牛伝染性リンパ腫

ページ番号1038207  更新日 令和5年5月12日

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牛伝染性リンパ腫とは

牛伝染性リンパ腫(BL:旧名称「牛白血病」)はBLウイルスの感染によって起こる牛の伝染病です。全国的に発生頭数が増加しており、家畜伝染病予防法に規定する牛の監視伝染病の中では最も多くなっています(R4年次、全国4,334頭、岩手県183頭)。ウイルスに感染しても多くの牛は長期間臨床症状を出しませんが(発症する牛は感染した牛のうちの5%未満)、感染した牛の体内からウイルスが排除されることはなく、生涯他の牛への感染源となります。ウイルスは血液や乳汁中に含まれており様々な原因により他の牛に感染を広げていきます。発症した牛は体の様々な部位に腫瘍を形成し、食欲不振、削痩等により死亡してしまいます。治療法やワクチンは現在開発されていないので、原因となるウイルスを農場内に持ち込まないこと、感染を広げないことが大切です。

感染を広げる要因と対策について

人為的な行為による感染

  • 血液等が触れる資器材(注射器や直腸検査手袋、除角器、鼻環装着器等)の使い回しにより感染が広がります。これらの資器材は1頭ごとに交換、または洗浄・消毒を実施しましょう。

吸血昆虫による感染

  • アブ等の吸血昆虫による血液の伝播は夏場の感染拡大の大きな要因であり、最も対策が必要なポイントです。陽性牛群と陰性牛群を分けて飼う分離飼養やアブが牛舎内に進入しないよう牛舎開口部への防虫ネットの設置が有効です。また、アブの数を減らすため薬剤での駆除やアブを捕獲するアブキャップという器具を設置する方法もあります。
  • 当所では、これまでの吸血昆虫対策に替わる新たな対策(「アブ防除ジャケット」、詳細は下記)の普及を行っています。

感染した母牛からの感染

  • 感染した母牛からはアブ等の感染に加え、哺乳による感染も起こります。初乳製剤の利用や早期の離乳により感染する可能性を下げましょう。

その他

  • 外部から牛を導入するときは感染の有無を検査しましょう。

アブ防除ジャケットについて

夏場のアブ対策には分離飼養や防虫ネットの利用が有効ですが、これらの対策に取組むことが難しい場合にはアブ防除ジャケットの利用をお勧めしています。アブ防除ジャケットは牛に着用させることで作業性を損なうことなく、アブの吸血回数を減らし感染防止効果を得ることができます。アブ防除ジャケットの入手方法は購入または自作になります。購入の場合、価格は1着2,500~4,300円です。安価に入手したい方は自作をお勧めします。自作方法をまとめた動画を作成しましたので、以下のリンクよりご視聴ください。

アブ防除ジャケット購入に係るお問い合わせ先;県南家畜衛生推進協議会(電話:0197-24-5532)

 

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このページに関するお問い合わせ

岩手県県南家畜保健衛生所 大家畜課
〒023-0003 岩手県奥州市水沢佐倉河字東舘41-1
電話番号:0197-23-3531 ファクス番号:0197-23-3593
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