令和7年5月30日知事会見記録
開催日時
令和7年5月30日10時00分から10時50分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから、記者会見を行います。最初に、知事から発表が4件あります。それでは知事お願いします。
知事
まず、グリーン/ブルーボンドの発行についてです。本県3回目となるグリーン/ブルーボンドを令和7年7月に発行します。発行額は50億円、年限は5年間、満期一括償還を予定しています。これまでに発行したグリーン/ブルーボンドは、県内外の投資家から多くの需要を集め、第5回ESGファイナンス・アワード・ジャパンの環境大臣賞、銀賞を受賞するなど、高い評価をいただいています。グリーン/ブルーボンドは、県民や事業者、市町村を始めとする県内外の様々な主体と協働し、本県におけるGX、グリーントランスフォーメーションを推進するための大きな原動力であり、世界に誇れる豊富な水資源を有する本県が、これを将来世代に引き継ぐ取組を進めていくための重要な財源確保策の一つです。これまで投資いただいた資金については、水産高校の実習船の整備や2,000灯を超える信号機のLED化など多くの事業に活用してきました。今回の発行による調達資金については、大船渡市の林野火災関連事業の一部への活用も見込んでいます。県内外の多くの投資家の皆様にこうした本県の政策理念や取組に共感いただき、グリーン/ブルーボンドの購入を通じて支援いただきたいと考えております。
次に、いわて介護現場サポートセンターの開所について。本県の介護現場が抱える人材の確保を始めとする多様な課題に対応し、介護事務所を支援するため、いわて介護現場サポートセンターを本日開所します。本県の介護職員数は、これまで高齢化の進展に伴う介護サービス需要の高まりを背景に増加してきましたが、近年の全国的な労働者不足等により、令和5年に初めて減少に転じています。また、令和22年には約6,000人の介護職員の不足が見込まれるなど、介護人材の確保は喫緊の課題であります。今回設置するセンターは、介護現場が抱える多様な課題に関する相談へのワンストップでの対応、介護ロボットやICTなどの介護テクノロジーの体験展示会や試用貸出、職場環境づくりに関する研修会や伴走型の個別支援など、介護事業所における業務改善・効率化や、働きやすい職場環境づくりを支援することで介護人材の確保につなげ、質の高い安定的な介護サービスの提供を図るものです。このセンターが多くの介護事業所に活用されて、本県における介護人材確保策の中核を担うことにより、介護が必要となっても住み慣れた地域で安心して幸福に生活し続けることができる地域共生社会の実現につなげていきたいと思います。センターの詳細は配付資料のとおりで、本日14時から岩手県福祉総合相談センター3階研修室で開所式を行います。
次に、知事の中国出張についてということで、6月10日から14日まで中国遼寧省を訪問します。遼寧国際友好都市大会に招待を受けたことから、遼寧省と友好関係にある自治体の長として出席します。また、遼寧省人民政府の幹部と会見し、昨年5月に本県が遼寧省と締結した友好交流と協力の強化に関する覚書に基づく、友好交流の取組について、意見交換を行います。さらに、遼寧省は大規模なスキー場が数多くあり、中国の冬の国体である第15回全国冬季スポーツ大会が2028年に開催される予定です。中国における冬季観光の先端的地域である遼寧省、そして、大連市の団体と、本県のいわてウインターリゾート協議会が、冬季観光を通じた交流人口の拡大を図る覚書を締結しますので、そこに立ち会うという予定です。今回の訪問により、遼寧省との友好協力関係を強化し、本県へのインバウンド需要の拡大や県産品の輸出拡大につなげたいと思います。
そして4つ目、自転車を活用した観光振興等を促進するため、令和6年3月に設定した岩手県広域サイクリングルートについて、4つのルートごとにサイクリングマップを作成しました。マップの実物をせっかくだから皆さんに見せましょう。こういうコンパクトな仕様になっておりまして、ぱっとこう広げやすいようになっています。畳みやすいようにもなっています。サイクリストや関係団体、観光会社等からの意見を踏まえて作成をしました。食べ物ガイドが充実していることや、正確で分かりやすいマップはもちろんなのですけれども、標高について詳しく書いてあって、標高差でポイントを獲得するというのを自転車愛好家の皆さんはされる方々がいらっしゃるのですが、それに便利な標高図もしっかり記載されております。このサイクリングマップを活用して、岩手の様々な魅力を全国、そして、海外に発信していきたいと思います。県内の道の駅やいわてサイクルステーションで配布されます。
以上です。
広聴広報課
以上で、知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項4件について、各社から質問があればよろしくお願いします。
記者
私からグリーン/ブルーボンドの発行と中国出張について伺います。まず、グリーン/ブルーボンドについてですが、本年度は3年連続の発行ということで、先ほどの御説明ですと、大船渡市の林野火災への活用もこれまでとは違う加わる部分かなとは思いますけれども、本年度ならではのポイントについて、まずは知事の御所感をお聞かせください。
知事
まず、昨年度までこの取組が評価されている海洋、海岸の保全強化、県有施設の脱炭素化、それらに加え、新たに大船渡市の林野火災に係る治山事業、砂防事業を充当事業として予定しています。
記者
ありがとうございます。先ほど御評価が高いということで、過去2年を振り返っての効果や、あと反響の大きさについてどうお感じになっているのかというのと、県として環境意識の向上に向けてグリーン/ブルーボンドの活動を通して、今後どう寄与していきたいのかについてもお伺いできればと思います。
知事
通常の債券より低い利率で条件決定をしていただいているということで、その分使い道の部分の評価で発行する側からすれば割安な資金調達ができているという形で評価をいただいております。
もう一つの質問は何でしたっけ。
記者
環境意識の向上に向けてどのように寄与していきたいのかということを伺えればと思います。
知事
まず、このボンドで調達した資金を使って環境意識向上につながるような事業がどんどん行われますし、また、その財源としてこういうグリーン/ブルーボンドというものがあるのだということは近年の新しい動きですので、そういう新しさに注目してもらいながら、やはり環境は大事だなという意識を高めてもらえればと思います。
記者
ありがとうございます。話題替わりまして、中国出張について伺います。今月中旬に続く訪中になりますけれども、今回の用務のほうでは、先ほど御説明があったとおりいわてウインタースポーツ協議会と現地のスキー協会であったり、あと温泉観光協会との覚書の締結等への立会いも予定されております。具体的な連携内容について、知事が把握されているものがございましたら伺えればと思います。
知事
覚書の内容としては、相互のPRや送客に向けた協議を行うこと、強化練習の受入れなど両地域間の人的交流の拡大について協議を行うこと、両地域の国際交流部門を通じて交流活動を進めていくことということが具体的な取組として挙げられております。
今までの公務員の人事交流でありますとか、また観光や物産等の協力など、そうしたことを踏まえて、今回また新しいページを開くことができてよかったなと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、遼寧省人民政府幹部との会見というのも予定されておりますけれども、具体的にはどのようなことを意見交換や要請される予定でしょうか。
知事
ちょっと今正確を期そうと思って、原文に近い表現を今探しているのですけれども、これは大連市との話ですよね、これは市町村間の問題で、県と遼寧省の間のものについて。今ちょっと手元にないのですけれども、まずウインタースポーツに関する民間同士の連携を自治体としても支援するという内容が去年の協定文書の改定版(覚書)に含まれていますので、今回はそれがまず大きいテーマだと思います。
あとは、人事交流をやろうということで、今年に入って遼寧省の公務員さんが岩手に来て1か月くらい働いて帰るということをやっていますので、その実績、そして、今後更に継続していこうというようなあたりがメインになると思います。
記者
私からは、いわて介護現場サポートセンターの開所に関することです。本日開所ということで、介護職員の負担軽減などにつながる拠点になると思いますが、知事として県内の介護現場の課題についてどう認識されているかお聞かせください。
知事
人手不足ということが大きい課題になっています。規模の大きな介護事業所、あるいは大きいグループで何か所も介護事業所をやっているようなところは既にいろいろな、センサーで利用者の方々の状況をモニターするとか、いろいろな先端技術を活用した省力化をどんどん取り入れているところなのですけれども、中小規模のところにもそういうのを取り入れてほしいというところでこのセンターが活躍できると思います。また、相談へのワンストップ対応をするということで、これもやはり中小規模の介護事業者は人手不足に加えて物価高騰問題が経営を直撃しているところがありますので、そういったお金とか、経営とか、そういう複雑な問題にもまずワンストップですぐ相談に入れるようにするというところが意義あるというふうに考えています。
記者
ありがとうございます。すみません、さらに追加で、事業内容では最新技術の展示なども予定されておりますが、今のところに関連する部分だとは思いますが、サポートセンターの開所によって業務の改善や効率化の面でどのような効果を期待されるか御所感をお願いします。
知事
既に(介護ロボットなどを)使っているところは、やはり利用者の方々の状況を把握する人数を少数でもやれるようになるとか、効果が出ているところがありますので、そういったところの実例をアピールしながら、試して使ってみるということをやってもらえればなというふうに思います。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。
記者
私からは2点お伺いいたします。まずは、高騰が続く米の価格の値下げについて伺います。政府のほうでは、随意契約で放出する備蓄米の流通が本格化しております。今後は、中小のスーパーであったり、地域の米穀店とか、そういったところでも売渡先に加わるということで、農水大臣が交代後の動きが活発化しておりますけれども、こうした政府の米価政策を巡る動きだったり課題について、知事はどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。
知事
原敬内閣のときの米騒動に対する対応を振り返りますと、量を確保して足りなくないのだということで消費者の不安感を解消して、それで価格を下げていくということが基本だったのです。これは、今求められていることもそういうことなのだと思います。去年の夏秋であればお店にお米がないということが実際に起きて、そうなってきますと、あるなら高くても買うということでどんどん値上げするということは理解できるのですが、今は店にないということは起きていないのです、基本的に。店には置いてある状態で、それは実態として過去の備蓄米の市場投入によって、量的にはもう不足がない状態になっていて、かつ今回の30万トンでかなり足りなくないということが実現します。ですから、去年の春夏、去年の夏秋以上の値段になっているというのは、不安感から異常な高値になっているということですので、もう足りなくないのだから、安くなるまで待っていてもいいのだと、石破首相が言っていたように5キロ3,000円台ということですね。5キロ3,000円台になれば買うのだぐらいの、そういう余裕を消費者側が持てば今の4,000円以上、都会では5,000円以上とかという価格は下がるのだと思います。そのための今回の備蓄米投入でありますので、今それが幾らで売られるかとか、誰がどこで売るかということに注目が集まっているのですが、政府はもっと米価格高騰問題の本質は量の問題なので、もう量的には足りなくないということをどんどん発信し、総理が言っていたように全国の皆さん3,000円台で買いましょうと、それ以上高いのであれば安くなるまで待ちましょうということを政府が呼びかければいいのだと思いますが、今ちょっと5キロ2,000円の備蓄米がどう売られるかということに何か関心が集中し過ぎていて、今高くなっているお米の価格を下げるというその本質から政府も、そして、世論も関心がちょっとそれている感じがしますので、改めて本質的なところをきちっとやって、より求めやすい価格で消費者が買えるようにしてほしいと思っております。
ただ、付言しますと、一度値段が下がり始めますと、理屈からいえばまた5キロ2,000円とかいうような価格まで下がってもおかしくないのですよね、足りなくないわけですから。ただ、5キロ2,000円ぐらいという価格は、農家のコストを補えない微々たる収入しか農家が得られないような価格でありましたので、やっぱり安過ぎるのはよくないというところがあります。そこを十分気をつけて、農家の収入が確保できるような価格で落ち着かせるというところを政府には気をつけてもらい、どうしても農家の収入が確保できるような価格形成ができないのであれば、やはり所得補償というのをやったほうが農家も安心して生産ができ、農家が安心して生産できれば米の不足感というのも解消されて、消費者も安心してお求めやすい価格で買うことができるので、この所得補償制度の導入ということを真剣に検討してほしいと思います。
記者
ありがとうございます。米でいきますと、本県では県北地域向けの白銀のひかりが作付が今月始まったということですけれども、他のブランド米も含めて県産米の流通、発信に向けて県としてどのように取り組んでいきたいか伺えればと思います。
知事
日本全体の不足感には、おととしの猛暑で実際何十万トンか足りなくなったという、そういうことと、あとは実は米農家というのは高齢化が進んでいて、お米の生産というのは将来どんどん減っていくという、そういう中期的な不安もあると思うのです。岩手県としては、将来にわたっても安定してお米をしっかり生産し、日本国内でお米が足りなくならないように岩手としてしっかり貢献するという、そういう基本的なビジョンの中で、量のみならず質的にも高い金色の風、銀河のしずく、白銀のひかりと、プラスひとめぼれというようなものを生産していくというふうにしていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。話題替わりまして、トヨタ自動車が金ケ崎町の岩手工場のほうでカローラクロスの生産を始めました。岩手工場はヤリスであったり、LBXだったり、人気が高い車種を生産しておりますけれども、本県を含む東北での生産拡大への期待感というのはどのようにお持ちか伺えればと思います。
知事
人気車種の生産がさらに加わるということで、全体としての生産量の増大、そして、雇用の増大ということを期待したいと思います。そして、生産量が増えますと関連する企業も増え、そして、開発とか、また、車に関わる様々な、例えばそうした岩手における生産の拡大を背景にGR、レースグッズの販売店がオープンしたりとか、そして、また岩手県内でもレースを開こうという、そういう動きが出てきたりとかというところもありますので、広く自動車生産地としての岩手が発展していくことを期待します。
記者
ありがとうございます。最後に、生産拡大には先ほどの御発言にもあったとおり、県内のサプライヤーというのも非常に大きな役割を果たすかなと思います。技術面であったり、あと新規参入であったり、いろんな側面での支援が見込まれますけれども、県としてはどのように後押ししていきたいか伺えればと思います。
知事
毎年行っている、愛知県のほうで毎年行う北海道、東北の(事業者が出店する)技術展示商談会というのを、それを毎年のサイクルを回す基準点としながら、かなり技術水準は上がってきて、岩手県内のサプライヤーの技術水準は上がってきていると思います。
一方、車の電気化の発展でありますとか、更に環境にいい車をというような方向性でありますとか、より高い技術水準が求められているというところもありますので、今までの実績を踏まえながら、更に技術を高めていくよう進めていきたいと思います。
記者
私からは、東京電力福島第一原発の処理水の放出に係る中国の輸入停止措置についてお伺いします。今日、日本側における放射性物質の検査証明書の提出などを条件に日中両政府が輸入再開に合意したということで、林官房長官から話がありました。岩手県も少なからぬ影響を受けておったと思いますので、この点についての知事の受け止めをお願いいたします。
知事
いよいよ待ちに待った輸入制限解除が行われるということで、よかったと思っております。今まで繰り返し県としても国への要望を行って、生産者の皆さんや加工業者の皆さんや関連する市町村と一緒に国に求めてきていたわけですけれども、今回制限解除という運びとなって大変よかったと思います。
記者
中国出張ももちろんありますけれども、そういったところ、今後も中国との関係性というところにおいて、解除措置というところが岩手県にとって生じてくる影響というか、好影響というところ、どういうところを期待されるか改めてお願いいたします。
知事
中国では、「美」という漢字に「好」という漢字で「メイハオ」と読むのですけれども、日本語で音読みすると「ビコウ」、中国語で「メイハオ」なのですが、これがスローガンとしていろんなところで発信、スローガンとなっています。もともと2010年上海万博のスローガンでもあったのですけれども、生活をそのようにメイハオにしていくということで、その中で食べ物についても安全で栄養があって、そして、おいしいものをという、そういう志向が高まっています。岩手の海の幸、そして、その加工品というのは、中国の人たちが求めているメイハオな生活を発展させるために貢献できるものですので、どんどん利用してもらえればなと思います。
記者
今月26日で大船渡市での大規模林野火災から3か月が経(た)ちました。直近では、定置網漁業の再開の動きであるとか、建物の公費解体なども様々な動きがあります。まず、現状の復旧についての進捗について所感をお聞かせください。
知事
かつてないような焼失面積で、そして、東日本大震災津波との二重被災も生じているという災害なわけでありまして、暮らしの再建、なりわいの再生、そして、インフラの整備ということについて、それぞれまず急いでやるということ、そして、被災された皆さん、そして、復旧から復興を遂げようとする皆さんの、直面する課題にきちんと寄り添ってやっていくと。過去と全く同じとか、前例をそのままやればいいというものではなくて、今回の特別で大規模な被災にきちんと合うようなやり方でやっていかなければということでやってきているわけですけれども、まずは暮らしの再建については応急仮設住宅が用意されたり造られたりし、そこへの入居が進むということがまずできていると思います。そして、持家再建についても住宅再建支援制度の活用に加えて義援金でありますとか、様々な支援が見えてきているところですので、しっかり暮らしの再建が進むよう相談支援も充実させていきたいと思います。
なりわいの再生については、農業、林業、水産業、プラス商工、観光、まず復旧から復興へというスタートはそれぞれ切ることができていると思います。国のほうで過去例がないような高い割合の補助でありますとか100%の……100%ではないな。4分の3とか、かつてないような割合のそういう補助事業など、国にも思い切ってやってもらっておりますので、なりわいの再生もこのスタートダッシュからそのままの勢いで先に進めていきたいと思います。
観光につきましても、JR東日本さんが次々に盛岡で、また、東京で大船渡を応援しようというキャンペーンをやってくれるなど、いろんな広がりがあって非常にいいなと思っていまして、県もそういう皆さんと連携しながら、観光の需要喚起に取り組みたいと思います。
インフラの整備は、治山ダムや砂防堰(えん)堤の整備、大型土のうの設置ということが始まっておりまして、まず緊急の安全の確保が行われていると言っていいと思います。森林の早期復旧に向けては、まずは関係団体で組織する協議会で検討が始まっておりまして、民間、私有林が多いわけでありますけれども、それぞれの希望と見通しをうまくすり合わせながら進めていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。そんな中、来月、6月にはまた県議会もあり、そこで恐らく補正予算も提案されると思います。今後大船渡の復旧に向けてどんな事業を展開していきたい、またはこんなところに課題があるので、これに対応したいというような展望があればお聞かせください。
知事
まずは、4月28日の臨時会での1号補正の予算での対策支援を執行していくことが大事でありますけれども、被害状況を把握しながら、復旧・復興推進本部での議論も進め、被災森林の早期復旧の対策など、必要な支援について国や大船渡市と連携しながら検討していきます。
記者
すみません、ちょっとお米の話題に戻るのですけれども、先日農水省が農家の2025年産の米の作付意向というものを公表されて、それによると主食米の生産というのは大幅に増える一方、酒米が減少するのではないかという懸念の声が出ていて、安定供給への不安というのが酒蔵の関係者などから出ているということなのですけれども、おいしい日本酒を造る酒蔵を多く抱える県としてのその点についての受け止めや、もし今後ちょっと支援とかなどを検討しているのであれば、お考えをお聞かせください。
知事
まず、今質問にあったようなデータが情報として出てきて、それが共有されることが大事だと思います。酒米の生産が少なくなるのだなというのを見て、ではやっぱり酒米をつくろうという人が出てきたりすれば、酒米の生産量が増えるでありましょうし、一方、酒米ではないお米を使ったお酒というのもありますし、その辺はお酒生産事業者のほうでも様々工夫はするのだと思いますけれども、いろんな議論を、データを基にしながら、お酒の生産事業者の皆さんも海外展開などもあって、いろいろ積極的に進めているところですし、近年も新しくておいしいお酒がどんどん開発されているところでもありますので、岩手の酒造り事業者が困らないように、県としてもしっかり見ていきたいと思います。
記者
私からは、県競馬組合のことに関してです。県競馬組合が融資を受けた構成団体に対して、2024年度分として過去最多の2億500万円を返済する見通しとなりました。財政調整基金が10億円を超えたため、初めて黒字額の半分を返済に充てるルールが適用される予定ですけれども、管理者としてこうした実績への御所感と、2025年度の利益確保に向けた方策や決意について伺えればと思います。
知事
一時は、もうやめるしかないのではないかと言われていたところから、大きな借金をしたわけでありますけれども、それを安定的に返済できるようになったということは非常によかったと思っています。途中(過去)、年度の最中にも予算を見直して、赤字になりそうなときには様々な契約、請負してもらっているところのこの金額を減らすとか、そういったことも関係者に納得してもらいながら進めてきて、今は年度の途中にそういうことをする必要もなく返済ができるようになったということは大変よかったなと思っています。
記者
ありがとうございます、すみません。25年度の利益確保に向けた方策や決意など伺えればと思います。
知事
インターネット発売が発売のほとんどを占めるようになっていますので、インターネットで勝馬投票券を購入する皆さんに、より情報が的確に伝わっていくような仕方を工夫するとか、一時は馬(の頭)数が減ってレースの編成が困難になるとかいう時期もあったのですが、賞金を増やすなどして馬(の頭)数を結構確保できてきていますので、見応えがあり、また勝馬投票券を買うのに面白い、そういうレースを一つ一つ丁寧につくっていくということが基本かなというふうに思っております。
一方、競馬場での様々なイベントでありますとか、サービスの向上というのがやはり大事だと思っていまして、家族連れで来て楽しむお客さんも結構います。そういう人たちがより楽しめるような工夫をしていくということです。競馬場に来て、競馬場でスマホで勝馬投票券を買う人というのが結構いますので、売上以上の入場があるという実態がありますので、やはりインターネット発売がもうほとんどになっているとはいえ、競馬場でのサービスの提供やイベントというのはやはり丁寧に充実させていきたいと思います。
記者
私もすみません、米の関係に戻って質問させてください。先ほどのやり取りを聞いておりまして、知事としては実感として今県内には米が、今までの米騒動が起きる前のような状態まで流通しているというふうに把握していらっしゃるかとか、そこをまずお聞きします。
知事
去年の夏秋は、私も妻から某スーパーにお米が入ったようだから買ってきてと言われて買いに行ったりしましたからね。茨城のと岩手のが若干入っていて、岩手のを買いましたが、そのときに比べると今は全然そういう心配はないなと思います。
記者
あとは、先ほどもあったように価格も安定して5キロ3,000円台でという趣旨でいいのでしょうか、まだ価格はそこまでは、今5キロ3,000台になっていないところもあるという認識ではありますか。
知事
岩手だけ安くなっても、そうすると去年の夏秋にも見られたことですが、県外から岩手に来て米を買う人が出てくるとか、県外の人に頼まれて岩手の人が米を買って県外に送るとか、やはり日本全体として価格は下がっていかないと意味がないので、日本全体として3,000円台になっていくということを期待したいと思います。
記者
それで、なくはないのですけれども、やっぱり価格が安定しなかったり高かったりということと、あとは米だけでなく食品関係の値上がりというのもまだ続いている中で、子ども食堂とか、あと学校給食とか、いろんな影響も出ているのではないかと思うのですが、県内の状況について知事は把握されているかどうか、お聞かせください。
知事
これは、直接見に行ったりしているわけではないのですけれども、これだけ米価格が上がれば去年の春に比べて倍の値段というのは、これは大変だと思います。大正時代の米騒動も倍から3倍に上がって、もう大騒動になっていますからね。やっぱり米価格が倍に上がるというのは、その国や社会にとって緊急事態と言っていいと思います。だから、早くそれを下げるようにということが政府に求められるし、そのためには岩手県としても全面的に協力するのですけれども、それでもここ1年近く高いお米で苦しんできた人たちがいて、そして、今高い米価では買えないとか、あるいはそれを買うともう本当に全体としてほかのものが買えなくなるとか、米を利用できなくなるとか、困っているところはたくさんありますので、そういうところへの手当てというのも国として米価が倍に上がるという非常事態への対処としては、質問で指摘されたような、そう簡単にお金を出せないところへの支援というのを国としてやらなければならない事態だと思います。
記者
その中で今、先ほど知事がおっしゃった県としても協力というのは、その呼びかけみたいな広報、啓発の部分なのか、あるいはやはり国の補助だったり財政的な支援に関して連動してのお金の支出を伴う支援なのかというところはいかがですか。
知事
本質的には量の問題なので、足りなくないという安心感を国民に持ってもらうために、岩手では今年度も立派に田植えしてしっかり生産していきますと、そして、ちょうどいわて農業生産強化ビジョンを策定中なわけでありまして、その中で生産体制の強化ということがうたわれております。お米の生産についても強化していくので、日本全体として足りなくならないように岩手もしっかりやっていきますということを広めていきたいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は6月10日(火曜日)の予定です。
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