令和7年9月16日知事会見記録
開催日時
令和7年9月16日15時30分から15時56分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表が1件あります。それでは、知事お願いします。
知事
県議会9月定例会に提案する令和7年度一般会計第3号補正予算案について発表します。ツキノワグマによる人身被害防止のために緊急銃猟を実施する市町村への支援や渇水・高温対策を講じた土地改良区等への支援、中山の園の整備に向けた調査などに必要な経費を計上しています。補正予算額は、これら早急に対応が必要となる経費が増となる一方で、国庫内示を踏まえた公共事業の整理などにより14億円の減額となります。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に、記者クラブへの転入者を紹介します。転入した記者から一言挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
それでは、ただいまの発表になった補正予算案1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
私から2点伺います。まずは、クマの緊急銃猟への対応費について伺います。実際に判断する県内市町村に活用していただくという形になると思いますけれども、今回の予算も含めまして、県としてどのように市町村の緊急銃猟への対応をサポートしていきたいとお考えかお伺いいたします。
知事
まず、やろうと思えばもうやれるようになっていますので、そういうときにお金がないということにならないように、まずは予算の確保ということでの補正予算であります。
そして、今回の緊急銃猟、まずはマニュアルの改正、そして、今回の補正による市町村への補助などをやっていきますし、あとは指定管理鳥獣になっていますので、今年度(令和7年度)当初予算で200頭分の指定管理捕獲予算を確保しておりますので、やはり数を減らすということが必要な局面であります。また、人間が遭遇しないということが大事ですので、防止策として、県民向けに注意喚起するコマーシャルの放映なども春頃にやったりしております。
記者
ありがとうございます。次に、インド大使館での共催イベント開催費について伺います。今回の取組はインバウンドの誘致等、そういった効果も期待されると思いますけれども、今後については双方の国で盛んな半導体産業を通じた人材交流というのも期待できるかなと思います。県としてインドとの交流の今後のビジョンでありましたり、あと取り組んでいきたいことについて知事のお考えを伺います。
知事
きっかけは、今のシビ・ジョージ大使が熱心で、岩手県にもやってきて、そして、いろいろやりましょうということで大使館との対話が始まりまして、それで岩手デイですか、大使館でやって、岩手のPRということをまず今回の予算でやれるようにしているところです。
中国、インド、それぞれ人口も多く経済も成長していて、岩手にとって様々なビジネスチャンスがあります。また、インドはちょっと前にはモディ首相が来日し、都道府県知事たちとも面会したいということで、そこには岩手も参加したのですけれども、半導体で日・インド協力しようということが政府間で合意され、その中で岩手県は日本の中の半導体産業先進県でありますので、人材育成施設のI-SPARK(アイスパーク:いわて半導体関連人材育成施設)に、既にインド政府プラスグジャラート州政府及び関係者に視察に来てもらったりもしていて、副知事が半導体関係の協議(視察)をすべくインドに行きましたし、そういった産業面での連携も今後進んでいく見込みのインドであります。
記者
今回の補正予算の主なメニューの中に最低賃金の引上げに伴う支援だったりですとか、あとこれまで恐らく物価高騰だったりですとか、お米の高騰だったりに関する要望もあったと思うのですけれども、それがないなというふうに感じておりまして、その点について御見解をお願いできますでしょうか。
知事
そういう経済対策が求められている状況だと思います。一方、賃上げですとか、物価高騰対策ですとか、更には米国の関税政策にまつわる国内経済対策というのも考えていかなければならないと思うのですが、そういった国内経済対策に関しては、まとまった予算が必要とされる局面と考えておりまして、やはり一日も早い国の経済対策の実施というのを求めたいと思います。それを活用して、賃上げ支援とか物価高騰対策とかを早くやっていきたいなというところです。
記者
独自に予算を組むお考えとかはありますか。
知事
独自だと本当に小さいこと、細かいことしかできないなというところではあるのですけれども、一方個別企業の個別具体的な困り事に関しては、まずは既存の金融ですね、政策金融を利用して資金繰りをクリアしてもらうというところかなというふうには考えています。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
石破首相が7日に退陣を表明されました。首相会見では地方創生などの政策課題について、残念ながら道半ばだというような発言もありましたけれども、まず今回の首相の退陣について、知事の御所感をお願いいたします。
知事
思えば去年(令和6年)の解散総選挙、衆(議)院(議員)選(挙)の際に、いわゆる裏金議員に対して党のお金を、選挙資金を融通するとか、あとは今回の参(議)院(議員)選(挙)で、参議院でも過半数を割り込んだわけですけれども、通常国会で政治資金、企業献金について規制するというのを、野党と一緒になれば可決できる状態だったのにそれをしないでしまったとか、あとは与野党が減税か給付かで意見が分かれたというところもあるのですが、実は喫緊の課題で早めにしなければならなかった、正に賃上げ支援にして物価高騰対策というような、そういうやらなければならないことをやらないでしまったということは、衆院選と参院選とそれぞれで自公与党が過半数を割り込むという結果につながってしまっていたと、それで責任を取って辞めるというのは当然の流れなのだと思います。
そうなってきますと、ではどういう内閣が求められているかというと、裏金問題とか、そういうのに縁がない内閣が求められていて、国民生活、国民経済が必要としている大きい経済政策を迅速にできるような内閣が求められていると。それは野党の側が主導してつくってもいいので、野党のほうから総理が出るような形でつくってもいいので、ですから今野党もがんばりどころなのだと思います。
自(由)民(主)党のほうでは総裁選挙という手続が、去年(令和6年)の今頃に続いてまた始まっているのですけれども、毎年同じことを繰り返しながらどんどん議席数を減らしていくようなことが、それで少数与党、少数与党とやられても困るわけでありまして、やはり思い切った新しく強力な内閣をつくるという工夫を今国会議員になっている皆さんにはがんばってやってほしいなと思います。
記者
ありがとうございます。先ほど総裁選(挙)についての言及もありましたけれども、自民党の総裁選については(9月)22日に告示になります。現時点(9月16日)では、出馬表明されていらっしゃる方を含めて5人の名前が挙がっておりますけれども、この総裁選については、知事はどのような方が総裁にふさわしいとお考えでしょうか。
知事
思えば去年(令和6年)の今頃に、総裁には駄目だという結論が出た人ばかりが名のりを上げているので、誰がなっても石破内閣未満のことにしかならないという想定ができてしまうわけです。それもあるので、今は野党もがんばりどころで、自民党の総裁を誰にするということだけが内閣の首班、総理大臣を決め、そして、内閣をつくることではないので、野党の側もがんばって、野党が少数与党になったっていいわけでありますから、過半数を超えないとしても。この1年間というか、衆(議)院についてはこの1年間、自公は少数与党でいろいろやってみたわけですけれども、野党側が新しい少数与党をつくってやってもよく、要は政治的にクリーンで、そして、今国民が求めている政策というのをきちんと出せる内閣であれば、野党主導のものでもいいのですから、それは一日も早く実現してほしいというところです。
記者
ありがとうございます。最後に、先ほどありましたとおり、野党のがんばりどころであるというところで、少数与党の中でも野党でも担えるというお話でしたけれども、次の政権の枠組みについて、野党間連携等、いろんなやり方があると思いますけれども、この枠組みはどうなるのが最も望ましいとお考えか、最後に伺います。
知事
どうも自民党の総裁選を見ていても、野党の協力する、しないの議論を見ていても、人が中心の話になっていて、政策論争にいまいちなっていないなと思うのです。誰が総理になるのかというところで自分が自分がとか、その逆であの人では駄目だみたいな議論で、国民のために何をしなければならないかということを優先させて議論していけば、その中での役割分担として、総理大臣は誰がやり、ほかの大臣は誰がやるみたいな、そういう役割分担が見えてくるのだと思います。
幹事社
ほかいかがでしょうか。よろしいですか。一つお尋ねします。先日一部報道で、8月の大雨の土砂災害警報とか、岩手県内でも雨が続いた8月20日から21日にかけて、盛岡市長が災害対策本部設置後、本部長であるにもかかわらず、市役所に登庁せず、あとは連絡がつかなかったと、それが10時間ほどあったという、そういった報道がありました。トップが不在ということは、例えば先日も知事が海外にトップセールスへ行ったように、不在な場合はあるわけですけれども、災害の場面で行政のトップが登庁せず、しかも連絡がつかなかったという、この状況に関して知事、同じ県のトップとして、盛岡市のこの対応をどのように受け止めていらっしゃるか教えてください。
知事
そうですね、事実関係を詳しく知っているわけではありませんので、具体的なことについてのコメントはちょっと難しいと思います。結果が大事ですので、組織として災害対策本部が対応できていればいいのだとは思いますけれども。県との関係で言えば、県のほうにも、市町村に災害対策本部ができるときは、県の側にも警戒本部とか、それに対応する組織ができますので、そことの間の連絡がちゃんとできるとか、何かあったときにきちっと動けるという体制ができていれば、いいのだと思います。
幹事社
逆に知事がその立場だったとして、連絡が取れないということは、知事としてはあり得るのでしょうか。
知事
はてさて……。過去の事例については、振り返ってみれば私がどういうふうに対応してきたかというのは分かると思います。
幹事社
今言ったように、実際副市長が代理を務めて、特に支障はなく、幸い当時人身事故とか人の被害もなかったのでということですが、10時間ほどそういう危機管理上の中で、市長の所在が分からないということが起きていいのかというところは個人的に疑問に思っておるのですけれども、そこはいかがでしょうか。
知事
盛岡市の中の問題ですね。盛岡市としてそれでいいのかということは、突き詰めればそこは盛岡市の判断だと思います。
幹事社
以上です。ほかいらっしゃいますか。
記者
先ほどのトップセールスについて伺います。北米でのカナダ、アメリカを巡ってのプロモーションだったと思いますけれども、今回のトップセールスを終えての成果と、知事もかねてから掲げていらっしゃる「世界に開かれた地方創生」に向かうに当たって、今後世界に向けて岩手をどう発信していきたいのか、それを最後に伺います。
知事
改めて日本に対する好感度の高さというのを感じましたし、食を中心に日本の生活文化が浸透していて、それに対するニーズがあるなという手応えを感じました。特にロサンゼルスというところは、もともと日系人がいて、リトル・トーキョーというところもありますし、そして、日本人駐在員もたくさんいて、そういう人たちが集まって、集中して住んでいるような地域もありますし、日系のスーパーがあり、日本食レストランも昔からあって、それが今更にレストランが増えたり、スーパーの売上げが増えたりということで、日本からアメリカに、更には海外に出ていくときに、非常に入り口としていい場所だなということを感じました。
特に岩手県にとっては、大谷、菊池、佐々木朗希の3人のメジャーリーガーがいて、岩手との関係というところを強調できる条件があり、特に大谷ブームというか、その大きさというか、強さというか、それは特にドジャー・スタジアムで大谷ファンの人たちがいっぱいいて、おにぎりを配っているときも、「イワテ、イワテ」、「オオタニ、オオタニ」みたいな感じで、多くの人たちが岩手と大谷選手を関連づけておにぎりを受け取ってくれて、これは浸透できるなという手応えを感じました。
あとは、おにぎりブームがアメリカではあって、今までドーナツを食べていたようなシチュエーション、おやつの時間とか、あとアメリカは会議室とか、あるいは学会、シンポジウムのような場所の部屋の中とか、ドーナツとコーヒーが置いてあるというケースが結構多いのですけれども、そこでドーナツを食べる代わりにおにぎりを食べるという、そっちのほうが健康的でいいというふうにどんどんなっているという話を聞きまして、おにぎりを配っていて、すごく飛ぶように持っていってもらったのですけれども、それは一つの例だと思いますが、日本ブームというのがロサンゼルスは非常に強く、そこで岩手というのは大いにアピールすることができるという手応えを感じました。
いろいろレセプションとか、バイヤー、関係者の訪問などを通じまして、更に岩手のものを扱ってもらうよう働きかけ、実際今回のトップセールスの機会に拡充してもらっている部分もあるのですけれども、それを更に増やしていけるなという手応えを感じたところです。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は9月25日(木曜日)の予定です。
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