7月号特集記事「暑熱対策」

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ページ番号1008066  更新日 平成26年7月31日

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低コストでエコな暑熱対策に取り組みましょう!

 家畜にかかる暑熱ストレスは、乳量及び日増体重の減少や繁殖成績の低下等、家畜の生産性に大きな影響を及ぼすばかりでなく、様々な疾病の引き金にもなります。長期予報では、今夏の東北地方は低めの気温で推移すると言われていますが、油断は禁物です。ここでは、様々な暑熱対策方法の中から、お財布にも環境にもやさしい事例をご紹介します。

暑熱対策のポイント

畜舎外から畜舎温度を下げる

 スプリンクラー等による屋根への散水、屋根への石灰塗布、グリーンカーテン・寒冷紗の設置

畜舎内設備で畜舎温度を下げる

 換気扇・扇風機による送風、細霧装置・クーリングパッドによる冷房

体感温度を下げる

 毛刈り、飼養密度の低減、家畜への直接散水、ペットボトルクーリング

飼料給与法を工夫する

 冷水の充分な給与、涼しい時間帯の給餌、給餌回数の増加(一回あたりの給与量減少)、ビタミン・ミネラルの添加

低コストでエコな暑熱対策事例

畜舎屋根への石灰塗布

 石灰を水に溶かして石灰乳を作り、屋根へ塗布します。牛舎では、屋根裏温度:約15℃低下、畜舎内温度:約5℃低下といった効果が認められています。長持ちさせるために、ムラなく塗るのがポイントです。

グリーンカーテン

 ゴーヤやアサガオ等のつる性植物をネットに這わせ、畜舎の南側等日当たりの良い場所に設置します。カーテンの内側の温度が、外側より約5℃低下したという報告もあります。

寒冷紗の設置

 グリーンカーテンよりも手間がかからないのが寒冷紗です。代わりに「よしず」等を使用する場合は、自然の風を遮らないよう、設置角度の工夫や送風装置の併用が必要です。

ペットボトルクーリング

繁殖豚の背中の上に凍らせたペットボトルを吊るし、溶けた滴が背中に落ちることで豚の体を冷やしている様子の写真です。
ペットボトルクーリング

 ペットボトルにて製氷し、融け出した冷水を牛や豚の頚部に滴下することにより、全身の血流を冷やして熱性ストレスを緩和する方法です。低コストで取り入れやすいことから、近年、利用する農場が増えているようです。

 この手法により、豚で(1)受胎率の向上、(2)発情回帰日数の短縮、(3)周産期疾病の重篤化防止といった効果が認められている他、牛では体表温度が2℃低下し、「牛が立つようになった」との声も聞かれたようです。


 家畜の種類、畜舎構造、例年の被害状況等により、農場に合った対策は異なります。上に挙げた手法をいくつか組み合わせて、今年の夏を乗り切りましょう!

このページに関するお問い合わせ

岩手県中央家畜保健衛生所 大家畜課
〒020-0605 岩手県滝沢市砂込390-5
電話番号:019-688-4111 ファクス番号:019-688-4012
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。