令和5年5月12日知事会見記録

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開催日時

令和5年5月12日10時00分から10時54分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 今日の発表は、令和5年度の県勢功労者決定についてです。
 県勢の発展に多大の功労があり、その事績が極めて顕著であって、県民の模範となる方々を県勢功労者として顕彰してきております。今回は44回目の顕彰となります。
 県勢功労者顕彰選考委員会にお諮りし、このほど決定をしました。
 本年度の顕彰は、元岩手県公安委員会委員長で公共の安全と秩序の維持に貢献された雫石禮子(しずくいし れいこ)様、元株式会社アイビーシー岩手放送代表取締役社長で放送文化の振興に貢献された阿部正樹(あべ まさき)様、元岩手県医師会会長で保健医療の発展に貢献された小原紀彰(おばら のりあき)様、岩手県立大学名誉教授で高等教育の環境整備に貢献された細江達郎(ほそえ たつろう)様、元岩手県歯科医師会会長で歯科保健医療の発展に貢献された箱崎守男(はこざき もりお)様、元岩手県農業協同組合中央会会長で農業の振興に貢献された田沼征彦(たぬま ゆきひこ)様の6名です。
 表彰式は5月25日です。この日は、岩手県が今の形になって147年目になる日です。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介いたします。転入した記者から一言挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 ただいま発表がありました県勢功労者の方々に対して、ねぎらいの一言といいますか、皆様の功績に対しての一言を頂戴できればと思います。

知事
 公安関係、放送関係、医療、大学教育、そして農業と、それぞれの分野で長年にわたって活躍された方々であります。東日本大震災津波の際に、それぞれ関係する分野で救助から復興へという過程の中で尽力された方々でもありまして、県民皆さんとそういう苦労を共にしながら今日を迎えている、そういう方々でもありますので、県民みんなで顕彰するということで、県民の皆さんにも関心を持っていただきたいと思います。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 私のほうから2点お伺いできればと思っていました。まず1点目なのですが、先日、花巻空港と台湾を結ぶ国際定期便が復活しました。それに対しての知事の所感と、盛岡も最近は外国人客の方々を見ることが大変多くなったなと感じておりますけれども、観光振興に向けての期待感を伺えればと思います。よろしくお願いします。

知事
 岩手県の外国から来られる観光客の中で一番大きな割合を占め、時期によっては6割以上を占めるのが台湾からのお客さんでありますので、直行便が再開したということは、インバウンド観光(の)全体に弾みをつけるものになると思います。そこにニューヨーク・タイムズでの盛岡市の記事の効果もあって、盛岡、岩手に対する関心も、今、普段以上に高まっているでありましょうから、まず台湾からどんどん来ていただきたいと思いますし、そして、台湾以外からも、既にゴールデンウイーク中も、大勢(の方々が)盛岡市を訪れたというように聞いておりますので、この調子で多くの外国人の方々に盛岡、そして岩手を訪問していただきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一つのほうなのですが、知事選挙のほうについてお伺いできればと思っております。統一地方選も、春の統一地方選は一段落したところですけれども、今後の検討としていた選挙体制の部分なのですけれども、現時点での検討の進捗状況というのを教えていただければと思います。

知事
 ゴールデンウイークが終わり、また、様々県内の各方面で新しい年度の巡航モードということで過去の選挙で推薦をいただいている団体に推薦のお願いをするということを始めていきたいと思っております。
 それから、選挙が始まったら選挙事務所にすることを視野に、後援会事務所を盛岡市内に設け、今週、今、荷物を運び入れているところでありますので、そこをひとつ拠点にしながら準備を加速していきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。推薦のお話もありましたけれども、特に今まで推薦をいただいていた政党への推薦要請というのは、今週中、来週中にも推薦のほうは行う予定なのでしょうか。

知事
 政党への推薦依頼は行わずに、労働でありますとか、経済でありますとか、社会関係の団体にまず推薦依頼をしていこうと考えています。

記者
 政党への推薦を行わずにというところなのですけれども、今までは推薦をいただいていたと思うのですが、今回行わないという方向、こちらのほうに至った検討の理由というのを教えていただけますか。

知事
 連休明けの活動としての推薦依頼をスタートさせるところに入っていないということであって、選挙の際に政党推薦というのがあるかないかというのは、最終的には、過去の例を考えると、選挙が始まってからいろいろ政党のいろんな支持のスタイルが決まることもありますので、ですから、政党側のいろんな事情もあり、最終的にそれが確定するのは投票日というのでしょうか、投票日になるまでは政治の世界ですから、いろんなことがあり得ると思いますけれども、最初の質問にあった連休明け、どういう形で準備を進めていくかという今の段階では、各分野の団体に推薦をお願いするということです。
 ちなみに、過去推薦いただいたところに推薦を求めるというようにさっき言いましたけれども、過去推薦をいただかなかった団体に対しても改めて推薦を求めることもあるということで進めていきたいと思います。

記者
 私も2点お願いいたします。花巻空港の国際便の再開についてなのですけれども、県のほうとしてはインバウンドだけでなくて、相互利用ということでアウトバウンドというところも大切にされているというふうに伺っておりましたので、そういった活用について何か考えていらっしゃる、経済面ですとか教育面でお考えがあるかどうかというところをお伺いしたいと思います。教育面に関しては、アウトバウンドももちろんそうですけれども、教育旅行の誘致というところにもつながるのかなというふうに思うので、教育旅行については双方の部分を教えていただければなというふうに思います。

知事
 まず、あらゆる人や分野や旅行のパターンについて、台湾に行きましょうということは促すところでありまして、パスポートの取得について、花巻空港から台湾に往復する旅行をするために、今回、パスポートを取得するというケースに対して5,000円の助成金を出すということをいたしますので、どんどんそれを活用していただきたいと思います。ということで、まずは老若男女、そして観光、ビジネス、知っている人と会うための交流など、あらゆる分野でどんどん台湾のほうにも行っていただきたいというところで、そういう方向で台湾のことを岩手県内で宣伝していきたいと思います。

記者
 ありがとうございました。2点目について、今の質問と重複するのですけれども、まずは各分野の団体に(推薦依頼を)出される、政党に関してはまだ未定ですというところだと思うのですけれども、各政党さんにお話を伺っておりますと、やはり県連レベルでいいますと知事側の要請がなければ、協力してやりたいけれども、動けない状態というところなどのお話を伺いますが、各分野の団体と政党で推薦を要請する時期に差を設けた御理由というところがあれば教えていただいてもよろしいでしょうか。

知事
 政党との関係については、もう既に日常的なお付き合いの中で、それぞれの重要な行事に出席して挨拶を述べる、そして挨拶の中では今の時代状況について語りながら、今後の方向性についても共有するような形で、かなり活動の度合いを去年(令和4年)から今年(令和5年)にかけて高めていると言っていいと思います。政党によっては、定期的な行事への参加だけではなくて、ほかの活動にも参加を求められれば参加するような形でやっていると言っていいと思います。特に、それぞれの政党の関係の議員さんと一緒に草の根の対話を行ったり、一緒に今の社会経済状況、そして岩手の進む方向性について草の根の活動をするということは、既に普段以上にやっているところであり、まずはそれを続けていくことかなというように思っています。
 そして、団体との関係では、選挙への推薦ということを検討するに当たって、6月に団体の総会が集中するシーズンでもありますので、その前にこういう論点があるということで各団体に推薦依頼を出すというタイミングで、今から始めたほうがいいのではないかなと考えているところです。

記者
 伺っております御回答としては、交流頻度とか機会の差かなというふうに受け止めましたが、そういった理解でよろしいでしょうか。

知事
 それぞれに応じた関係を進めていくということでしょうか。

記者
 私からも大きく2点伺いたいのですけれども、1点目は知事選、今のお話の中で、団体に要請を求めるというお話でしたけれども、具体的には例えば連合さんとかあると思うのですが、その推薦を求めようと考えている団体というのはどの辺りなのか教えてもらえますか。

知事
 一つが過去推薦いただいている団体、連合もそこに入りますけれども、そういったところが一つ目安であり、あとは活動量とか参加人数とかの多いところというのが、また次の目安になります。

記者
 団体の数といいますか、規模感だとどのぐらいになりますか。

知事
 そうですね、生身の人間が、私の代わりの人が推薦依頼、その話をしに行くということや、時間がなくなってくれば郵送でお願いするようなことも出てくるかもしれませんが、時間と、それから実際、本人や何人の人たちが動けるかの兼ね合いで決まってくるのですけれども、過去は100とか200とかという規模で推薦のお願いをしているところですから、今回もそのくらいになると思います。

記者
 ありがとうございました。もう一点なのですけれども、ちょっと話題が替わるのですが、知事がツイッターのほうで明石市の元(前)市長と交流していたように見えました。衆議院議員時代から関わりがあるというふうにそのツイッター上でお話しされていたようだったのですけれども、そのときのエピソードとか、あと明石市は泉元(前)市長がいたことで子育ての話題がすごく豊富だったと思うのですが、その政策のあたり、どのように見ていらっしゃったのかというのを教えてください。

知事
 兵庫県(と)岩手県(では)、自然環境とか社会経済状況は違うところも多いのですけれども、そういう意味で岩手のほうの第1次産業を重視しながら製造業も伸ばし、そして福祉を充実させていくというような方向性と、兵庫県のほうでは神戸市という昔からの大都市、経済や文化の中心があって、阪神・淡路大震災があって、そこから復興しながら、やはり福祉の充実ということについては先進的な取組が盛んに行われているというような、そういう情報交換などを衆議院議員時代にはしながら、いろんな党の政策関係の部会で一緒になったり、いろんな行事で一緒に仕事をしたり、選挙応援を一緒にやったりとか、そういうことをしてきた、そういう関係であります。
 今回は、泉元(前)市長さんが東京まで来て、さらに新幹線で盛岡まで行きたいなということをツイートしてくれましたので、どうぞ、どうぞとリツイートしたわけですけれども、そういうように盛岡、岩手が観光の行き先として関心が高まる中で、交流人口とか関係人口、純粋に楽しむための娯楽としての観光で来てもらうのもいいのですけれども、来てもらえばやっぱり子育て支援の話とか、一緒に話をしたりとかできるでしょうし、そういうまちづくりですとか、地域づくりに一緒に取り組むような形で訪問してもらえるような、そういう旅を、今、増やしていきたいと思っているところなので、象徴的なやり取りができたかなと思っております。

記者
 話題が戻って知事選の話で恐縮なのですが、先ほど団体への推薦を求めるということですけれども、これはいわゆる政治団体も含めてという意味合いでよろしいのでしょうか。

知事
 そこは、いろいろやり方はあって、政治団体、基本的にはほとんどの団体は、経済団体とか社会団体とか、団体そのものが政治的には中立でいることを規則の中に入れていて、政治活動をしないということも規則の中に入れているのかな。そういう団体は、関係する政治団体を別につくって、政治活動する場合はそちらの政治団体でやっていますので、形式的にはそこに推薦を求めるということになりますけれども、ただメンバーがほとんど重複しているとかがあり、話の持っていく最初の入り口とか、そこは元となる団体のほうにまず持っていって、そこで、では、政治団体のほうでそれは対応しますなどということを確認するみたいなことは行われるのが普通です。

記者
 ありがとうございます。恐らくそれは、例えば○○(まるまる)政治連盟とか、そういうふうな感じの仕組みで、政治活動を行うというふうな趣旨だと思うのですけれども、具体的な名前を申し上げて恐縮なのですが、希望郷いわてを実現する会だとか、そういう、ちょっとあえて言いますけれども、政治色が強いというか、そういった団体への推薦を求める形にもなり得るということでしょうか。

知事
 そうですね、個別具体的に希望郷いわてを実現する会については、元々の設立のところから私も一緒に参加して設立したところもありますので、いろいろ役員の改選があったりしていることについては、私も情報をいただいているところで、そういう意味では既に一緒に活動をしているというように思っておりますので、推薦とかいう手続もさることながら、そこの会とはもう、今の日本と岩手の時局、情勢に関する意見交換とか、どのような活動が必要なのだろうかというような運動論に関する意見交換とかをやるような関係になっていますので、今更推薦云々という感じの関係に既になってはいるのですが、いろんな運動を進める中で、そういう形式面についてこういう形を取ったほうがいいとか、そういうのがあれば、今後、おいおいそういう話も進んでいくのかと思います。

記者
 ありがとうございます。もう既に街頭には、その団体の名称がついて、さらに知事のお顔も載っている2連ポスターが貼られるなどしておったので、形式的なところで、そういった形式を取られようとしているのかということのちょっと確認で伺わせていただきました。そういったところでいうと、今のところ政党への推薦という形式的なところは求めないお考えというふうに理解はしておるのですけれども、昨年の参院選のように、いわゆる後援会が一つの軸となって、そこにいろんな団体が集まるような、そういったスタイルを模索していらっしゃるというふうに見受けられるのですが、いかがでしょうか。

知事
 そうですね、私からしますと、一緒にやっていく方向性とか、さらにはどういう活動をしていくかという内容まで、もう大体共有しているかなと思っていますので、今後さらにこういう形があればより活動しやすくなるとか、そういうことがあれば随時相談はしていきたいと思っておりますけれども、今の段階では、特にそういう新しいことというか、前やったようなことを何か特別にするという話は、今のところありません。

記者
 私も知事選について質問させてください。政党の推薦についてです。過去2回の知事選を振り返っても、野党共闘の源流とまで中央政界からも言われた知事選のときと比べると、今回の政党への推薦に関する知事のスタンスがやや慎重のように見受けられるのですが、それは政治情勢等の変化、あるいは直近の地方選等の結果を踏まえた御判断なのか、その点教えてください。

知事
 政党との関係については、基本的に今までどおりで、私のやってきたことと、これからやろうとしていることに賛同していただける複数の政党、そして政党に属さない無所属の人たち(に)、広く結集し、連携して運動していきましょうということで、基本的に変わらないですし、またそういうやり方というのは、だいぶ関係者一同、習熟してきているのかなというところですので、特別に何かしなければという意識はあまりないところであります。

記者
 そうすると、改めて推薦要請とかという手続みたいなものをするまでもないと、そういう捉え方をしていらっしゃるのでしょうか。

知事
 今のところ、それがなければ戦えないという話も聞いておりませんし、こちらのほうとしても、むしろ具体的に、例えばポスターを貼る際には、あるいは演説会の告知ポスターで、そういう演説会をどういう日取りにするかとか、そういう中身の話にどんどん入っていっているので、それをどんどん進めていくことかなと思っています。

記者
 そうすると、端的に言うと、あうんの呼吸のようなものがもうできていると。だから、それに向かって知事選なり県議選なり、それぞれの戦いの場で連携できるところはしていくというのがもう整って、その目的に、今、向かっている最中だと、そういうような受け止め方をしてもいいものですか。

知事
 常に言っていることですけれども、選挙の主役は有権者でありますので、やはり岩手県民の皆さんが、今、世界がどうなっていて、日本がどうなっていて、岩手はこれからどうすべきかということを県民の皆さんが考えて、その中で県民一人ひとりが、自分が立候補するとか、自分が立候補しないのであれば、この人が知事にいいのではないかというように一人ひとりが考えて、そして決めてもらうと。それが選挙の基本でありますので、政党はそれぞれ政党の理念や運動方針に基づきながら、そういう岩手県民とどう連携し、それぞれの政党が持っている世の中を良くしよう、岩手を良くしようという方向性をどう実現していくかということで、様々活動するのでありましょうし、それぞれが自らの主体性に基づいて自由に活動しながら、選挙戦のスタートと投票日を迎えることができればいいと思っております。

記者
 もう一点だけ。そうすると、もう新人が立候補していて、これ以上なければ一騎打ち、少なくとも選挙戦にはなるのかなと思う中で、選挙の主役である有権者にとって達増さん側の立場だったり、新人側の立場だったり、今の枠組みというか、選挙に向かって行っている準備だったり日常の活動は、対立軸として有権者に見えやすいようになっているのかどうかというのは、見えやすくしようと思っていると思うのですが、知事自身はその点はどう考えますか。

知事
 まず、岩手県民の皆さんにとって、今年の知事選をどういう形で迎えてほしいかといいますと、やはり今の県民計画の基本目標になっている東日本大震災津波の経験に基づきということで、やはり津波の経験、これをしっかり踏まえながら、そこからの復興ということに取り組み、そして広く岩手全体としてお互いに幸福を守り育てる希望郷いわてということで、一人ひとりの自分が目指している医療の分野で働いて地域に貢献したいとか、農業をやっていきたいとか、学校の先生になりたいとか、それぞれのそういう思いというものが、岩手において、いかに実現できるかということを深く考えてもらって、今、県がやろうとしている諸政策が、それがいいと思うのであれば、今の知事と一緒にそれを進めていこうと思ってもらえばよく、いや、もっといいやり方があるはずだ、こういうやり方もあるだろう、こういうやり方もあるだろうということで、新しいやり方を岩手で進めていきたいというのであれば、それをどんどん発信しながら、そういう人を集めていくということをやると。いずれにせよ、そういう、今、岩手がどういう状況なのかということをしっかり見ていただきながら、それぞれのやりたいことをどんどん考え、発展させて、それを実現していく運動にどんどん参加してほしいという思いであります。

記者
 ちょっとまた別の話題なのですが、今月(5月)上旬に知事の就任期間が歴代最長になったということがありまして、コメントはいただいていたのですが、改めてこの場で最長となったことへの実感であったり、所感というものを教えていただければと思います。

知事
 4期16年ということで、16年で終われば千田正知事と同じ在職日数なのですけれども、東日本大震災津波の関係で選挙が延期され、任期が4か月くらい延長されたので、千田正知事を上回る在職日数になったということでありますので、ああいう震災はなければよかったということでありますから、それのせいで在職日数が増えるということには、忸怩(じくじ)たる思いがあるわけでありますけれども、一方、東日本大震災津波を県民の皆さんとともに経験し、そこから12年復興に取り組んできた、その必然として在職日数が一番長くなっているというところがありますので、県民の皆さんと今までやってきたことについては、これは誇りに思うところであります。
 そして、千田正知事は、最初に知事に就任したときは、たしか64歳だったと記憶しておりまして、私は今それよりもまだ若いので、そういう意味では千田知事も5期目に挑んで、80歳で5期目の選挙に立候補されていたわけですけれども、私としては、選挙のときには59歳になっていますけれども、県民の皆さんと一緒に知事の仕事をやる中で学ばせていただき、また鍛えていただいた経験や、また体力や気力のようなものを今年9月以降も岩手県のために役立てることができればという思いであります。

記者
 ありがとうございます。すみません、もう一点なのですけれども、ちょっと話が戻って観光の件についてお伺いしたいのですが、先ほど盛岡にもかなり観光客がいらっしゃっていたという話がありました。知事自身も連休中県内各地のイベントなどに参加されて、普段休んでいるようなときよりも働くというようなことを先月(4月)おっしゃっていましたけれども、実際に連休の誘客の評価であったり、実感、知事御自身で御覧になってどのように感じられたかというのを教えてください。

知事
 まず、盛岡市(では)、私もゴールデンウイークは4月30日(に)、盛岡駅で谷藤市長さんと一緒に観光客の皆さんを歓迎するというイベントからスタートさせたのですけれども、盛岡市内(の)観光客の入り込みが大変多く、にぎやかだったということで、よかったと思います。クレイグ・モドさんとも昨日会って話をしたのですが、大変喜んでいて、親しいお店の店主の皆さんと慰労会を開いたということを聞いて、私もうれしく思いました。
 そして、盛岡以外の県南のお祭りや、それから宮古港へのシルバー・ウィスパー号の寄港、その後はプライベートで久慈のほうにまで行って、久慈の人たちと会って話をしたりとかもしたのですけれども、それぞれおととし、去年よりも人出が多くなり、4年ぶりというような久しぶりのお祭りやイベントもやることができて、非常に盛り上がっているなと感じました。
 それから、それぞれの場所場所、またイベントで若い人たちが活躍しているなという印象を受けました。これは、クレイグ・モドさんが盛岡を褒める、評価するに当たって、若い人たちが活躍しているところがいいと言っているわけですけれども、県南のほうでもイベントに、またイベントと別のまちづくりに、若い人たちが活躍していましたし、沿岸のほうでも復興の成果を生かしながら、どんどん交流人口、関係人口を増やそうという先頭に若い人たちが立って活躍しているのを、実際見たり聞いたりしましたし、そういう意味でただ人が戻っているというだけではなくて、今後、いい方向に更に発展し、交流人口、関係人口を増やしていく、そういう可能性というのを感じることができ、県もそれを積極的に支援していかなければなと改めて思いました。

記者
 ありがとうございます。先日、観光庁にも採択された「(2023年に)行くべき盛岡・岩手宝探しの旅」ですか、こちらも取り組んでいかれるということですが、特にどういった事業に力を入れているのかということだったり、どういった効果を期待されているかという辺りを教えてください。

知事
 盛岡にやってくる人の数を増やすということは、やはり力を入れてやりたいと思います。これは、盛岡以外の人たちからも、まず盛岡に大勢県外や海外から来てもらうことで、その人たちが盛岡以外にも来るということが増えるので、盛岡にどんどん人が来てほしいというのがまず1つあります。次に、盛岡以外のところにも人がたくさん来るようにということで、補正予算を活用した県の事業も、盛岡市と連携して盛岡市への入り込みを増やすというのもありますが、盛岡以外のところでの入り込みを増やすための事業もいろいろイベントでありますとか、案内の充実とかPR(ピーアール)、宣伝とかありますので、そこを力を入れてやっていきたいと思います。

記者
 また話題が変わるのですけれども、来月(6月)開催される全国植樹祭まで、もう残り3週間余りとなりました。現在の岩手県の森林、林業をめぐる状況の所感と、この機会に知事として全国へ発信したい思いを改めて聞かせていただけますでしょうか。

知事
 国際情勢の変化で、かつては安い輸入材がどんどん入って、国内の木材が売れないという状況が長く続いていたのですけれども、今や国産の木材に対する需要がどんどん伸びて、高く売れるようにもなっているので、そこはチャンスだと思っております。
 一方、人手不足で切り出される木材が不足ぎみになることがあったりとか、あとは木材特有の、欲しいと言ってから切ったりしていると、物すごく時間がかかる(ということがある)わけでありまして、需要のあるところに求められている加工された板材や、そういうものが、すっとマッチングできるような流通の工夫というのは、もっとしていかなければならないなと思っております。森林組合さんとか、市町村によっては、独自に大手の住宅業者とか、そういったところと連携して、消費の場のニーズと切り出す側の供給を、よりスムーズにマッチングさせるような(地域での)取組、岩手はやはりそういうのが進んでいるところがあるのですけれども、県として、更にそれを推進していきたいと思います。そういう森林保全、林業振興ということがSDGs(エスディージーズ)、地球温暖化対策をはじめとする環境を守る持続可能な発展ということにもつながるということも、この機会に広くアピールしたいと思います。

記者
 関連してもう一点、植樹祭では、今上天皇陛下が、即位後初めて来県されますけれども、昨年の安倍元総理の遭難であったり、先月の岸田総理の襲撃など、地方の要人警護の課題を突きつけられるような事態が続いています。警衛警護の主体は警察になると思うのですけれども、植樹祭の無事な運営に向けての知事の思いや決意を改めてお伺いできますでしょうか。

知事
 警備のほうは警察で、県警察本部も遺漏なく準備を進めているところですし、国の警察庁も様々な事案を参考にしながら、いろいろ手伝ってくれたりしてくれているようでありますので、そこは全く心配をしていないところであります。さらに、変なことができない雰囲気づくりというのがやはり大事だと思いますので、さっき言ったような全国植樹祭の趣旨、そういうポジティブな話をどんどん広めることで、真面目に森林や林業のことを思い、真面目に地球温暖化や環境のことを考える人たちが大勢集まり、そういう雰囲気が醸し出されているところでは、なかなかそれをぶち壊すような行動に出るというのがやりにくくなりますので、そういう雰囲気づくりということも非常に大事だと思っていまして、1年前から特に力を入れてきたそういう雰囲気、ムードづくりというのを、あと23日の中で更に仕上げていきたいと思います。

記者
 選挙の話に戻って恐縮なのですけれども、まだ報道ベースでお答えになるのは難しいかと思うのですが、衆議院解散総選挙が報道ベースとしてはささやかれていると思うのですけれども、知事選、県議選に、選挙関係者、有権者にとって、どう影響があるのかなと思いまして、この辺の御所感をお願いいたします。

知事
 これは、以前から言っていることなのですけれども、憲法に書いてある解散権というのは、あれは内閣にあるものであって、総理の専権事項ではないというのが私の考え方であります。政治家一個人の思いや政治家一個人の利害関係で決めていい話ではなく、あくまで内閣として決定しなければならない。そして、内閣というのは、連帯して国会に責任を負うというのが憲法の仕組みであり、そこはやっぱり国会として、ひいては国民として、今の国会の状況というのは一度解散して、そして選挙をやり直さないと駄目だということが国民的に共有されて初めて、内閣は解散権を行使できると思っております。
 イギリスでも、与党の都合で勝手に解散する、特に総理大臣の判断で勝手に解散するというのはよくないという運用が重ねられ、イギリスでは、大体任期満了近くなってからの解散総選挙が普通になっているそうなのですけれども、日本もそういうようにしたほうがいいと思います
 特に今は、防衛費の問題でありますとか、子育て支援のやり方の問題でありますとか、あと去年の臨時国会で議論が集中していた統一教会問題に関するその後のフォローアップでありますとか、今の国会で議論を深めなければならないことが多いので、政府与党のほうが、特に疑問が多い防衛費を増やすとか、それを引っ込めるとか、やめるとかいうならまた別かもしれないのですが、今の状況は国会をむしろ延長しながら、喫緊の課題について議論を深めていくということが求められている状況だと思います。

記者
 そういった総選挙に関してと、県内の県議選、知事選、これの影響、連動というところはいかがでしょうか。

知事
 8年前の統一地方選挙のときなどは、政府与党が地方創生ということを新たに編み出して、全国の全ての都道府県や全ての市町村を巻き込んで、まち・ひと・しごと創生法、それに基づく計画を立てるとか、非常に政府与党、国政の動きと、地方自治体と地方政治が連動しながら統一地方選挙を迎えたし、4年前は4年前なりに地方創生ということを主な論点にしながら、国政と地方の政治がリンクしながら統一地方選を迎えたと記憶しているのですけれども、今回の春の統一地方選挙というのは、前回、前々回ほど国政と地方の選挙があまり連動していない感じでありまして、特に大事な地方選挙があり、また東北地方は、延期になったところの選挙が、9月、秋にかけて随時行われていきますから、そういう東日本大震災津波の被災地で、復興の在り方など含め、様々論点にしながら地方選挙が続いていくときに、何のために解散するのかというのは本当さっぱり分からないなと思いますし、今ここで解散などしたら、今の政府与党は地方のことをあまり考えていない、特に、東日本大震災津波の被災地のことを考えていないという評価になってしまうのだと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は5月19日(金曜日)の予定です。

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