「いわて幸せ作戦会議(オンライン・1回目)」(令和4年9月13日)

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ページ番号1060412  更新日 令和4年11月22日

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日時
令和4年9月13日(火曜日)10時30分から11時50分まで

場所
オンライン会議
〔県庁舎3階第一応接室及び各参加者の活動拠点等〕

出席者

・参加者(敬称略)
 山本 健太(一般社団法人トナリノ デジタルチームマネージャー)
 兼松 智恵子(AP TECH株式会社 メディテック事業/市場開発担当 医師)
 佐々木 燿(株式会社山人 総支配人)
 髙橋 惣兵衛(株式会社惣兵衛 代表取締役、本名 髙橋 さゆり)

・県側
 達増 拓也 知事
 小野 博 政策企画部長
 熊谷 泰樹 ふるさと振興部長

開会

小野部長
 
それでは、ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議オンライン」を開催いたします。皆様には御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
 今日は、「デジタルで“創り、繋げる”未来のいわて」を懇談のテーマといたしまして、県内4ヶ所において、デジタル技術等の活用によりまして、産業振興や地域づくりなどに取り組まれている方々にお集まりいただきました。私は本日の進行役を務めます、政策企画部長の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

小野部長
 
それでは開会にあたりまして、達増知事から御挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、こんにちは。お忙しいところ、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議オンライン」に御参加をいただきまして、誠にありがとうございます。
 今日はデジタルというテーマもあり、歴戦の勇志の皆さん(にお集まりいただいていますが)、県政懇談会は、この各地域、各分野で活躍している皆さんから、知事が直接意見を伺って県政に役立てるというものでありますけれども、既に多くの実績があり、県とも様々一緒に仕事をさせてもらっている皆さん、そしてそれぞれの団体でありますので、私も今日は大変心強く思っております。
 さて、昨日、県の東日本大震災津波復興委員会がありまして、そこで様々、復興の現状報告、そして委員の皆さんからの意見を伺いましたが、今、復興は、まだ未完成なハードを完成させるということや、心のケアなどのソフト面の必要な事業を継続していくという、この復興固有の課題があることに加えて、新型コロナウイルスの流行でありますとか、諸物価高騰、また、主要魚種の不漁問題など、この新しい課題がそこに重なってきているというところがあります。さらに、元々あった構造的な課題、それは人口減少、そして医師不足、また第一次産業の抱える困難さ、ということで、この三重の構造を持ったこの課題に、復興の現場が直面しているということが見えてきたところです。で、そこに、このデジタルとグリーンという要素、これはうまくいけば、三重のこの課題を解決できる大きな力になるわけですけれども、しかし、逆にうまく活用しないまま、立ち遅れてしまいますと、これはむしろ4番目の課題になってしまうという、今そういう状況にあるんだなということが、昨日、見えてきたところであります。
 これは、被災地が復興について直面する状況であると同時に、岩手全体としても同じような状況にあるんだと思います。それぞれの地域や分野の固有の課題があるのに加えて、コロナ、物価上昇というような、今、目の前にある非常事態、そこに元々あった、人口減少、医師不足、第一次産業の構造問題などが重なっていて、これを、デジタル、そしてグリーンの力で、どう克服していくかというような状況に、岩手全体もあるんだと思います。
 そういう中で、今日お集まりの皆さんは、岩手が直面する課題を克服して未来を切り拓き、県民の幸福度を高めていく、そういう活動を推進されている皆さんでありますので、ぜひ、その話を伺って、県政の参考にしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

出席者紹介

小野部長
 ありがとうございました。
 それではこの後の進め方についてですが、まず私から、お一人ずつ御出席の皆様の御名前を御紹介いたしますので、続けてそれぞれ1分程度の簡単な自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきます。大体5分程度です。お一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントをする、というような形で区切りながら進めてまいりたいと思います。そして最後に、自由懇談の時間も設けたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、名簿順に従いまして、本日御出席の皆様を御紹介いたします。一般社団法人トナリノ デジタルチームマネージャー、山本健太さんです。1分程度で自己紹介をお願いいたします。

山本 健太
 はい、本日はよろしくお願いいたします。私、岩手県陸前高田市というところで活動しております山本と言います。普段ですね、岩手県南部、内陸も含めてなんですけども、地域で高齢者ないし住民の方々にスマートフォンだったり、タブレットの使い方を教える活動をしています。
 昨今のマイナンバー普及ということで各自治体頑張って推進しているんですけども、やはり高齢者のところに届かない、申請が追いつかないというところ、課題と私も感じています。そこにどのように寄り添っていくか、申請に繋げていくかっていうことを、いろいろ活動しております。本日はよろしくお願いします。

小野部長
 
次に、AP TECH(エーピーテック)株式会社 メディテック事業 市場開発担当、医師、兼松智恵子さんです。

兼松 智恵子
 皆様お時間ありがとうございます。AP TECHの兼松でございます。弊社は岩手県の八幡平市というところにございまして、私が主に活動をしているのが、八幡平市の中でもかなり北西、安代の西の部分に当たるようなところ、それから岩手と秋田の県境にある田山地区というところをメインに今、活動をさせていただいております。
 活動の内容としましては、診療所と連携したオンライン診療であったり、あと、オンライン診療をどのように持続的にしていくか、そして地域の高齢の方、そして独居の方が増えている中で見守りを、先ほどもあった通り、皆様デジタル機器使えませんので、それをどのように使って、機嫌よく暮らしていただくか、というような活動をしております。よろしくお願いいたします。

小野部長
 
ありがとうございました。次に、株式会社山人(やまど) 総支配人 佐々木耀さんです。

佐々木 燿
 
はい。西和賀町から佐々木燿です。今日はよろしくお願いします。西和賀町は皆さん御存知かどうか、結構岩手県の中でも知らないっていう人もいらっしゃるぐらいマイナーな自治体かもしれないんですが、岩手県の西の端っこにございます。人口が5,000人ぐらいのところなんですが、実は数年前までは6,000人以上いました。毎年私もチェックしてるんですけど、毎月10人ずつ減っていってて、年間120人ぐらい減ってます。順調にその数減ってるんですね。
 なので、もう将来の人口予測っていうのはかなり正確にできる自治体でして、その中で全部で12部屋のちっちゃな温泉旅館を経営しております。いかにこう、外部からお客さんを呼び込んで来るかっていう取り組みとともに、いかに若い人を外部から集めて、もちろん地元の人たちと協力しながら、面白い楽しい事業を作っていくかっていうこともやってますし、そういったことをトータルで、地域をいかに持続可能にしていくかっていうところがすごく今難しい場面に直面しているなというふうに感じています。今日はよろしくお願いします。

小野部長
 
ありがとうございました。次に、株式会社惣兵衛 代表取締役 髙橋惣兵衛さんです。お願いいたします。

髙橋 惣兵衛
 
はい、こんにちは。株式会社惣兵衛の髙橋惣兵衛です。戸籍名は「さゆり」なんですけれども、代々、当主が「惣兵衛」と名乗る家なので、男の子がいなかったんで、今、襲名して「惣兵衛」と名乗っています。最初、ITデザインで起業して、伝えるというノウハウを得た後に、家業の無農薬の玄米を6次産業化して、デジタルインターネット技術を使って届けるという仕事をしております。その傍ら、完全菜食の「Sobe's Cafe(ソーベーズカフェ)」というカフェも2007年から運営しており、そこでオリジナル商品の提供、またオンラインでの販売もしています。どうぞよろしくお願いします。

小野部長
 
ありがとうございました。県からは達増知事、ふるさと振興部の熊谷部長、そして私の参加でございます。よろしくお願いいたします。

懇談

写真:懇談会の様子2

<テーマ>
 デジタルで“創り、繋げる”未来のいわて

小野部長
 
それでは、皆様のお手元にお菓子を準備しております。お送りしておりますので、是非ですね・・・、(各参加者がカメラに向かってお菓子を見せる。)ありがとうございます。お召し上がりいただきながら御歓談をいただければと思います。
 私の方からお菓子を御紹介いたします。本日お配りしているお菓子ですけれども、資料の方にも説明ございますけれども、本日出席者の髙橋惣兵衛さんが代表を務めます「Sobe's Cafe」で製造販売している、「ちびすけ玄米クッキー」を御用意致しました。「惣兵衛米」の玄米粉のほか、天然塩、国産無添加菜種油などが原材料でございます。化学調味料や保存料は無添加。卵、乳、白砂糖を使わないVegan(ヴィーガン)対応で、専用の菓子工房で一つ一つを丁寧にハンドメイドされているとのことでございます。シンプルで素朴、どこか懐かしいノスタルジックな味わいは、「にこちゃんマーク」、70年あたりに「スマイルマーク」ということだったんですが、愛嬌のある形も相まって飽きのこない逸品でございます。本日は、3種類ある中からですね、一番の人気と聞いておりますけれども、白、プレーンを御用意いたしました。どうぞお召し上がりいただきながら懇談をお願いしたいと思います。
 髙橋さんの方から、せっかくでございますので、何かコメントいただけますでしょうか。

髙橋 惣兵衛
 
素晴らしい紹介で何も補足することは全然ないんですけど、着眼していただいた通り、「スマイルマーク」って万国共通なので、ノンバーバルな非言語コミュニケーションで、全国に、全世界に伝わるようにと、「にこちゃんマーク」にしております。以上です。

小野部長
 ありがとうございました。
それでは続きまして、熊谷部長から、本日の懇談のテーマについて説明をお願いします。

熊谷部長
 それでは、懇談テーマ「デジタルで“創り、繋げる”未来のいわて」について御説明いたします。
 本県は約1万5,300平方キロメートルの広大な県土に、多くの中山間地域を抱えており、本年8月1日現在の推計人口は約118万2,600人で、年々、過疎化や人口減少、少子高齢化が進んでいます。
 本年6月7日に閣議決定された「デジタル田園都市国家構想基本方針」において、「デジタルは地方の社会課題を解決するための鍵である」とされ、デジタル実装を通じた地域の課題解決や魅力向上の取組を推進する方針が示されました。
 県では、“デジタルトランスフォーメーションの推進により、県民一人ひとりがデジタル化による恩恵を享受することができる「豊かで活力あふれる希望郷いわて」の実現”を基本目標に、行政サービスの向上、産業の生産性向上・高付加価値化、暮らしにおける県民の利便性向上、誰もがデジタル利活用できる環境の整備促進に向けた取組を進めているところです。
 また、昨年度、県民を対象に実施したアンケート調査によりますと、デジタル化に対して、仕事の効率化や人手不足解消、遠隔医療・遠隔教育などに多くの期待が寄せられる一方、高齢者やデジタル弱者が社会から取り残される懸念が示される結果となっており、これらの要望の実現に向けては、産学官民のオールいわてで取り組んでいく必要があるところです。
 本日、お集まりいただきました皆様におかれましては、取組分野や活動地域こそ異なっておりますが、デジタル等を活用して、住民の利便性向上や地域課題解決に取り組まれている点で共通しておられます。
 デジタル活用による付加価値の創出などの産業振興や、誰一人取り残さない持続可能な地域づくりによる、「デジタルで“創り、繋げる”未来のいわて」像、その実現に向けたアイディア・課題等について、御意見を頂戴できればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

小野部長
 はい、ありがとうございました。
 それではさっそく懇談の方に入らせていただきます。本日のテーマ「デジタルで“創り、繋げる”未来のいわて」に沿って、今の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めて、お話をいただければと思います。冒頭で知事からもお話ございましたように、今、直面しております三つの課題、それへのソリューションとなりうるデジタルといったことで、様々な御意見を頂戴できればと思います。
 それでは初めに山本さん、5分程度でお話いただきますようお願いいたします。

山本 健太
 はい、それでは早速始めさせていただきます。
 私、岩手県の南の方で、住民向けのスマホ教室を昨日も遠野でやっておりました。今日も他のチームが大船渡で実施をする、毎日いろんなところで、スマホ教室をやっています。この事業なんですけども、大元は総務省から委託というか事業を公募して我々が申請をして、自治体と共に実施をするというものをやっていまして、陸前高田、大船渡、それから遠野市で申請をして、受理されまして、今、県南域でやっているというところです。
 主な参加者がスマホ初心者の高齢者で、学びたい人を集めて実施をする、15人から20人ぐらいですかね、公民館に集まっていただいて、御紹介やっているんですが、共通して課題として感じるのが、デジタル化に無理やりついてこさせられてる感っていうんですかね。周りがデジタル化してるから、スマホやんなきゃ、パカパカの携帯が終わっちゃうっていう危機感を持って参加されている方がいらっしゃいます。
 ただ、なぜそういうことになっているのか、なぜデジタル化が進んでいるのかっていう実感を持ってる方っていうのが、あまり多くないなというところがあります。
 冒頭お話にもありましたけども、デジタル化することによって、かなりの行政システムとかの業務効率が改善すると思います。そして住民さんの工数っていうんですかね、市役所へ行って紙を書いたりとか、いろいろな手続のコストっていうのも下がってくると私も思いますが、どのように下がってくるかっていう体感がまだないので、何か無理やりスマホにさせられた、無理やりマイナンバーカード申請させられてるっていう感覚が強いので、ネガティブな感触で始まっている方が多いなというところがちょっと印象としてあります。
 これから人口減少、少子高齢化っていうところで、税収もどんどん減っていくと思います、各自治体。業務の効率どんどん上げなければいけないっていうところが、私もよく分かるので、デジタル化はもう必須だと思っています。ただそれに、システムの方が先にいってしまって、ハードが整備されても、そこに住民さんが付いてこなければ、その行政に対する反発というんですかね、ネガティブなことになってしまうのは私もちょっと悲しいなと思っています。そこにどのようにアクションするかっていうのが私たちのような民間団体に求められていると思っていまして、今は国のお金で動いています。
 あと各自治体も、だんだんとこう考えがシフトしてきて、手続やんなきゃってことで、民間でやってくれるところに委託しますよ、みたいな話もあるんですけども、やはり、そこの自治体判断で前向きなところとそうでないところ、ございます。やはり庁内も危機感があるところないところっていうのが、我々も複数の自治体でやってるから、見えて取れます。そこにどう県政としてですね、実際に働きかけていくかっていうところを達増知事の御意見を伺いたいなと思うのが1点と、これから県として、これからガバメントクラウドということで、県全域でデジタルでの住民票とか登録とか全然進んでいくと思うんですけども、どのようなところをそのゴールとしているのか。すぐに全部がデジタル化って難しいと思います。何年ぐらいのスパンで、どれぐらいの状況を目指していくのかっていうのが、今の感覚値で結構ですので、教えていただきたいなと思います。

小野部長
 はい、ありがとうございました。どうぞ。よろしいですか。

山本 健太
 はい、もう1点ですね、住民さんだけではなくて学校のICT支援ということもやっています。今、タブレットが各学校に、小中学生一人1台が入りました。実際入ってるの私も子供が小学生なので見ていますが、配備はされたんだけども、実働していないっていうのが現実だと思います。
 各教育委員会からどのような報告が県に行ってるのか、私もネットで調べる限りは見ているんですが、報告と実働が違うっていうのも事実としてあります。漬物石になってるところもあります。
 それをどう動かしていくかっていうところが、未来を拓く人材っていうんですかね、それを育成するために必要なことだと思いますので、知事から何かっていうことでもないんですけども、今、課題として考えてることを今お伝えしました。はい、以上でございます。

小野部長
 はい、ありがとうございました。知事から、また後程、熊谷部長の方からもですね、何かありましたらお願いします。それでは知事の方からお願いします。

達増知事
 
そうですね、県の今後のデジタル化、何年でどのぐらいっていうのは、担当部長から説明してもらおうかと思いますけれども、まず、山本健太さんには大変重要な役割を果たしていただいていてありがとうございます。高齢者の皆さんのスマホ、タブレット教室っていうのは非常に大事なことなんですけれども、なるほどおっしゃる通り、なぜやらなきゃなんないのかっていうところで、納得感がないと無理やりやらされる感になってきて、それはもったいない話で、やはり便利だから、また、こう楽しいから、スマホやタブレットが使われるようになっているので、そういうところをまず分かってもらうことが大事なんだと思いますね。
 私は、タブレットを大分前から使っていた関係でスマホを使い始めたのは結構最近なんですけれども、QR決済ですね、QRコード決済を県として全国4つの県が総務省のモデル事業に選ばれて、キャッシュレス決済を導入していく、岩手県はその先頭切らなきゃならないということで知事もバンバンQRコード決済やって見せなきゃっていうことで、それをきっかけにスマホにしたんですけれども、QR決済のこの便利さ、気持ちよさっていうのは、一度経験するともう、これなしでいられないみたいになるんじゃないかと思います。
 また、タブレットをそもそも使い始めたのは、これは県の仕事で様々な書類、文章をペーパーレスにしてデジタルにしていく中で、メールの形でしか、こう私に情報があがらないようになってくる中でタブレットを使うようになったのと、あとは、ツイッターをやるようになって、ツイッターをこう見て、そして、書いて投稿するのにタブレットが非常に便利。それまではパソコンでやってましたんで、タブレットの便利さを感じました。
 仕事上、そして趣味で必要に迫られて、スマホやタブレットっていうのもありなのかと思うんですけど、あとは、マイナンバーカードについては、私は確定申告を毎年やりますんで、マイナンバーカードがあると、もうこれはスマホだけで確定申告ができるので、スマホとマイナンバーカードだけで確定申告できるというのは非常に便利。ただ、確定申告をしている人っていうのは、まだ少数派でありましょうから、あれなんですが、最近、県で強調し始めてるのは、ワクチン接種証明ですね、ワクチン接種証明がスマホとマイナンバーの組み合わせで非常に簡単にマイナンバーに、こう登録してそれをパッと見せられるようになりますので、その辺は、いろいろ旅行とか、いろんなところでワクチン証明見せなきゃならないときに、便利さを感じてもらえるんじゃないかなと思っています。
 学校でのタブレットが実働してない問題というのは、そういう報告は、正式な報告の形では受けていないんですけれども、やはりいろんなところから聞こえてはくるので、気をつけなきゃなというふうには思っているところです。
 県としてデジタル化、何年でどのくらいまでいくかというのは・・・、


熊谷部長
 はい、私の方から若干御説明させていただきます。
 行政のDXということで、業務の効率化でありますとか、行政サービスの向上を目指して、様々、DXの推進を行っておりますが、国の方からは、基本的な部分で、基幹20業務システムというものが示されてます。例えば住民基本台帳でありますとか、国民健康保険関連でありますとか、戸籍関連でありますとか、そういった20業務のシステムの標準化・共通化、ガバメントクラウドの移行、これを令和7年度末まで、全国が統一で使う、使えるようにすると、そういう目標が示されております。そういったことで、県としては、これは市町村の業務が大半でございますので、市町村に対しまして技術的助言、随時の進捗管理、市町村の行政デジタル化の取組の支援を行っておりますし、いわゆる市町村のシステムに連動する、県も必要がありますので、そういった必要な改修は行っている、これから進めていく状況であります。
 ただ、基幹20業務システムという目標がございますけれども、それも大事ですけれども、やはり、いかに住民の方々が、より利便性の高い行政サービスを享受できるように、それだけではなくて、そのサービスの提供、そういったものをやっていく必要があると思ってますので、そういった部分で、もう市町村によって取り組んでいるところもございますし、例えば小規模自治体等でなかなかそういった人材が、確保が難しい、進めることが難しいという市町村と県が共同しまして、勉強会をやるとか、或いは一緒に何か取り組むとか、そういう市町村連携、それの橋渡し役を県がやる、そういうような取組も今進めておりまして、県全体で行政のDXが進む、進めるように、業務を行っているところです。以上です。

小野部長
 はい、また次の方で自由の意見交換もありますので、また何かございましたらお願いします。
 続きまして、それでは兼松さんからお願いいたします。

兼松 智恵子
 はい。AP TECHの兼松と申します。5分ほどの短いお時間でございますので、資料の方、共有させていただきながらと思っております。資料の方を共有させていただいてよろしいでしょうか。

小野部長
 はい、お願いいたします。
 (画面に資料が表示される。)

兼松 智恵子
 
弊社の商品の方を(画面に)共有しております。私、岩手に来てもう少しで3年ぐらいになります。元々関西の方の出身で、岩手県の八幡平市が行っている「スパルタキャンプ」という、プログラミングとビジネスのプログラムを組み合わせたようなものがきっかけでこちらに参りました。
 大阪の方では、私が元々いたのは大都市圏の方でありましたが大阪も近くにですね、山あいの過疎地を多く持つ県や和歌山県といったところ持っていますので、そういったところは、横目でずっと見ていたというところでございます。
 医療の分野でも、スマートウオッチをどのように使っていくかというのが今非常に進んできていて、それに非常に元々興味があったというところで、この会社に入ったというようなところです。
 で、私たちが、この、今お見せしております「Hachi(ハチ)」というこちら、一般発売は1年半以上前にしておりまして、こちらを使ったようなプロジェクトを行っております。これが簡単に言うと、スマートウオッチ、Apple Watch(アップルウォッチ)を高齢の方に付けていただいて、簡単に楽しく、楽しいっていうのはもちろん本人が楽しめることもさながら、御家族や周りの方と楽しんでもらえる、そして本人にとっても、見守る方、それから御家族にとっても、何せ簡単で面倒くさくない、楽しく日々の中で使えるというのを私たち非常に重視するというようなことをやっています。なので、わんちゃん(注:サービスの説明画面で犬のイラストが表示されている。)に見守ってもらうというような形で使っていただいております。
 こちらの商品は私たちが開発している見守りサービスでございますけれども、私が主にやっているのは、こちらの八幡平市の「八幡平メディテックバレー」という事業です。簡単に言ってですね、見守りと遠隔医療を繋げようということです。
 もう本当に見守りの分野でも医療の分野でも、岩手県と八幡平市の中でさえもたくさんの取り組みが行われてきていて、それにICTを組み合わせるというときに、いかに無駄にならないように、つまり、一個一個解決していくのではなくて、いろいろ繋げてシームレスに、そして地域の方が楽しく使えるように、継続ができるようにどうしたらいいのかというのを課題とは別に、皆さん絶対にそちらを課題として持っていらっしゃると思います。医療、福祉、あと物流それら全て、あと人口減ですとかその辺は全てもう、持ってるところは全て持ってるというようなところだなと本当に普段見てて思います。
 私たち、こちらの「ICTで過疎地を見守る」、これは1年ほど前のテレビの画像ですけれども、こちらに関しては、元々地元だというのがありまして、八幡平市の当時の市長から紹介をいただきました。先ほど知事の方からも、先生が足りないんだといったところを御紹介はあったところでございますが、この八幡平市というところ、無医地区は一応含んでるんですが、実は医療過疎という地域の中には入っていません。どうしてかというと盛岡医療圏に入っているためですね。
 盛岡医療圏に入っているので、医者が足りないというそちらの数値の中では出てこないんですが、やっぱり盛岡医療圏の中でも偏在はありまして、岩手県の中でも偏在があるのと同じですが、八幡平市でももう無医地区といったところが既に1ヶ所、2ヶ所というふうに発生しており、そちらに対して先生が今は診療所週4日開いてますけれども、週4日1日往復、盛岡の先生が八幡平の方に行って、八幡平からその中でまた2時間程度往復するというのを毎日繰り返しているという状況で、こちら今は望月先生という先生が頑張られているものの、それがいつまで続けられるんだ、というのが非常に課題にあるというところで始めるというところに至りました。
 こちら始めていて住民の方の受け入れは非常にいいと感じます。やっぱり住民の方が一番課題として、地元で分かっているからといったところがございます。なので、住民の方の説明会や何か、私させていただきながら、同時に八幡平の市であったり、岩手県庁の方に、いろいろ御紹介はさせていただいてます。
 もうプロジェクト始まって2年目になりますので、今は市内での活動とともに、どう市内で継続的にするか、それから岩手県の医療というのは県立病院が多いというのがあって、もう県政と切っても切り離せないというところにございます。そちらを県政としてどう補助していって欲しいという話は県庁の方、医療局様の方とさせていただいています。
 ただやっぱり、岩手県の医療、どうしても医療事業というものが、市町村を中心にやっている事業でございますので、そこを補助・サポートしていくというところで、そして市町村は市町村でやっぱり自力で全てを立ち上げるというのはものすごい現場が多忙の中で、やっぱり難しい。
 どちらかが積極的にぐいぐい引っ張っていくというよりもやっぱりどう連携していくか。で、お互いに情報提供をしながら、例えば県庁の方から、こういったものに興味がありそうな自治体さんはこういうのがあるようであるとか、例えば自治体さんの方から、やっぱり先生主導で進んでいくところもこういうのに興味がありそうな先生がいらっしゃるよとか、そういった情報交換もいろいろ、自治体と病院でやっぱり感じている課題は違うので、それをしっかり交換していくというのがうまくいくところなのではないかなと私、両方のお話を聞いてて思います。
 最近、私たち岩手県外の方でも、西日本なんかで離島のプロジェクトなんかもあるんですが、10年進んだら、やっぱりこれぐらい、もっと先生がいなくなって、もっと課題が進んでいくんだろうなというのは非常に見てて思うところです。またそちらに関して、県庁の方なんかとも連携したいなといういうふうに、最近非常に思っております。
 (画面の資料表示終了)
 長くなりましたが一旦こちらにて終了させていただきます。

小野部長
 
はい、兼松さんありがとうございました。知事、いかがでしょうか。

達増知事
 
はい、兼松智恵子さんには岩手に来ていただいて本当にありがとうございます。しかも、医師ということでですね、本当にありがたいことであります。
 Hachiのこの仕組み、簡単で楽しい親しみやすいということで、いろんな機会に、この評判は聞いておりまして、大変良いんじゃないかと思います。私も、スマート・・・これスマートバンドで、一番普及している安価なタイプのものを使ってるんですけれども、スマートウオッチ、スマートバンドの機能っていうのは非常に便利ですので、これをこの高齢の皆さんの医療中心に健康や生活管理に使うことができると、非常にいいんだと思います。
 田山という地域は、分水嶺の向こうで秋田県から海に注ぐ米代川の源流のある非常に神秘的な地域なんですけれども、スキーのジャンプ場やクロスカントリー場があって、オリンピック、そしてワールドカップで活躍する小林陵侑君が、この田山のジャンプ場ですくすく育っていったという、非常に大事な地域なんですが、その診療所と望月先生がいる八幡平市立病院を結んで、そして、さらに高度な手術などが必要になれば、盛岡市内の病院に来ていただくというような、そういう連携が大事なんだと思います。
 医療に関しては兼松さんおっしゃる通り、この一番身近なところは市町村が見なきゃならないわけですけれども、広域的な連携協力、そして専門的な高度な医療の必要な場合には、県という単位で取り組まなければなりませんので、普段から市町村と県が連携していくことが大事な分野だと思っています。望月先生の存在意義がそれを象徴していて、県立病院で盛岡にある中央病院の院長さんやられて、そして今、八幡平市の医療のトップ、司令塔役を果たしているということで、そういう個人が、県と市を繋いでいるような例もあるんですけれども、個人的に、また、組織として、仕組みとして、より連携してやっていきたいと思います。
 医療っていうのは、戦後、厚生省、そして厚生労働省の所管となってるんですが、元々戦前は内務省の所管で、地方行政の一分野だったんですね、医療っていうのは元々地方行政の一分野で、非常にローカルなものであります。地方自治の観点から、住民の福祉増進という地方自治体のミッションを考えるとき、医療っていうのはこれはもうなくてはならない柱でありまして、戦後、厚生省の所管になってから、全国的な団体、医師会でありますとか、そして製薬業者の団体でありますとか、全国的な業界団体的視点から、医療の仕組みが発展してきたようなところがあるんじゃないかとこう見ていまして、元々のこの地方自治の一分野としての医療っていう視点を失わないようにしてですね、医療は本質的に地域医療であるということで、そこにデジタルの活用というのを進めていきたいと思います。

小野部長
 
はい。ありがとうございました。
 それでは続きまして佐々木さんの方からお願いいたします。

佐々木 燿
 
はい。すごいですね、兼松さんのように資料を用意しておけばいろいろとスムーズだったのかなと思ったりしますが、資料を用意していませんでしたのでまず経歴というか活動の履歴に沿って御説明すると分かりやすいかなと思いましたので説明しますと、まず、私たちの仕事っていうのは観光業ですけれども、何て言うんでしょうね、あんまり社会的な使命感とかを持ってやってるというわけではなくて、本当に自分たちが働きたい、自分たちが暮らしたい場所・好きな土地で、自分たちが楽しいと思える仕事を長く続けていければいいなという割とシンプルな動機でやってます。
 その上で、今、自分たちが西和賀町で働いていく中で、2010年代から言われ始めたのがVUCA(ブーカ)っていうすごく変化の激しい時代というのに入ってきて、いわゆる基幹システムですね。先ほどの政府・自治体さんの基幹システムの話もありましたけれども、宿泊業の中で使われている基幹システムというものもすごくIT会社・システム会社に任せっきりの使いやすいとは言えないシステムというのが結構多くて。それをいかに、自分たちが新しいことを始めたい、新しいサービスをやりたいって言った時に、利便性を高めてくれるはずのシステムがかえって足手まといになってしまって、余計いろんな手間を増やすっていう事が結構あったんですね。なので、自分たちがやりたいことを自分たちが自由にできるように、自分たちが欲しいシステムは自分たちで作っていこう、ということで私たち、私中心になってシステムを開発をしていきました。
 これが割と結構うまくいきまして、そこからは経営的にもうまく黒字になってますし、コロナ以降も継続して黒字化を続けているんですけれども、お蔭様で近年は首都圏や関西からの観光業とDXということで、セミナー・講演の機会をいただくことも増えてまして、その中でお話させていただいてやっぱり皆さん同じ課題感を持っていて、結局はエクセルとかワードに頼ってしまって、便利なのかよく分かんないと、結局手間が増えてるような感じもするし、これってどうにかならないのかなっていうのはやはり皆さん同じなんだなということは感じました。
 実はそのDX、私たちも実際にセミナーをする立場になってみて改めて考えてみたんですけども、DXとかデジタルで繋げていくとかっていうことの前に、そもそも今やってるのっていうのは結構、デジタル化っていう紙でやってたもの、アナログなものをデジタルに移すっていうところが結構大半を占めていて。割と、DXっていうふうにつなげるっていうところの技術的な核、技術的な話にまでまだいってないというか、ビジネスそのものをデジタルに移行するっていう段階の前の段階で止まっている方々すごく多いんだなという印象でした。
 で、結構技術的な話をしてしまうと、DXの核になっているのはいわゆるシステムとシステムを連携していくAPI(エーピーアイ・Application Programming Interface)っていう、そのインターフェースの話が欠かせないんですけれども、なかなかそこに関して理解をしていただくことが結構難しくて、私たちも別にシステム会社ではないんですが自分たちで勉強して、そのAPIっていうものの存在を理解することで、自分たちのビジネスの可能性が無限に広がっていくっていうことをですね、もっと知ってもらうことで皆さんの仕事がやりやすくなったりとか、ビジネスが拡大したりする可能性が広がっていくんじゃないかなっていうのは、すごく感じてます。
 町の話に話を移しますと最近はこの西和賀町、先ほど申し上げましたように人口がすごく減少している一番の地域だと思ってるんですが、外からこう若い人を集めて一緒に働くっていうこともそうですけれども、その上で不動産屋さんがまずないということがありまして、どうやって町に人が住むんだよっていうことで、人伝に家を紹介してもらうしかないんですね。
 自治体さんの方で空き家バンクとかっていうのがあったりするんですけど、写真が1枚2枚、間取りが1枚2枚載ってるぐらいなもので、実際に見に行ってみると本当に住めるような代物じゃないボロ屋さんというか、確かに空き家なのは分かりますが、これをまさかリフォームするといっても莫大なお金がかかりますし。
 その中で交流人口を増やす、これは結構観光業がうまくやってるんですけども、どれだけ観光で交流人口を増やしても、やっぱり住む人が増えないと持続できないと思ってるんです。私たち自身も採用活動を毎年行ってるわけですけど、未だにそうなんですが、新卒の方々を採用しても住むところがないので、まず一旦自分たちが持っている宿泊施設のお部屋に仮住まいをしてもらって。未だに仮住まいしてる人たちが何人かいるんですけど、ただポツポツと町としても、家を作ってくれてはいるんですね。最近もニュースになってましたが「デザイナー住宅」っていうのができまして、6部屋とかあるんですけど、そういった動きはあります。
 ただ、不動産屋さんがない以上、なかなか外から人が住むっていう環境にはなりづらいので、自分たちの本業とは外れますが、自分たちで3Dカメラを導入して、町内で人が住めるような物件を手当たり次第、自分たちで3Dスキャンをして、GoogleストリートビューというかGoogleインサイドビューのような感じで、誰でも自由に内覧ができるような3D内覧・オンライン内覧ができるような、今、そうやってたりします。
 これも結局は自分たちを助けるためというか、自分たちのビジネスがちゃんと持続できるように若い人を集めれるようにっていう取組の一環でもあるんですけど、結果的にはそれが、町のDX化というか、そういったことの一助になっていくのかなというふうに思ったりもしています。
 あとは、最近の動きとして本当に自分たちが楽しく仕事ができるようにっていうことで、町の公共の温浴施設があったんですけどそこを買い取って、オンラインスタジオとして今整備しているところでして、そこで西和賀町の産品ですとか食材とかですね、実際自分たちの料理人がプレゼンテーションをしてPRしていくようなステージっていうのも整えることで、より従業員が自分たちの仕事の幅を広げて、楽しみを見出していけるような環境を作っていければなということで、本当に自分たち目線というか自分たちの持ち場、観光業というところを起点に楽しむための方法というのを常に模索しているような状況でございます。
 私の今のところの取組としてはそういうところです。ありがとうございます。

小野部長
 はい、ありがとうございました。知事いかがでしょうか。

達増知事
 はい、佐々木燿さんには、この西和賀町を拠点に、そういう新しいことをどんどんしていただいてありがとうございます。
 宿泊業のデジタル化で、パッとイメージするのは、予約から全部スマホでできてチェックインもスマホでできて、何か追加で食べ物頼んだりするのを全部スマホで、会計もスマホでっていうようなのをイメージするんですけど、どういったところにデジタル化を入れてるんでしょうか。

佐々木 燿
 はい、そうですね、そこを説明してなくてすいません。宿泊業の基幹、中央となっている基幹システムっていうのがあるんですが、お客様の予約を管理するところ、実際に滞在しているお客様へのサービスの内容を管理する機能、あとはその後の食事に関する管理する機能ですとか、その後のアフターケアの機能を全部ひっくるめて、一つのシステムで中央管理しているシステムとなります。なので今流行りの宿泊業のDXのような自動チェックインですとか、無人チェックアウトとかそういったものは、むしろ私たちのサービスの本質からはかけ離れているので、こういうところは、ないかなというふうに思ってるんですね。もちろんやろうと思えばできます。
 そういったことではなく、お客様へのサービスの品質を向上させるために、よりきめ細やかなサービスを作っていくために、管理したい項目っていうのはやっぱりお客様ごとに細かくあって、そういったものがやはり既存のシステムでは対応できないし、そういったものっていうのは時代とともにだんだん年々変わっていく、お客様の要望も変わっていくし、そういったものに対して、常にこう、変化に寄り添っていけるシステムっていう、つまりすごく柔軟なやわらかいシステムっていうものを作ったっていうのが重要なポイントかなと思ってます。要は固定化していない、固くないシステム。
 なかなかちょっと抽象的で分かりづらいかもしれないんですが、あと一つはコロナ禍以降で始まったんですけれども、YouTubeやPodcastを主体とした、山人の私たち自身が出演をしてお客様に西和賀町の魅力をPRするWebラジオというものを始めてまして、これが割と好評だったんですね。そうすると自分たちスタッフ自身も結構楽しみがあるというか、独特の面白みがあるということで、モチベーションにも繋がりますし、あとは、お客様とのコミュニケーションも山人に実際ここにいらっしゃらなくてもお客様とコミュニケーションができる、お便りを通じて、実際に宿に来なくても、宿のスタッフと交流することができ、エンゲージメントを高めてもらえる、心の交流ができるっていうのは、これは宿泊業にとって一つのDXとして間違いなくいえるのかなと思いました。
 そういったことがきっかけでどんどん西和賀町への愛着も高めてもらえますし、あとはそうですね、そういった形で自分たちの仕事を地域の土着的な仕事からよりエンターテインメント化していくというか、より広くデジタルを通じて、普遍的なエンターテイメントにしていくことができるっていうことがもう一つのDXなのかなというふうに今思ってました。

達増知事
 
はい、内製化とか、あとそういう手づくり感ですよね。やはり、デジタル化の本当の良さとか凄さっていうのは、やっぱりそういうオリジナルなシステムを作り、で、またオリジナルな活動を展開できることですよね。ただ、今、国を先頭に進めようとしている国を挙げてのデジタル化というのは、国が共通の基幹、基盤を作って、自治体においても、市町村が共通にできる基盤を作って、色んな届け出のシステムなんかも共通化しようっていう、共通化共通化っていうようなDXがこう主流になっていて、それはそれで色んな効率化とか省力化とか効果はあるんですけれども、世の中変えるような、仕事等のやり方を根本的に変えるような、業界のあり方も変えるようなDXっていうのはやっぱりそれぞれの主体が自ら作り上げるところに出てくるんだろうなというのを改めて感じたところであります。
 不動産屋さんが西和賀町にないっていうのは、私も気が付きませんでしたけれども、なるほどそうなんだと思いました。やっぱり不動産情報ってのはすごく大事で、東日本大震災のちょっと後に、アメリカのニューヨーク州、ニュージャージー州をハリケーンサンデーが襲って、かなり多くの人たちが家を失ったんですね。それでニュージャージー州、ニューヨーク州、どんなふうに対策するんだろうと思ってホームページを見たら、ホームページのトップページに、「家を失った人は、ここを押してください。」というところがあって、そこを押すと、希望する地域の不動産情報がパッと出てきて、すぐアパートを借りたりとかですね、家を借りたりできるようになっていて、非常に具体的なそういう情報がトップページからスッと入っていけるようになっていて、ここはアメリカ流なんだなと思ったことを思い出します。移住定住促進というときに、やはりそういう非常に具体的な不動産紹介のシステムっていうのがないとやっぱり弱いので、そういうところも3D内覧のようなところまで作ってもらってるっていうのは非常にありがたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。

小野部長
 
はい、ありがとうございました。それではお待たせいたしました。
 最後に、髙橋惣兵衛さんからお願いいたします。

髙橋 惣兵衛
 5分ですもんね。

小野部長
 はい、よろしくお願いします。

髙橋 惣兵衛
 まとめます、はい。

達増知事
 待ってましたよ。

髙橋 惣兵衛
 
現在の取組ですけれども、私、兼松先生のような医師の負担を減らそうと思うんです。健康寿命の促進ということで、食べ物を通じた健康意識の底上げのアプローチをやっています。自分の人生に対して経営者意識を持って取り組んでいきたい。この2年間、パンデミックで、ウクライナ戦争による食の自給率の大切さへの意識の高まりでありますとか、コロナ禍において免疫力を上げなきゃっていうことで、意識をシフトするきっかけになったのかなというふうにも思います。
 「食」って人を良くするって書くじゃないですか。私、食べることと、食べないことと両方で食なのかなと思っています。だいたいみんな食べ過ぎるから、怖いことになってくるわけですよね。ということで、私も10年来、断食愛好家として、食べないと調子いいなあって思うので、食べ物を提供したり、はたまた食べるなよという「断食」プログラムの提供の両輪で進めています。
 私、こういうようなマイナーなことをやっておりまして、ビジネスの成長曲線でいくとまだまだ導入期、いつ成長期に来るのかな?みたいなところです。日本の菜食はニューヨークから比べたら、20年ぐらいは遅れてるよねって海外の人には言われてたりするんですけれども、私の課題は、世間が私に追いつくか、それまで企業体力が持つのかどうかっていうところです。私はこの活路をインターネットに見出しているといった話を、残りの時間でさせていただければと思います。
 今回のテーマ、デジタルで“創り、繋げる”ということで、インターネット界もすごい激戦激変してますよね。私が起業した頃の2000年っていうのはWeb2.0だったんですけども、GAFAM(ガーファム)の時代ですよね、大手のプラットフォームが何かおいしいところを皆取っちゃうぞ、みたいな感じで、活用していくには機嫌を損ねてはいけない。BAN(注:バン。俗に、ネットサービスなどの運営元が登録利用者に対して何らかの理由により利用停止措置やアクセス禁止措置を取ること。)されちゃうともう発信手段を失うということで、実際トランプ大統領とかが、そういう目に遭ってたんですけれども、自由な発言ができているようでできなかった。
 2018年からWeb3.0の時代がやって参りまして、私、この10年は世の中がもうすごく大きく変わるな、というふうに思っています。というのも、一つはですね、キーワードは、情報の直接取引です。直接売買、中間マージンですとか中間業者がなくなる。GAFAMであっても、中間業者と言えば、そういうえるわけじゃないですか。ネットを閲覧しているだけで、データ取られてリマーケティング広告がバーッと出たりするんで、個人情報をどこまで受け渡しているんだろう、ちょっと不安感ってあったと思うんですけども、Web3.0時代になりますとブロックチェーン技術が台頭した場合、情報が中央集権から分散型になり直接やりとりができるようになりますと、流通・広告・教育・観光・医療、すごく産業構造がガラッと変わってくるなと思います。そうなると岩手はチャンスしかないなと思ってるんです。
 例えば、スペースX社によるスターリンク衛星がばんばん今、もう3,000基、2,000基ぐらい飛んでいますね。どういうことかといいますと、もうスマホが飛んでるようなイメージですよね。今は専用機械を買って、99ドルかな、データやりとりしているわけですが、多分10年以内に、スマホのアンテナで衛星データの送受信ができるようになると思います。今、GoogleMapsで位置情報を把握してますけど、これがもっともっと高解像度になるイメージです。
 なので、この地球上に存在している物体の全てが位置情報全部、結構な高精度で送受信ができるようになる。そうすると誰がどこにいるかわかるしスピード違反なんかは絶対逃げられない感じなんですけども、トレードオフで、いい面もたくさんあります。この市場価値たるや2040年まで100兆円になるとも言われていて、アメリカではこの宇宙バブルも来てるぞって感じなんで、これも日本も岩手も乗っていきたいと、私はすごく思っています。
 で、あの、まだ5分大丈夫ですか、巻いていきますね。岩手のアドバンテージは、やっぱり国が推してる観光立国のインバウンドにもうってつけ! 山人さんなんてもう超うってつけなわけですよ。もう山人さんの時代が来るよ~、と。
 あと、というわけで私が言いたいのは三つです。観光立国、インバウンド。海外からたくさんお客様が来ると、山人さんが先ほどおっしゃっていたような、自分たちのデータをいかにアップしていくかって、Web3.0の衛星ブロードバンド時代で世界がめちゃめちゃ狭くなるというふうに踏んでおります。
 で、二つ目、ロケット産業へのシフトでございます。今、サプライチェーンが、私思うに全部自動車に行ってるんですよ。日本の優秀な部品を作る技術、これがやっぱり日本が継承していく技術だと思うんです。この、全部自動車産業にシフトしちゃってるところをちょびちょびっとロケット産業に持って行く。今、達増知事の大好きな漫画界も宇宙漫画、超多い! はい、多いんですよ。「宇宙兄弟」はメジャーですけどもっともっと増えていて、これが、青少年の子供たちにもストライクだと思うんですよ。そんな子供たちの受け皿を岩手が担いたい。日本って島国だからロケット飛ばしやすいんですよ。なのでここに参入していくぞと、行くぞっていうのが二つ目。
 三つ目がECサイトですよね。今、プラットフォームで、ポケマルさん(注:ポケットマルシェ)とか、食ベチョクさんとかが、農家と消費者を繋いでますけども、もっとダイレクトに農家さんとか生産者さんとか消費者が繋がっていくと思っています。実際クリエーターさんたちの中では、Web3.0技術で直接取引を始めている方たちがいます。そうするとどういうことになるかっていうと、例えば地球の裏側に、プランテーション持ってたら、「今日の作物どのけぇ育ったべなぁ」とか、「水分の糖度どんけぇだべなぁ」っていうのがかなり正確にデータ取れるわけですよね。
 私が考えてるのは、おらえ(注:「俺の家」の方言)の田んぼのオーナー制度です。ワインのオーナー制度あるじゃないですか。ただ米を売るって、製品化してから売るんじゃなくて、田んぼごと売れると思うんですよね。だから単に米を買うんじゃなくて、おらえの田んぼから、収穫したぶどうでできたワインをもらうぞっていう感じで、米を買うみたいな。産業構造ごと、考え方をがらっと変えると、ものすごい面白いことできるなというふうに踏んでるんです。
 最後は御自身の抱負ですね? 私はすごくワクワクしてます。この、インターネットの高速化、衛星通信の高速化によりですね、宇宙がコモディティー化してくるわけですよ。高速通信、私たちのスマホが宇宙にいっぱい飛んでるべってなったらいっぱい、今までにない産業もたくさん出てくると思う。
 暗いことを考えようと思ったらいっぱいあるんですけども、可能性を楽しく考えていくことによって、今までちょっとビリだった方の岩手県が、パラダイムシフトによってトップになるってことは十分に考えられます。そういった時に今日の出演者であるところの山本さんでありますとか、兼松さんでありますとか、佐々木さんでありますとかが、もう牽引して、明るい未来を作っていくのではないかなというふうに思っております。以上です。

小野部長
 
ありがとうございました。達増知事からお願いいたします。

達増知事
 
惣兵衛さんありがとうございます。前、お目にかかった時よりさらにその理論や、またビジョンをバージョンアップしていて、大変参考になりました。前、Sobe's Cafe(ソーベーズカフェ)で食事した時に、胃腸を内側からマッサージしてもらうような気持ちを感じたんですけど、今日のこのビーガンクッキーもですね、やはりこう胃腸を内側からからマッサージしてくれるような非常にお腹に優しく、体にいいなっていう実感が湧く食べ物、またいいものを作っているなと改めて思いました。これらを、このIT、ネットも駆使して広く売っていく、利用して頂くっていうのが大事なんだと思いますけれども、最近、なぜ岩手のようなところからこう大谷翔平君が出たんだ、ってよく聞かれるんですけれども、だいたい食べ物がいいからだと答えるようにしてまして、元々素材がいい岩手の食べ物でありますから、そこをさらに、健康を考えながらですね、岩手で健康に食べ物を生産し、食べ、また時々食べないということも混ぜながら、健康を維持していくっていうこと、非常に大事だと思います。
 そして、今後の、この宇宙通信の飛躍的進歩を活用した岩手のビジョンっていうのは、非常に参考になりました。宇宙漫画、そうですね、「プラネテス」、漫画としてはだいぶ前のものですけど、テレビで最近、NHKがやってるのを見ましたけど、昔の宇宙ものに比べ最近の宇宙ものは、宇宙がもう日常の現場になっていて、もう仕事や暮らしの現場になっている。これからそういう感覚の人たちがどんどんこう新しいことをしていく、岩手もそういう人たちが活躍できるようにしていきたいと思います。

小野部長
 
はい、ありがとうございました。
 ここまで4人の皆さん、そして知事からですね様々お話をいただきました。ここからは自由懇談なんですけど、申し訳ありません、時間があと10分ぐらいといったことですよね、2回り目、ぜひですね、皆さんのお話、知事の話を聞いて、これを話してみたいという方がいらっしゃいましたら御発言・・・(山本さん挙手)はい、ではですね、山本さんお願いいたします。

山本 健太
 はい、ありがとうございます。皆さんの話、すごく興味深く聞かせていただいて、特に髙橋さんの、もうプレゼンみたいになってましたけど、この感覚をどれぐらいのその事業やられてる方が持っているか、今日参加されてる皆さんと同じような感覚ですね、を持っている方が県民、県内の事業者の方でどれぐらいいらっしゃるのかなっていうところが、県の成長っていうんですか、産業成長にすごく影響してくるなと僕は思っています。
 未だにファクスで情報をよこせっていう業者さんがいるのが事実で、ファクスでないとモノ売らんよ、ていうところは存在します。冷たいようですけどそういうところは僕は淘汰されて然るべきだと思っています。買う方に負担を強いてるっていうことの自覚がないっていうところなので、冷たいようですけどちょっとないなと思っています。
 何ていうんでしょうね、社会一般的に常識として持っている情報、先ほどAPIの話とかもありましたけども、医療の話もそうですけども、時代が変わってシフトしてきているんだけどもそれについて来れないところがあって、それがどの産業とか分野であっても、何かの壁になってしまって、それで最終的な受益者、住民さんであったり、それに経済的な負担であったり体力的な負担というところがいってしまっているっていうところの矛盾感っていうのを今、陸前高田に住んで感じていて、そこにどれだけ行政であったり、民間の事業者さんが向き合って本気で対峙していくか、「髙橋さん、また突飛なこと言ってるわ」と言ってる人がどれだけ減るかが、県が残っていく勝負かなと思っています。
 私の持ち分としては、住民さんがそこに繋がっていく、ECサイトができたとか、山人さんのシステムいいからそれ使って予約してみたいわって人が使えるようになる、スマホからポチポチ予約できるようになる、要は文字入力ができない高齢者が無茶苦茶多いんで、それができるようになる人を増やす、一般的なリテラシーを高めていくってのが僕の何か役割かなと、今日は参加させていただいて思いました、はい。ありがとうございます。

小野部長
 ありがとうございます。できるだけ皆さんからお話いただきたいと思いますが、その他、いかがでしょうか。
 要はやっぱり受益者の負担になるので移行期にあたってはどうしてもひずみがいってしまうんだけれども、そのひずみで止めるんじゃなくて、きちっとそれがこう流れが続いていくようにやっていくことが重要、そのための議論、行政、企業の役割だという話を山本さんからいただきました。本当にそうだと思います。
 いかがですか。他の皆様から、ここはしゃべりたいと・・・。何か佐々木さんしゃべりたいという感じを、お顔をされてますけど、いかがですか。

佐々木 燿
 いいですかね。

小野部長
 どうぞ。

佐々木 燿
 思ったこと、というか思っていることでもあるんですけど、結局私たち、すごくDX・デジタル化推し進めているんですけど、結果的にじゃあ紙減ったかっていうと結構減ってなくて、紙は結構増えてるんですね。業績が良くなってその分お客様が増えたから、結果、紙が増えたってのもあるんですけど、大事なことはやっぱり紙でっていうことを、やっぱ紙の便利さもよく分かったし、あと先ほどファクスのお話されてたんですが、ファクスってやっぱりすごい便利だなって僕思うんですよ。何か話に聞いた感じだと医療業界とかってのは、結構ファクスとか使われるというか何かセキュリティの観点からファクスがいいみたいな話とか聞いたりもするんですけど、そんなことなんですかね、って思ったりしました。以上です。

小野部長
 ありがとうございます。ファクスの便利さといったこともですね、お話ありましたけれど、兼松さん、いかがですか。

兼松 智恵子
 ありがとうございます。それはセキュリティの問題から言うと、国がいろいろクラウド化を推進しているが、繋がないのが一番セキュリティが強いじゃないかとか、そういう意見が出てくるのも本当ではございます。
 ですが、確かにそうかもしれないんですが、大体においてそういう方々はですね、絶対病院もそうですし市役所も今もうCIOですか、チーフインフォメーションオフィサーといったものを置くことも必須になってきていると伺いますが、場合によっては置いていない、置いていなかったり、もう丸投げをして自ら学ばないという人材がいないという言い訳を作って学ばない人が多いというのをちょいちょい聞いております。
 人材が沸いてくるものではないし、外から来るものではないというところを、ただ、なかなか内部で育てるということがどれだけ大事であるかが、ただそれにはどれだけの苦労が伴うかというのがまだいろいろあるんだろうなとは思います。
 ただ私たちも、事業者として今いろいろ、私はそのクラウド化というものが必要だと思いますし、やっぱり事業者に任せること、専門業者に任せることも重要なんですが、専門業者の手綱を取るということが行政に求められることなので、そこを教育してくれる事業者を選ぶことが必要なんだろうなというふうに思っているので、私たちも今、初めは自分たちでやりながらもできるだけやりやすいシステムを提供すること、そして自らやりたくなるように、うまく誘導していってあげられるような事業者でありたいと思いますし、それを動かす体制でありたいと思いますし、それを増やす事業者を選んで欲しいと思います、行政には。

小野部長
 はい、ありがとうございます。デジタルの流れを適切に流れるようにする、繋げられるようにするための事業者、そのための行政の役割といったことでお話をいただきました。
 それでは、髙橋さん、最後になりますけれどもいかがでしょうか。

髙橋 惣兵衛
 もう燃え尽きました。(一同笑い)
 ありがとうございました。

小野部長
 ありがとうございました。髙橋さんにはブロックチェーンの話ですね、直接取引といった話、さらには、宇宙まで飛んでいただきまして本当にありがとうございました。
 まだまだこのままですね、話が続いていくとさらに深まっていくように思いますけれども、そろそろ時間が近づいてまいりました、申し訳ありません。

知事所感

小野部長
 
それでは、知事の方から、最後に全体を踏まえて所感等ございましたらお願いいたします。

達増知事
 
はい。今日は大変素晴らしいやりとりをすることができたと思います。お正月の夜にNHKがやってるような番組みたいなことが今、こう、できたと思ってまして、今の内容を大勢の人たちに伝えたいなと思っています。そして、県としても改めて、このデジタル化、DXということをやはり本気で取り組んで、それぞれの地域やそれぞれの分野、そして、この「人」ですよね、生活したり仕事したりしている一人一人のこの「人」が、より良い、より幸福度か高い、そういうふうになっていくようにしていかなきゃと、改めて思っております。誓いを新たにする、今日の県政懇談会、作戦会議でありました。
 皆様とは、同じメンバーでまた集まるかということについては全く白紙、今、何もないんですけれども、それぞれの皆さんと、また一緒に仕事をしたりとかあり得るんじゃないかと思いますし、これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

小野部長
 ありがとうございました。

閉会

小野部長
 
皆様、本日は貴重なお時間をいただきましてお話をいただきまして本当にありがとうございました。本日は、「デジタルで"創り、繋げる"未来のいわて」と題しまして、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議オンライン」を行いました。
 以上をもちまして、県政懇談会を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。

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