平成29年地価公示結果の概要
1 岩手県における平成29年地価公示結果の概要
県内の平成28年1月以降の1年間の地価動向について、
- 県全体の平均変動率は、住宅地は16年連続の下落(-0.4%)となり、昨年(-0.4%)と同じ小幅の下落。商業地は24年連続の下落(-1.8%)となり、昨年と同程度の下落(平成28年:-1.7%)
- 市町村毎の住宅地の平均変動率は、都市環境の整備が進む一部の内陸部(盛岡市、紫波町、矢巾町)と被災者の移転需要が継続する一部の沿岸部(釜石市、宮古市)で上昇したものの、少子高齢化や人口減少が進む町村部では土地需要が低迷し地価は横ばい又は下落。
- 商業地は、平均変動率が上昇した地点及び市町村がなくなった。
2 岩手県の地価の動向
(1) 住宅地(128地点)
- a 県全体の平均変動率は、16年連続の下落(-0.4%)となり、昨年(-0.4%)と同じ小幅の下落。
- b 上昇は28地点で昨年比3地点の減。横ばいは39地点で7地点の増。下落は60地点で1地点の減。
※平成28年と平成29年では調査地点数が異なること、新規地点は変動率の算定対象外となることから計は合わない。 - c 調査対象の25市町村のうち、上昇が5市町(盛岡市、宮古市、釜石市、紫波町、矢巾町)、横ばいが3市町(大船渡市、陸前高田市、山田町)、下落が17市町村。
- d 盛岡市の盛岡南新都市地区、矢巾町の矢巾駅前地区等の区画整理事業、岩手医科大学矢巾キャンパス周辺や紫波町のオガールプロジェクト等、大型商業施設の開店や道路の整備等により都市環境の整備が進む地域においては、住宅ローン減税や低金利政策等による住宅需要の下支え等により住宅需要が旺盛で地価は上昇。
- e 沿岸南部では被災者の移転需要はまだあるものの落ち着いており横ばい傾向。
- f 少子高齢化や人口減少が進む町村部(市の旧町村部含む)では土地需要が低迷し地価は横ばい又は下落。
- g 上昇幅の最大地点は盛岡市南仙北1丁目116番4「盛岡-24」で5.8%の上昇。盛岡南新都市地区に隣接し、周辺に大型店舗や文教施設等もあり利便性が高く、住み替えや世帯分離等の需要等に対応した分譲地が高値で取引され地価が上昇。
- h 下落幅の最大地点は2年連続で一関市千厩町千厩字北方82番1「一関-5」、5.4%の下落。人口減少や地域経済の低迷等から地価の下落が継続。
(2) 商業地(53地点)
- a 県全体の平均変動率は、24年連続の下落(-1.8%)となり、昨年と同程度の下落(平成28年:-1.7%)。
- b 県内で変動率が上昇した地点及び平均変動率が上昇した市町村はなくなった。
- c 少子高齢化や人口減少、中心商業地の空洞化等により土地需要が低迷し地価は横ばい又は下落。
- d 復興需要の進捗に伴う復興関連事業者の撤退等の影響により、昨年まで変動率の上昇地点があった大船渡市、釜石市、山田町の平均変動率は横ばい。
- e 下落幅の最大地点は久慈市二十八日町2丁目8番「久慈5-1」で5.8%の下落。
(3) 工業地(4地点)
- a 県全体の平均変動率は19年連続の下落(-1.6%)となったが、4年連続で下落幅は縮小(平成28年:-2.7%)。
- b 県内で変動率が上昇した地点及び平均変動率が上昇した市町村はなかった。
- c 下落幅の最大地点は盛岡市東見前6地割129番2「盛岡9-1」で3.5%の下落。
用途区分 |
住宅地 |
宅地見込地 |
商業地 |
工業地 |
全用途 |
---|---|---|---|---|---|
地点数 |
128 |
1 |
53 |
4 |
186 |
平均価格 |
32,600 |
17,500 |
67,500 |
15,300 |
42,100 |
平均変動率(29年) |
-0.4 |
- |
-1.8 |
-1.6 |
-0.8 |
平均変動率(28年) |
-0.4 |
- |
-1.7 |
-2.7 |
-0.8 |
平均変動率(27年) |
-0.4 |
- |
-2.2 |
-4.2 |
-0.9 |
平均変動率(26年) |
-0.9 |
- |
-3.5 |
-6.6 |
-1.8 |
平均変動率(25年) |
-2.7 |
-5.6 |
-4.8 |
-7.7 |
-3.4 |
平均変動率(24年) |
-4.8 |
-6.8 |
-7.0 |
-7.6 |
-5.6 |
平均変動率(23年) |
-4.9 |
-6.9 |
-7.6 |
-8.9 |
-5.8 |
平均変動率(22年) |
-4.7 |
-6.8 |
-8.2 |
-8.1 |
-5.8 |
(注1)「平均価格」は、全標準地を対象とし、十の位を四捨五入したものであり、1平方メートル当たりの平均価格である。
(注2)「平均変動率」は、継続標準地ごとの価格の対前年度変動率の合計を当該標準地点数で除したものである。
(注3)「全用途」は、平成22年から平成24年は宅地見込地、準工業地及び調整区域内宅地を含み、平成25年及び平成29年は宅地見込地を含む。「宅地見込地」は、平成26年以降廃止されたが、平成29年に新設された。
市町村名 |
陸前高田市 |
大船渡市 |
釜石市 |
大槌町 |
山田町 |
宮古市 |
岩泉町 |
野田村 |
久慈市 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地点数 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
4 |
2 |
2 |
3 |
25 |
29年 |
0.0 |
0.0 |
0.6 |
-0.6 |
0.0 |
0.1 |
-3.3 |
-3.8 |
-1.9 |
-0.8 |
28年 |
3.0 |
2.4 |
2.3 |
-0.4 |
0.0 |
1.2 |
-4.8 |
-2.5 |
-1.2 |
0.3 |
27年 |
6.8 |
4.0 |
6.0 |
0.0 |
0.4 |
4.0 |
-6.1 |
0.0 |
-1.5 |
2.0 |
26年 |
5.8 |
9.0 |
3.2 |
0.0 |
0.4 |
8.8 |
-8.1 |
1.2 |
-2.7 |
2.7 |
25年 |
3.0 |
6.3 |
2.9 |
10.5 |
2.2 |
5.2 |
-8.2 |
1.0 |
-3.8 |
2.7 |
24年 |
-3.0 |
-4.3 |
-0.8 |
- |
-2.8 |
-5.4 |
-7.4 |
-5.1 |
-4.4 |
-4.5 |
23年 |
-5.1 |
-1.7 |
-4.8 |
-3.9 |
-4.0 |
-5.7 |
-6.6 |
-3.4 |
-3.6 |
-4.3 |
市町村名 |
陸前高田市 |
大船渡市 |
釜石市 |
大槌町 |
山田町 |
宮古市 |
岩泉町 |
野田村 |
久慈市 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地点数 |
0 |
2 |
2 |
0 |
1 |
1 |
1 |
0 |
1 |
8 |
29年 |
なし |
0.0 |
0.0 |
なし |
0.0 |
-0.3 |
-4.8 |
なし |
-5.8 |
-1.4 |
28年 |
なし |
1.1 |
0.6 |
なし |
3.5 |
0.0 |
-5.2 |
なし |
-5.5 |
-0.5 |
27年 |
なし |
1.7 |
1.0 |
なし |
3.4 |
0.0 |
-5.9 |
なし |
-5.4 |
-0.3 |
26年 |
なし |
7.4 |
1.3 |
なし |
0.5 |
0.0 |
-6.7 |
なし |
-6.3 |
0.6 |
25年 |
なし |
3.1 |
0.0 |
なし |
6.1 |
0.0 |
-4.9 |
なし |
-7.2 |
0.0 |
24年 |
なし |
- |
-5.2 |
なし |
- |
-9.7 |
-10.9 |
なし |
-8.3 |
-8.5 |
23年 |
-5.7 |
-6.6 |
-9.2 |
-10.5 |
-10.6 |
-9.3 |
-9.8 |
なし |
-6.6 |
-8.2 |
市町村名 |
陸前高田市 |
大船渡市 |
釜石市 |
大槌町 |
山田町 |
宮古市 |
岩泉町 |
野田村 |
久慈市 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地点数 |
3 |
5 |
5 |
3 |
3 |
5 |
3 |
2 |
4 |
33 |
29年 |
0.0 |
0.0 |
0.3 |
-0.6 |
0.0 |
0.0 |
-3.8 |
-3.8 |
-2.9 |
-0.9 |
28年 |
3.0 |
1.9 |
1.6 |
-0.4 |
1.2 |
0.9 |
-4.9 |
-2.5 |
-2.3 |
0.1 |
27年 |
6.8 |
3.1 |
4.0 |
0.0 |
1.4 |
3.2 |
-6.0 |
0.0 |
-2.5 |
1.5 |
26年 |
5.8 |
8.3 |
2.4 |
0.0 |
0.4 |
7.0 |
-7.6 |
1.2 |
-3.6 |
2.2 |
25年 |
3.0 |
5.0 |
1.7 |
10.5 |
3.5 |
4.2 |
-7.1 |
1.0 |
-4.6 |
2.1 |
24年 |
-3.0 |
-4.3 |
-2.2 |
- |
-2.8 |
-6.3 |
-8.6 |
-5.1 |
-5.4 |
-5.2 |
23年 |
-5.4 |
-3.6 |
-6.6 |
-6.1 |
-6.2 |
-6.4 |
-7.6 |
-3.4 |
-4.3 |
-5.5 |
(注1)地価公示法により、沿岸市町村のうち「田野畑村、普代村、洋野町」は調査対象外となっている。
(注2)「-」は、震災の影響で継続調査地点がなく、平均変動率が算出できなかったもの。
(注3)「合計」欄は、沿岸市町村の継続標準地ごとの価格の対前年変動率の合計を当該標準地点数で除したもの。
3 全国の動向
- a 全国の平均変動率では、住宅地は横ばい、工業地は上昇に転じ、商業地と全用途では2年連続の上昇。三大都市圏平均では、住宅地、商業地、工業地、全用途ともに上昇を継続。地方圏平均では、住宅地、商業地、工業地、全用途ともに下落幅は縮小。
- b 上昇地点数の割合は、三大都市圏では、住宅地の5割、商業地の8割の地点が上昇。
一方、地方圏では、札幌市、仙台市、広島市、福岡市等を中心に住宅地、商業地とも上昇地点及び横ばいの地点が増加しているが、依然として6割の地点が下落。
4 東北の動向
- a 宮城県と福島県は、住宅地、商業地、工業地、全用途で上昇を継続。青森県、秋田県、山形県では下落幅が縮小。
- b 宮城県は、住宅地(平成28年:+1.9%→平成29年:+2.4%)、商業地(平成28年:+3.2%→平成29年:+4.7%)、工業地(平成28年:+2.6%→平成29年:+3.7%)と上昇幅拡大。上昇地点は、住宅地の7割、商業地の7割を占める。
福島県は、住宅地(平成28年:+2.9%→平成29年:+2.1%)、商業地(平成28年:+0.9%→平成29年:+0.8%)、工業地(平成28年:+2.0%→平成29年:+1.5%)と上昇が継続。上昇地点は、住宅地の7割、商業地の6割を占める。
5 地価公示制度の概要
- 根拠法令
地価公示法(昭和44年法律第49号)第2条第1項 - 調査目的
都市及びその周辺の地域等において標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地取引価格に対して指標を与え、また、公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与する。 - 実施主体
国土交通省土地鑑定委員会(事務局:国土交通省土地・建設産業局地価調査課) - 調査対象
県内25市町村の標準地186地点(全国:1,376市区町村の26,000地点、休止地点を含む) - 価格時点
平成29年1月1日 - 価格判定
国土交通省土地鑑定委員会が、不動産鑑定士の鑑定評価に基づき、標準地の正常な価格を判定する。
添付ファイル
1 平成29年地価公示結果の概要
2 標準地の公示価格及び変動率
3 用途別平均変動率の推移
4 変動率分布状況
5 価格水準高位地点一覧・変動率上位地点一覧
6 市町村別用途別平均価格及び平均変動率
7 全国及び東北各県の用途別平均変動率の状況
8 沿岸9市町村の用途別平均価格及び平均変動率
9 地価公示の上昇・横ばい・下落構成割合
10 地価公示・地価調査の概要
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このページに関するお問い合わせ
環境生活部 環境保全課 環境影響評価・土地利用担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
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