小泉環境大臣を支える動きがあって、それが今、国全体の形になろうとしているというのは、いいことだと思います。これもこれから具体策が大事になってきますので、再生可能エネルギーの振興、それから森林吸収を大事にすることも必要ですので、それを今後、具体策をやっていってもらいたいのですが、これもやはり現場である都道府県や市町村の、地方自治体との連携がますます大事になってくる分野だと思いますので、それを期待します。

記者
 私も政府の関係なのですが、核兵器禁止条約が約50に達して批准されて、来年1月に発効する見通しになりました。これについて、知事の受け止めをまずお聞きします。

知事
 大変良かったと思っております。核兵器は使ってはならない兵器だということを世界全体、草の根レベルで共有していくことが大事なので、今回、条約の発効というのはその大きな前進になると思います。

記者
 そうした中で、県議会あるいは県内の全市町村では、核兵器禁止条約に関する請願が採択されており、知事をはじめ、県内市町村長さんも皆さんヒバクシャ国際署名されている中で、政府のほうでは考え方の違いということで、署名する考えはないというのは発表が官房長官等からもあったのですが、これに関してはいかがでしょうか。

知事
 広島、長崎で原爆を使うべきではなかったという考えがアメリカでも若い人の間に増えていると聞いていますし、草の根のレベルでは、核保有国も含めて核兵器を使わないようにしようという意識は広く広がっているのだと思います。あとは、軍事問題、防衛問題を担当している専門家の実務者の人たちからすると、自分のところだけが核廃絶をするのでは不公平だから、ほかの核保有国とどう調整するかということで、色々な議論があるのだと思いますけれども、そういう議論を結論に向けて早く進めるためにも、草の根での核廃絶への意識の広がりが大事だと思います。

記者
 そうすると、御自身としては政府が署名をすべきだと考えますか、いかがですか。

知事
 実態として、草の根で核廃絶への思いというのは、色々な署名のように形になることも含めて広がっていますので、核保有国や核保有国の立場を配慮する国、日本がその一つですけれども、そういったところも、オバマ大統領がやろうとしていたように、「いっせいのせ」で核廃絶のほうに進んでいくようにすればいいと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一つ別件で、23日に政府のほうの新型コロナウイルス関係の分科会がありまして、それを踏まえて西村担当大臣が年末年始の休暇の延長を要請するという意向を表明されました。年末から成人の日が絡む連休まで、最長だと2週間の休日要請によって、初詣等を分散させて感染拡大を防ぐという考え方のようですが、これに伴う社会経済活動への影響があると思いますし、自治体にも要請するという考えもあったようです。これに関して、知事、今の段階でどのように受け止められますか。

知事
 報道によると、二階幹事長が聞いていないということで、まだ内容を整理していかなければならない段階なのだと思います。休日というのですか、休みの日に仕事をしなければならない人たちというのもあるわけで、休みが長くなればなるほど仕事をしなければならないのが増える人たちもいますし、あとは医療関係のようにずっと休んでいていいのかというような分野もありますので、そういったものをきちっと整理した、年末年始のコロナ対策の在り方という計画のようなものをつくらなければならないのだと思います。

記者
 今、二階さんの発言にも触れられたように、まだ動く可能性があるということなのだと思います。ただ、コロナ対策として、そういう休みの延長ということが、そもそも良いのか悪いのかということも、今知事のお話を聞いて私もどうなのかなと思ったのですが、その点はどうでしょう、休めば対策になるのでしょうか。

知事
 休みが長くなるほどリスクが高まる仕事、職業の人たちがいるし、また休んでいられない職業の人たちもいるし、そしてまた休まれると困る職業、その人たち以外の人たち、医療関係者みたいに、ずっと休まれると他の人が困る職業もあるということです。要は、感染リスクが高くなることを防ぐ、密になることを防ぐということでありましょうから、1つはそういう密になりそうなイベントの在り方をまず考えるということでありましょうし、一方、年末年始の過ごし方ということでは、職業別とか、地域別とか、一人ひとりの働き方や生活の仕方に着目した計画のようなものが求められているのだと思います。

記者
 東北電力女川原発のことでちょっと伺います。先日、宮城県議会のほうで再稼働すべきだという請願が採択されて、着々と地元同意に向けて、再稼働に向けて進んでいます。岩手県としても隣県ですので、再稼働した場合に影響がないとは言えませんが、現在、知事は女川原発の再稼働についてはどのように考えていらっしゃいますか。

知事
 県としての正式な考え方ということは、必要であれば県議会での議論や県民的な議論を踏まえてつくっていかなければならないと思うのですが、それは立地県ではないので求められてはいないところです。そして、一般論ではありますけれども、東日本大震災の経験に基づけば、ああいうことを二度と起こしてはならないということがあるわけですから、そこを関係者の皆さんには求めたいと思います。

記者
 震災を振り返れば、東京電力福島原発で事故が起きて、放射性物質が岩手県にも来て、現在でも出荷できない農作物もありますし、東京電力に対して賠償請求とかも、県としてもされています。福島より女川のほうが近いわけですから、万が一事故が起きれば岩手県への影響も多大なものになると思います。その辺も考えて、現在どのように考えていらっしゃいますか。

知事
 正にああいうことを二度と起こさないように、ということだと思います。

記者
 では、そのような対策を求めて、実施されていれば、再稼働は構わないというふうにお考えなのでしょうか。

知事
 技術的にどういった点を何か申し入れるべきかとかということについては、岩手県は原子力の専門家を職員に採用するというようなことを、宮城県や青森県と違ってやっておりませんし、もしそういった作業が求められれば、そういう専門家の意見、専門的な知見も含めたものをつくることが求められれば、さっき言ったように県民的な体制でそれをつくっていかなければならないと思いますけれども、一般論からすると東日本大震災のときに起きたようなことは起こさないようにということを求めるということだと思います。

記者
 私も同じく原発についてお尋ねしたいのですけれども、政府が福島第一原発の放射性物質トリチウムの処分方法について、海洋放出をする処分の仕方を決定したという報道がありましたが、知事の所感を教えてください。

知事
 まず、決定したということは承知していないのですが。

記者
 すみません、決議は見送ったのですけれども、決定する方針を固めたという報道が一部あったのですが、それについての知事の所感を教えていただければと思います。

知事
 まず、地元の皆さんですとか、漁業関係者は、広く日本全体(で見ると)まだ納得されていないようですし、あとは、国連もすぐにやらないでほしいというような事を言っていると、そういう報道を見た記憶があります。国際的にも一定の納得をしてもらわなければならないことなのだと思います。広く太平洋から世界の海に影響を与えていくことでありましょうから、そういった関係者の理解が得られるような取組が求められていると思います。

記者
 もし海洋放出をするとなった場合には、当然岩手県の漁業関係者の皆さんにも大きな影響があると思うのですけれども、岩手県として政府に求めたいことを教えていただけますか。

知事
 岩手の漁業関係者の皆さんも基本的に反対をしていますし、そういう方々も含めて理解が得られないような形で進めてはならないということだと思います。

記者
 分かりました、ありがとうございます。
 すみません、もう一点、ちょっと柔らかい話になるのですけれども、映画「鬼滅の刃」の興行収入が100億円を突破しました。知事もツイッターで「鬼滅の刃」についてツイートされているのを何回か私も拝見したのですけれども、その点について知事の感想というか、御意見を教えていただけますか。

知事
 テレビで総集編みたいなのをやっているのを見たのですけれども、大変丁寧に一生懸命作られているアニメ作品だし、原作の漫画もいいのだと思います。そういう広く支持されるような作品が日本で生まれるというのは、大変いいことだと思います。そして、物語の始まる辺りなどは、山があって雪が降って、炭を焼いて売ったりする人が出てきたりして、非常に岩手のイメージに重なるところもあって、そもそも鬼というのが出てくるのは、そこも岩手らしいところがありますので、そこは非常に親近感を持って見ているところです。

記者
 昨日、ドラフト会議が行われて、本県関係者3名、花巻東の松本投手だったり、青森山田の川原田さん、それから西武2位で佐々木選手など指名されましたけれども、それについてどのように見ていますか。

知事
 それぞれプロに進むことを志望していたこともありまして、良かったと思います。岩手県出身の人がプロ野球で活躍するというのは、かつては夢物語のようなことだったのですけれども、最近はもう毎年話題になるくらいになってきて、これもずっと努力を続けてこられた岩手の関係者の皆さんの長年にわたる努力のたまものだと思いますので、改めて敬意を表したいと思いますし、また大リーグで活躍している菊池雄星君とか、大谷翔平君とか、そしてそれに続くような感じで日本のプロ入りをした佐々木朗希君とか、そういうみんなから憧れを持たれ、目標になるような人たちが出ているということも非常に大きいことでありますので、改めてそういうスター選手たちの活躍を期待しますし、それに続いて岩手からどんどん力をつけて羽ばたく人たちが出てくることを期待します。

記者
 ありがとうございます。特に高校野球などで考えてみますと、今年はコロナの影響もあり、かなり活動が制限される中だったと思いますけれども、そういう部分も含めて今回指名された人たちに何かエールなど送りたいことがあれば教えてください。

知事
 結構、色々なスポーツが様々大会が中止になったりする中では、野球はかなりやったほうだと思います。野球界の底力のようなものを感じておりました。野球はトップアスリートの高さ、非常に高い山があり、また裾野も広い山だということで、そういう底力があるのだなと改めて思ったのですけれども、いつもの年とは違っていたわけですけれども、新型コロナウイルスが流行している中では、かなりのことを今年やってきた、そういう野球界には改めて敬意を表したいと思いますし、そういう中で精進し、そしてまた未来に進んでいこうという人たちは、胸を張って進んでいってほしいなと思います。

記者
 ありがとうございます。
 あと、ちょっと話は変わって恐縮なのですけれども、階代議士の件で、先日の会見で知事は「覚醒を求める」とおっしゃっていたと思うのですけれども、特に覚醒をするのはいつでもできるというふうにも話していましたけれども、いまだに立憲の県連のほうに階さんのほうからコンタクトがないとかというような状況だそうでして、その点どのように御覧になっていらっしゃいますか。

知事
 覚醒というのは、本人を中心にして語るとそういう話になるのですけれども、裏返しにして、特に岩手1区の人たちのほうに視点を移しますと、野党共闘で四分五裂のばらばらだったところから、できるだけ一つの塊になっていき、それを岩手から全国に広げていこうという努力をしてきた人たちに対して、まさに納得感のある言葉や行動が求められているのだと思います。

記者
 前回の会見でも、資金問題は一部の話であって、親心を持って対応している県連が、というふうに知事はおっしゃっていましたけれども、それに対して県連のほうとしたら、階さんは子供になるのかもしれないのですけれども、そういった部分で階さんの対応は十分ではないということですか。

知事
 そうですね。やはりここ5年間くらい階議員によっていろいろ苦労した、大変な思いをした、そういう人たちを見てきていますし、そういう人たちは大勢いますので、そういう人たちがここ最近何か納得感を持つという方向には全然向いていないなと思います。

記者
 分かりました。特に訴訟の関係で言うと、裁判が12月11日に第1回の口頭弁論があると、期日も決まってきたというところで、今後裁判の場にも移っていきそうですけれども、階さんにどのように求めていきたいですか、行動を。

知事
 党を出て、でもその党のお金を使って、今はもう党ではないのだ、党より人なのだというようなポスターをたくさん貼ったり、また、それをテーマにした勉強会を盛んに開いたりということを正当化しようということであれば、それは地元の人たちの理解を得られないと思います。

記者
 先ほども少しお話がありましたけれども、今週末はハロウィンですし、年末年始は当然、人が集まるイベントが目白押しということで、国のほうから各都道府県に対して、密集を避けるための適切な警備だったり、場合によっては自粛を求めるように、呼びかけるように通知があったと聞いています。現時点で県から県民に対して、こういった警備をすることであったり、呼びかけをするような考えはありますか。

知事
 県としては、先週金曜日に県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議をやったときの知事メッセージが県民の皆さんに対して伝えたいことでありまして、その中でイベント関係についても、要は感染対策を徹底してということをお願いしています。
 昨日、三陸国際ガストロノミー会議、「ガストロノミー」というのは食に関する学問という意味なのですが、三陸国際ガストロノミー会議が、昨日から始まっていて、フランス人のピエール・ガニェールさんという有名なシェフのメッセージをいただいたのですが、新型コロナウイルスが流行する中、パリからのメッセージだったのですけれども、これまで以上に人々はレストランに行くべきと述べられていまして、レストランに行くということは、それは人と人との社交であり、それは幸福につながり、また平和につながるものだという、そういう哲学を語られたのです。
 そしてまた、シェフというものは食材をリスペクトし、そして人をリスペクトするものだと。生産者の方々や、また一緒に働いている人たち、そしてお客様をリスペクトする、それがシェフだということを言っていたのですが、これらの話はGo To キャンペーンの理念として、我々は参考にすべきだと思うのです。一連のGo To キャンペーンも経済効果というのはもちろんあって、それは大事なのですけれども、やはり幸福とか平和とか、そういう社会的価値があるがゆえに公もそれを支援するのであって、またそこで大事なのはリスペクトということです。日本語では尊敬する、敬意を持ち、敬意を払う、リスペクトと言うほうが最近の日本では通りがいいような感じもしますけれども、旅行で行く行き先に対するリスペクトや、そこで食べるものへのリスペクト、それにまつわる人たち、人々へのリスペクト、そういうものを持ってGo To キャンペーンに臨み、また色々なイベントにも参加してもらえば、必然的に感染対策をきちんとやって、自分からうつすことがないようにしようと、そしてまた自分もそこで感染することがないようにしようということに自然に気をつけていくのだと思うのです。そういう理念あるいは哲学というのがあればうまくいくのではないかなと思いました。

記者
 新型コロナウイルスの11月以降のことについてお伺いします。現在県では診療検査医療機関の指定のほうを今月末にする予定ということを明らかにされていますけれども、こちらの指定の状況について、現時点で分かっている数字などがあれば教えていただきたいということが1点。

知事
 それは担当のほうに聞いてほしいと思います。

記者
 分かりました。こちらの指定、11月から、まずはかかりつけ医に連絡をしてほしいという体制に移行していきますけれども、一方でこういう体制に移るということが県民への広報がまだうまくできていないといいますか、大々的にされていない、体制が変わることが分からない人も数多くおりますけれども、この点についてどのようにお考えで、今後どうしていくかについて、知事の考えを伺わせてください。

知事
 先週金曜日の(新型コロナウイルス感染症)対策本部員会議も一つのお知らせのやり方だったのですけれども、本番が近づくにつれて、現場の開業医の皆さんや医師会などからの情報発信というのも増えていくと思いますので、さあ、どうしようと、これから検査や診療を受けようという人たち、まず、それに当たる部分への周知というのは、情報は浸透していくと思うのですけれども、県民の皆さん一人ひとりがそういう情報全体をやっぱり知っておいてもらったほうがいいと思いますので、そこは工夫していきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。全国的なコロナウイルスの感染状況を見ると、特に隣県の青森ではクラスターが発生したことによって、急速に増えておりますし、また宮城県でも連日1日当たりの感染者が最多を更新するなど、東北の中であっても非常に感染が広がっているという状況がございます。
 一方で、県内では数人、先日も感染がありましたけれども、県外由来が考えられて、感染が抑えられている状況があると思うのですけれども、改めてですけれども、岩手は地理的な面で隣県で増えている中であっても、感染が抑えられている状況の要因を知事はどのように見ていらっしゃるか教えてください。

知事
 最近のことについては、岩手県民と岩手に出入りする方々が気をつけてくださっているということが大きいので、感謝申し上げたいと思います。プラス、クラスターが発生していないということが大きいので、やっぱりクラスターが発生してしまいますと、小さくても10人くらい、大きいと50人とか、さらには100人とかというところまで一気に増えますので、クラスターが起きないように気をつけていただくということを改めて申し上げたいと思います。これは、ちょっとおかしいなと思った最初の人をできるだけ早く検査して、陽性だったらその周りの人をどんどん検査していくということをできるだけ早くやれれば、クラスターを最小限にとどめることができますので、やはりちょっとおかしいなと思ったらちゅうちょせず、検査したり相談したりしてくださいと言いたいと思います。そして、そういう人を周りはとがめたりせず、むしろ優しい気持ちで接するようにしましょうということです。

記者
 先ほどの年末年始のお話にちょっと戻ってしまうのですけれども、先ほどは国のほうで年末年始の連休を増やすのではないかみたいなお話ではあったかと思うのですが、年末年始に人の出入りが増えるのは事実として1つ見込まれると思うのですけれども、岩手県として、県単位で呼びかけも含めて3密を防ぐなど、コロナ関連での何か対策を取られる御予定はありますでしょうか。

知事
 岩手県内には初詣だけで100万、200万とか人が来るようなところがないので、日本全体だとそういうところがありますからね、だから国としてはいち早くそういうことが起きないようにしなければならないということで、色々な検討を始めているのだと思います。岩手県としてもやはり年末年始の過ごし方というのは、色々な工夫が要ると思うので、そこに間に合うように県民の皆さんへの呼びかけを考えていきたいと思います。

記者
 あと、先ほども東北の各県で見ると、感染者の増えている地域があるというお話が出たのですけれども、今現在観光の意味で岩手県を含め、東北ブロックとプラス新潟でまず観光を始めましょうということでキャンペーンをなさっているかと思うのですが、このキャンペーンというか呼びかけ、推奨自体に今後何か方向性が変わるようなことはあるのでしょうか。

知事
 今は、先週金曜日の知事メッセージで述べたような、感染対策をしながらGo To キャンペーンも利用し、いろんなイベントもやってくださいということであります。クラスターを除いた部分については、東北地方はやはり感染が少ないほうで、またリスクも低いほうでありますので、そういう東北という視点から何か緊急にということは、今現在は無いところでありますけれども、日本全体として、夏から秋への流行が終息し切らないで横ばいになって、ちょっと増えているかもしれないという今の現状については、注意深く見なければならないと思っています。そういう状況であればこそ、大体1週間の1例ぐらいの感染例が岩手県においても判明しているというのは、そういう状況が原因ですので、それがより悪化すると岩手県内のリスクもより高まるということでありますから、そこはちょっと注意しなければならないと思います。

記者
 ありがとうございます。すみません、もう一点だけ、ちょっと私もふんわりで、「鬼滅の刃」で、ごめんなさい、もう一つだけ伺いたかったのですけれども、岩手県の岩手という名前は、ルーツをたどると鬼がかつていて、手形を押してという、そういういきさつがあると存じておりますが、そういうかつて伝承として鬼がいたとされる岩手の達増知事から「鬼滅の刃」というのは鬼を倒していく作品だと思うのですけれども、ちょっと御所感があれば伺ってもよろしいでしょうか。

知事
 漫画としては、去年からすごく流行っているぞと、「ワンピース」を追い越しているぞと、「ハイキュー!!」も追い越したぞというような状況がもう去年からありましたので、「鬼滅の刃」というタイトルを見ると、鬼を滅ぼすと書いてあるではないですか。だから、これは岩手にとってまずいかもしれないと思って調べたのです。調べた結果、鬼の側にもいろいろ事情があり、また主人公も鬼を全面的に否定しているものではないということが分かりましたので、では様子を見ようと思って見ていたら、アニメの部分も重なって、今の社会現象になっているのですけれども、見ている人たちも鬼を絶対悪として見ているのではなくて、鬼の側にも事情があるとか、鬼だからといって全否定してはならないみたいなことをちゃんと御理解しながら鑑賞してくださっているので、いいのではないかと思っています。

記者
 女川原発の話にちょっと戻るのですけれども、再稼働ということになりますと女川原発でつくられた電気が岩手でも使われるということにもなるので、その点からも人ごとではないということなのかなと思うのですが、電源構成といいますか、原発自体が今後どうあるべきかというところについては、知事としてはどのような考えをお持ちか、改めてお聞かせいただけますでしょうか。

知事
 それは2050年までにCO2ゼロ(温室効果ガス排出量ゼロ)ということの中で大変重要なテーマにもなると考えていますけれども、やはり再生可能エネルギーを伸ばしていくこと、プラス森林吸収というのを大事にしていくということが基本だと思います。

記者
 そうすると、結果的には原発というのはだんだんに割合としては減っていくべきというお考えでしょうか。

知事
 まず、岩手県内には誘致したり、建設したりということについては全然考えていないというか、そういうことはしないようにというのが基本です。

記者
 東日本大震災に関連して、昨日の県議会の総務委員会、県議会のほうになるのですけれども、震災が起きた3月11日を「大切な人を想う日」と条例化を求める請願が採択されました。これについて、継続審査となった上で、再審査で採択という流れでありましたけれども、これについて知事の御所感を伺ってもよろしいでしょうか。

知事
 「大切な人を想う日」というのは、もうここ数年かなり岩手県内に広まっていて、浸透もしていると思います。ツイッターというのは一つの窓だと思いますけれども、ツイッターという窓から見ただけでも、3月11日前後には「大切な人を想う日」というのが県民や県に関わる、岩手に関わる人たちの間でそういうメッセージが飛び交っていますので、もう既に3月11日をそういうものとして受け止めるということが実質的に県民の間に浸透してきていることを踏まえて県内の主要団体のトップの方々が請願をされたのだと理解しておりますので、今議会で採択の方向になって、昨日委員会採択で、今日、本会議に上がるというのは大変良いことだと思っております。

記者
 ありがとうございます。3月11日というと個人的にも大きな悲しみがあった日でもあり、その後復旧・復興が進んで教訓あるいは風化を防ぐというものを後世に伝えていかなければいけないということで、条例となりますと施設をつくるというわけでも当然ないですし、思いをつないでいくということになろうかと思うのですけれども、そういったことも踏まえて、名称についてとか、中身の精査というのは今後検討が進んでいくと思うのですが、この条例の位置づけが県民にとってどのような条例になっていくのが望ましいか、ちょっと抽象的で恐縮なのですが、知事としてはいかがでしょうか。

知事
 学ぶ姿勢といいましょうか、東日本大震災津波と我々は呼びますが、全国的には東日本大震災、これは非常に広域的で、いろいろな分野に被害が生じ、そして復興の歩みが続いていますので、なかなか全貌を知ることは難しく、県でもいわて復興未来塾をやったり、色々な復興フォーラムをやったりしますけれども、常に新しい発見があると思っています。「大切な人を想う日」ということで、まずは自分自身にとって、前から大切だと思っていた、それは追悼であったり、あるいは感謝、御礼であったり、そうした人を思いながらも、あの人は、あの人はみたいに、そうやって思いの対象を広げていくことができるような位置づけの仕方だと思うのです。愛というのは必然的に広がっていくものだということをいろんな人が指摘しているのですけれども、「大切な人を想う日」ということで、そういう思いがどんどん広がっていって、東日本大震災に対する理解も時が経つほどより深まっていくことを期待します。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の知事定例記者会見は11月6日(金曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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