令和6年4月12日知事会見記録

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開催日時

令和6年4月12日10時00分から10時35分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。

幹事社
 質問の前に、転入者がおりますので、お二人、それぞれ御挨拶一言お願いいたします。
 (記者紹介)

幹事社
 本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問はございませんので、質問がある社はどうぞよろしくお願いします。

記者
 私のほうから、国民スポーツ大会について伺いたいと思います。先日、全国知事会長を務めている村井宮城県知事が、開催地の負担が大きいとの声があるとして、廃止も一つの考え方だとの見解を示しました。まずは、その村井知事の発言について、達増知事の受け止めと、大会の今後の在り方についてどのような見解を持っているのか伺います。

知事
 2巡目の国(民)スポ(ーツ大会)があと10年ぐらいで終わって、3巡目に入るということで、日本スポーツ協会が3巡目の国民スポーツ大会の在り方検討に着手しています。そして、全国知事会からも、日本スポーツ協会に意見を取りまとめて提出する予定ということで、そういう意味では、議論はこれからというところがあるのですけれども、その段階で村井知事からは、今までのようなやり方での3巡目開催というのは本当にできるのか、難しいのではないかという問題提起なのだと思います。費用の関係、人員の関係、また、バスをたくさん確保したりとか、そういったことについて、特に全国知事会の会長の視点からは、各都道府県が5年以上前からものすごく準備に人やお金を割く必要があり、1年前ぐらいからは職員のかなりの数が国体、国スポ関係に割かれていくと。今まではできたけれども、人手不足時代、また、人口減少の傾向もあり、都道府県というものがそれに耐えられるのかという問題意識を表明されたのだと思います。日本スポーツ協会、やはり国の行事として、国のスポーツ政策として、国として責任を持って開催ができるような形を国が確保していくというような努力を求めているのかなというふうに見ているところです。

記者
 ありがとうございます。そこで、今、村井知事の発言についての受け止めというところだったのですけれども、達増知事御自身は今後の国スポの在り方、例えば、他県ですと、都道府県ではなくて、もっとブロック的な形で在り方を見直してもいいのではないかですとか、そのほかにも廃止論というのも上がっていますけれども、今後の在り方については何かお考えはありますでしょうか。

知事
 やはり県としての人手や、また、予算をもっと少なくできればいいのではないかなというふうに思います。あとは、スポーツの祭典としての在り方については、いろいろほかの全国大会、日本選手権というものがやはり毎年あって、競技によっては国体(国民スポーツ大会)との関係、選手の調整であったりとか、競技の運営であったりとか、いろいろ大変だというような話も聞きますので、国家的行事としての、スポーツの祭典としての在り方について、一つは日本のトップアスリートが世界で好成績を収めていくということと、また、日本、国中津々浦々で広く国民がスポーツに親しみ、健康を維持することができるという、そういう全体としてのスポーツ政策の体系を改めて整理することが今、求められていると思います。

記者
 ありがとうございます。そうしますと、先ほど人手や予算の部分のところで見直しをかけてもいいのではないかというような見解だと受け止めました。そこで、本県でも2016年に旧国体が開かれまして、そこでは様々な、先ほどおっしゃったような負担があったかと思うのですけれども、実際にやってみての開催地負担について、実感されることがどういった面であったのかというところも教えていただければと思うのですが。

知事
 そうですね、まさにあのとき、一時は返上(開催取り止め)しようかという議論も行われたのですけれども、まず、県内経済界からやはり予定どおりやってもらうほうが経済効果があって、そして、それは東日本大震災津波からの復興にも資するだろうという声がありました。そして、沿岸市町村からは、むしろ予定どおりやってほしいと。それによって沿岸市町村も会場になって、全国から人がやってきて、震災について見てもらい、また、復興の様子も見てもらえるということで、そういう意味で復興の一環として希望郷いわて国体・希望郷いわて大会は位置づけられたことがあり、そのためであれば、大勢の人がそこに手間暇かけてもいいだろうと。また、一定の県の予算の支出があっても、それは復興に資することだからという考え方でやったということがあります。

記者
 ありがとうございます。最後に、国スポと毎年同じ開催地で行われている全国障害者スポーツ大会について、こちらのほうも、例えば、国スポの在り方を見直すのであれば、それに付随して障害者スポーツ大会はどうなるのだという議論があるかと思いますけれども、こちらの障害者スポーツ大会について、今後の在り方、例えば、開催方式の見直しであるとか、期間の見直しであるとか、現状のままでいいですとか、様々な考え方があるかと思うのですけれども。

知事
 障害者スポーツ大会のほうは、東京オリンピック・パラリンピック2020との関係で、その準備の過程で国内における全国障害者スポーツ大会も本格的にやっていこうと。全国障害者スポーツ大会が非常に本格的な競技会になってきたのは最近のことだと思うのです。国スポと融合させて区別なくやっていこうという方向性と、競技の特質に応じて独立した感じのほうがいいという両極端の意見があると思い、そこの議論というのは、まだそれこそ始まったばかりで、そこはやはり、競技者の方やその競技者を支えている支援者の人たち、そういった当事者の人たちの意見を尊重しながら検討していくことが大事なのではないかと思います。

記者
 国スポの関連で私からも1問質問させてもらいます。先ほど知事のほうからもちょっと言及ありましたけれども、国スポの位置づけというものが、いわゆるトップアスリートのためのものなのか、裾野を広げるためのものなのかというところで、位置づけというのが若干曖昧という部分もあるのかなというふうに思います。そういうスポーツ政策の観点で、どういうふうな位置づけであるべきなのかというところで知事の御所見をお願いします。

知事
 今、競技種目によって、また、あるいはオリンピックが近いとか、オリンピックが終わった後とか、時期によっても違ったりしているのが実態だと思うのです。岩手県で希望郷いわて国体をやったのは、リオオリンピックの後でしたので、オリンピック選手がかなり陸上や水泳に出場してくれて、そういう質の高い競技をこの地方で、岩手で見ることができるし、また、そこに参加して一緒に競うことができるということが非常にいいなという感じを受けたことを思い出します。
 一方、公式競技のほかにいろいろ、スポーツ吹き矢でありますとか、スポーツ吹き矢は障がい者の人たちもやりやすいということで、普及が目指されているのですけれども、運動があまり得意ではない人でもどんどん参加してやれるようなスポーツの競技会も、正式種目以外にどんどんやっていこうということも希望郷いわて国体のときにやって、それも非常に良かったと思うのです。ですから、そこは非常に悩ましいところがありますので、やはりアスリートファースト、競技者の声というのが大事だと思います。競技者の声を大事にしながら、また、専門家の意見も参考にして、議論していかなければならないところだと思います。

記者
 私も国スポの件で、先ほどの質問に対しての回答がちょっと分かりにくいところがありまして、達増知事御自身は、国スポを廃止するべき、今の在り方を廃止するべきなのか、今の形を存続させるべきなのか、またはどちらでもないのか、達増知事御自身の考えはいかがでしょう。

知事
 県の持ち出し予算、そして、県が動員しなければならない人手、これはやっぱり負担は大きいなと思っていますので、それを国家的行事という観点から国が直接予算を確保し、また、国のほうで様々な人手も確保していくというふうにしたほうがいいのではないかと。それができないと、全国の都道府県、今までのような形での開催というのは、極めて困難であろうというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。その上での議論はこれからというお話がありましたけれども、国スポの在り方の議論についてどのように進めていくべきかというふうにお考えでしょうか。

知事
 まず、そのような実態の情報を共有することから始めることだと思います。今のやり方でどういうメリットがあるのか、そして、どういう問題点があるのか、そういう実態が見えてくればおのずとこういうふうに変えていこうとか、こういうことはやめようとか、そういうのが見えてくると思います。

記者
 話題が替わりまして、先日、ヒッグス粒子の存在を予言されて、ノーベル物理学賞を受賞したピーター・ヒッグスさんが亡くなられました。本県が誘致を目指しているILC(国際リニアコライダー)もヒッグスファクトリーとしての期待は非常に大きいと思うのですが、この死去についての御所感をまずお聞かせください。

知事
 改めて御冥福をお祈りしたいと思います。神の粒子とかいう言葉があるくらいのすごい粒子の存在を予言していた人で、また、ヒッグス粒子という呼び方については、本人は非常に謙虚な方で、自分だけの粒子ではないということで、関わった人たちの名前を一通りたくさん合わせたような別の呼び方とか、ヒッグス粒子という言葉を使わなければならないときには、「いわゆる」をつけて言うようにしたりとか、人間的にも非常に立派な方で、そういう存在が失われたことは大変残念だなと思います。
 一方、ヒッグスさんの予言していた物の質量がある仕組みについては、ジュネーブ郊外、CERN(セルン:欧州原子核研究機構)の加速器でヒッグス粒子らしきものを発見ということで、実際そうなのだろうというところまで物理学は来ているわけです。ヒッグス博士の思いをしっかり受け継いで、科学を発展させていくためにも、ヒッグス粒子の次の段階の研究には次世代の加速器がないと駄目という、もうそういうコンセンサスは科学の世界にはあるわけでありまして、ILCの建設ということが一層求められるのかなというふうに思います。

記者
 その上で、改めてお聞かせいただきたいのですが、誘致活動についても非常に正念場を迎えているというところの重要な年が今年でもあるということだと思うのですが、改めてどういうふうに誘致活動に取り組んでいくのかという思いをお聞かせください。

知事
 国への働きかけ、そして科学者、研究者の皆さんとの連携、そして地元としての準備ということ、そこに国民意識の醸成、国民的な盛り上がりをつくっていくという、そういう四つのことを県として行っていきたいと思います。
 国民的盛り上がりについては、ちょうど最近、中国のSF作家の「三体」という小説をネットフリックスがミニドラマにして、非常に話題になっています。この「三体」というSF小説は、世界中の加速器が不具合を起こすというところが始まっていて、これは加速器を使って行われる素粒子物理学の発展こそが人類の科学にとって最重要、これが発展しないと他の全ての分野も停滞するという考え方が、これは小説に明記されています。ネットフリックスのドラマのほうでもCERNの実際の外観が映し出されたりしますし、実際の加速器の加速装置とか、観測装置の映像がドラマにも映し出されたり、そして、関係の科学者もたくさん出てきたりというのが、何かそもそも小説が中国で非常にはやって、世界中の言葉で翻訳され、オバマ(元)大統領も英語版を読んでいたそうなのです。アメリカでもはやったので、ネットフリックスが映像化し、そのことはこの間のタイムにも芸能欄で取り上げられていて、今年(令和6年)ネットフリックスの最大の目玉ではないかと言われているのですが、ということで日本以外の欧米とか中国での加速器というものの社会的な認知度といいますか、浸透度合いに比べて、日本でちょっと浸透が足りないのではないかなと改めて思いました。
 今回の「三体」がブームぐらいに日本でなれば、加速器や素粒子物理学の重要性が日本でまた一段と広まるのかと思うのですけれども、やはり世界の中でちょっと国民的盛り上がりというのが日本はまだまだだなと感じたところですので、県としても工夫して国民意識の醸成を図っていきたいと思います。

記者
 静岡県知事が4月1日に県庁の新規採用職員への訓示で問題発言があったことについて質問させていただきたいと思います。県庁の新規採用職員に対して、「野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいは物を作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方たちです」というふうな発言、いわゆる職業差別のような発言があったというふうに伺っております。この翌日に、川勝知事は辞職を表明したということでした。この発言について、知事はどういうふうな所感をお持ちでしょうか。また、この辞職という責任の取り方についてはどういうふうにお考えかお聞かせください。

知事
 まず、発言については、これは典型的な不適切発言だったと思います。それからあと、内容的にも、シンクタンクがやるようなことを県の仕事でもやりますけれども、それだけではなく、むしろ県というのは、現場を持っているところが国の役所と違う強みというところがありまして、牛を飼ったり、野菜を売ったり、物を作ったりという、そういう研究を担当する職員もいれば、その現場に入って生産者の人たちと一緒になって向上を図っていく担当の職員もいますので、むしろ県の仕事としてはそういう生産の現場を抱え、生産者の人たちと一緒に仕事をするというところが県職員の仕事の醍醐味というところがありますので、そこはやっぱり、あたかもシンクタンクがやっていることイコール県の仕事みたいな言い方をしたのは、ちょっとおかしかったのだと思います。
 そして、辞職については、これは県議会との関係など、静岡県政治独特の過去の経緯の上でこうなったということだと思います。そこには、リニア新幹線建設をめぐる問題ということも関係していますので、今回の発言だけで辞職ということではないのだと思っております。
 岩手県知事として思い出しますと、東日本大震災津波直後から川勝知事が先頭に立って、静岡県は岩手県にものすごく支援をたくさんしてくれまして、現地支援調整本部を岩手県内につくってくれて、そこを拠点にしながら、大勢の職員が岩手に常駐するような形で支援してくれまして、地震県を自称する静岡県でありますので、災害対策、防災という面で川勝知事には非常に支援をしてもらいましたし、また、一緒に仕事をして、得るところは多かったなというふうに思っております。

記者
 その上で追加でお聞きしたいのですけれども、震災の頃にそういうふうにお世話になった経緯もあるということで、今回こういうふうな事態になってしまったということは、達増知事はどういうふうにお受け止めなされているでしょうか。

知事
 これも政治なのかというふうに受け止めております。
 あと、県職員の在り方については、さっき言ったとおりで、現場を持っていることが大事ということは言っておきたいと思います。

記者
 私からは、紅麹(こうじ)関連で1点お伺いしたいのですけれども、先日、県のほうでも紅麹関連で健康被害の疑い事例を1件発表されました。まずは、県内で1人、疑いですけれども、確認されたということについて知事の受け止めと、それから注意喚起だったり、県民に対する呼びかけだったり、今後の対応についてもお伺いしたいと思います。

知事
 食品問題で食の安全安心というのは、県の重要な仕事の一つでもありますので、まずは大阪市から調査依頼があって、それで調査したところ健康被害の可能性がある事例というのが見つかったということであります。それについては、今、きちんと対応しているところでありますし、県内保健所で相談体制をとっておりますので、そこで何かあればお知らせ、また、相談いただきたいと思います。4月10日現在8件で、健康被害が疑われる事例は認められていないという現状ですけれども、県民の皆さんからの相談等には今後も対応しますので、その中で当該食品の関連が疑われる事例があれば、厚(生)労(働)省に報告したりとか、あと、県のホームページで公表するとかということをしていきます。

記者
 すみません、追加で今の問題に関してちょっとお伺いしたいのですけれども、県のほうから、先日9日の発表では、どういった方がどんな食品をどのくらいの期間摂取して、その後症状があったかとか、摂取を取りやめた後に症状が残っていたかとか、その辺のことを調査したということだったのですけれども、個人情報保護の観点から、名前とか住所だったりは難しいとは思うのですけれども、例えば、どういった、何歳代とか、男性なのか女性なのかとか、あと確認された1人、どういった症状が出たかということも公表しないということだったので、県民の健康とか安全に関することで、非常に関心も高いと思われますので、その辺のことの公表も含めて、知事はどういうお考えなのか、今後、またこういう事例が出てきたときに、情報の公開について、知事のお考えをお伺いしたいと思います。

知事
 大阪市からの調査依頼を受けての調査だったので、結果は基本的に大阪市のほうに提出し、大阪市は厚生労働省からも指導を受けながら、本社のある自治体として作業していて、そういう中で、もし発表するのであれば、大阪市のほうで取りまとめて発表ということかなと思うのですが、ただ、形式的には機能性表示食品なのですけれども、実質的には薬の害に近いようなことが起きていて、本当は厚生労働省が直接検査したり、担当して、医療関係の、コロナの後遺症などもそうなのですけれども、個別の症状とかを発表しても、そうではないケースも実はほかにたくさんあったりとかありますので、やはり国のほうで一元的に情報を整理して、何人のうち何人にこういう症状が出ているとか、何か月摂取した人だとこういう症状が何人に出ているとか、そういう発表の仕方をしないと、たまたまある一人の人の例だけ出したりすると、たまたまその人の腎臓がもともと弱かったりすると、参考にはならないのかもしれないし、そういう意味で、やっぱり機能性表示食品制度の限界も今、見えているところだと思うので、国でも見直しをすると。ちゃんと、何かあったときの企業からの報告義務を明らかにするとか、そういうことを言っていますので、そういった情報の整理、そして、公表についても国のほうでしっかりやるような形にしていってほしいと思います。

記者
 質問ではないのですけれども、知事のネクタイがすごく気になっていまして、それは桜の季節に合わせて締めていらしたのかなとか、それだけをちょっと教えてください。

知事
 そのとおりです。地元にネクタイに絵を描く趣味の方がいらっしゃいまして、だから岩手の人が作ったネクタイです。特殊な塗料で描いてあって、ちょっと触っただけでは取れないような、こすっても取れないようなもので描かれていて、こういうのを何本か持っているのですけれども、最近の青空の下で石割桜が咲いているような感じをぴったり表しているなと思って、最近しています。

記者
 季節感がぴったりだと思ったものですから、申し訳ございません、変な質問をしまして。

知事
 いえいえ。

記者
 あと、ヘラルボニーとか、いろいろよく締めていらっしゃるものですから、ちょっと最近、知事のネクタイもちょっと注目して見ていないといかんかなと思いまして、それでちょっと改めて聞きましたけれども。

知事
 岩手県のネクタイしかしないという方針がありますので、岩手県で作られたとか、そばっち、わんこきょうだいネクタイなどで、岩手県ではないところで生産されていても、そういう岩手のネクタイとカウントされるようなもの、そういうものも含めて岩手のネクタイだけをするようにしていますので、見ていただきたいと思います。

記者
 最後に一言、お似合いでございます。

知事
 ありがとうございます。

記者
 どうもありがとうございました。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は4月19日(金曜日)の予定です。

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