令和5年10月20日知事会見記録

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開催日時

令和5年10月20日10時30分から10時59分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事、お願いいたします。

知事
 まず、個人向け地方債の発行についてです。
 関係人口の拡大、U・Iターンの促進及びふるさと納税の増収につなげるための新たな財源確保の取組として、インターネットでの販売による個人向け地方債を年内に発行します。
 発行額は10億円程度、年限は5年で、満期一括償還を予定しています。
 個人向け地方債は、岩手県では、平成15年から22年まで、青森県、秋田県と共同で「北東北みらい債」を発行した実績があります。他の地方公共団体の発行例もありますが、関係人口の拡大等の施策を目的にインターネットで販売する地方債は、全国で初めてとなります。
 債券の購入をきっかけに岩手県への興味関心が高まることで関係人口の拡大が期待され、年末はふるさと納税の申込みが多い時期でもありますので、債券の発行に併せてふるさと納税のPRも行います。
 債券の発行を通じて、岩手県の魅力を新たな層に発信していきたいと思います。

 次に、令和4年度岩手県芸術選奨及び岩手県美術選奨受賞者の決定についてです。
 岩手県芸術選奨受賞者は、句集を出版された大畑善昭(おおはた ぜんしょう)さん、そして、岩手県美術選奨受賞者は、現代美術の個展や企画展を開かれた石田貴裕(いしだ たかひろ)さん、松尾一男(まつお かずお)さん、めだまのわかこさん、洋画の個展や企画展を開かれた村上紘一(むらかみ こういち)さん、そして、花巻市東和町の津島神社に天井画を奉納した安ケ平愛美(やすがひら あみ)さんです。
 表彰式は、11月24日、知事公館で行います。
 表彰式では、表彰状と賞金8万円が贈呈されます。

広聴広報課
 以上で、知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項2件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 個人向け地方債の発行についてお伺いしたいと思います。まず、今回、先ほど期待する効果のほうもおっしゃっていましたけれども、県外に向けてというところなので、改めて購入の呼びかけでありますとか、今回これを導入する、期待する効果というところを、すみません、申し訳ないのですが、もう一度お願いします。

知事
 まず、国債よりも高い利回りが期待できるというのが地方債のメリットでありますし、1万円という単位から購入ができますので、ぜひ、どんどん購入いただきたいと思います。(大型ディスプレイには)そばっちが描いてありますけれども、「はい、どんどん、はい、じゃんじゃん」という感じで、1杯、1杯、もう一杯みたいな感じで購入していただくといいのではないかと思います。

記者
 ありがとうございます。
 もう一つ、地方債の発行についてお伺いしたいのですが、先般、グリーン/ブルーボンドの発行もありましたし、新たな債券という手法を使って歳入の確保というところを進めていますけれども、その歳入確保に向けての今後の方向性というところもお伺いできればと思います。

知事
 世界中(で)、資金はだぶついているという傾向がずっと続いていますし、日本では、特にアベノミクスで通貨供給量が増えて、やはり資金があるところにはたくさんあるような状況になっています。これをぜひ、有効に活用していただきたく、岩手がそういう資金を調達できるような新しい工夫をどんどんやっていきたいと思います。

記者
 地方債ですが、これの格付見通し(について)、分かれば教えてください。

知事
 格付につきましては、一般的に地方債はリスクウエート、ゼロ%ということとされているので、現時点で格付は取得していないところであります。今後、機関投資家等への販売を拡大していく中で、その販売状況等を勘案しつつ、東京都や愛知県などは格付をして取得していますので、そうしたほうがいいのかどうかということは検討していきます。

記者
 2点お尋ねします。今回、地方債ですが、対象が主に県外在住者とあるのですけれども、県内は駄目とかというような縛りがあるわけではない(ということでよろしいでしょうか)。

知事
 これは誰でもいいですので、外国人でも構いませんし、インターネット証券会社で、それを利用できる人であれば誰でもできますので、県民の皆さんも含めて、どんどん御利用いただきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。
 もう一点ですが、こちら銘柄名がちょっと堅い感じもするのですけれども、何か愛称のようなものをつける予定というのは(ありますでしょうか)。

知事
 何となく「そばっち債」みたいに、ここ(大型ディスプレイ)に描かれてはいますけれども、「そばっち債」でいいのかどうか、ちょっと検討したいと思います。

記者
 地方債に関係しまして、非常に県のふるさと納税(の額)も順調に伸びていて、他県と比べても伸び率が大きいと伺っていますけれども、改めて知事から見て、岩手県のふるさと納税の今の返礼品のラインナップの魅力であったりとか、どういうふうに感じていらっしゃるかということ、それに加えて、PRの言葉も含めてお伺いできますでしょうか。

知事
 もともと岩手県では、返礼品については抑制的といいますか、寄附の趣旨に合うような記念品をというところから出発していて、三(陸)鉄(道)関係の目的でということであれば、三(陸)鉄(道)にちなんだものというようにしていたところでありまして、そういう寄附する目的と響き合うような返礼品を用意し、それをどんどん拡充させてきているというところで、額も伸びてきているのかなというふうに感じておりますので、寄附が有効に活用されて、そして、効果が出ていくことを実感できるような、そういう希望が持てるような返礼品を差し上げていますので、御期待くださいということを申し上げたいと思います。

記者
 もちろん、個人向け地方債の発行での歳入確保というのも期待されているということでよろしいでしょうか。

知事
 そうですね。

記者
 第3回公募公債ということであるのですけれども、これは先ほど言った平成15年から20年の実績以来の発行になるのですか、それとも毎年やっているものなのですか。

知事
 公募債の今年度3回目ということですね。

記者
 ありがとうございます。3回目からこういうことを初めてやるということでいいのですね。

知事
 第3回公募公債が銘柄名ということですね。グリーン/ブルーボンドなどが第1回、第2回の公募債になります。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 先日、県議会の総務常任委員会で県庁舎の耐震診断の結果のほうが発表されました。まずは、その耐震診断の結果について、知事の受け止めを伺えればと思います。

知事
 県庁舎の本体部分について、崩壊の危険性は低く、躯体には問題がないという平成9年の耐震診断と同じ結果であったということで、今現在使える状態であるというのは一安心なところはあるのですけれども、一方、議会棟の耐震性能値は低くなっているということが新しい結果でありますし、また、耐震性能が、昭和の頃からの耐震基準を満たしていない状態が続いているということが、まだ続いている状態にありますので、合同庁舎など、県庁舎以上に早く改修したほうがいいところは改修をどんどんしてきたところなのですけれども、県庁舎の在り方についても、やはり検討をしっかり進めて、改修や建て替えの様々なやり方と、そこに係る年数でありますとか、コストでありますとか、そういった整理もできましたので、その検討を進めていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。今回、先ほど整理ができたというところで、改修や建て替えのパターン案というようなものが示されました。今後、専門家や県議会の意見も聞いて検討するとのことですけれども、パターンには含まれていない、新築といいますか、移転建て替えも含めて、現時点で知事が考える最適な整備手法はどういったものか、また、いつまでに改修や建て替えの判断というところを行っていきたいというところ、現時点の考えがあればお伺いいたします。

知事
 今回のようなきちんとした調査、そして、それを基にしたパターンの整理などをされてきていますので、こういった技術的なデータをきちんと検討していくことが大事かなというふうに思っております。県庁舎の在り方については様々意見ありましょうから、そういった声も伺いながら検討を進めていきたいと思います。

記者
 診断結果の中では、早期の対応が必要という一文も織り込まれましたけれども、早く検討、判断というところを行っていきたいのかというところ、御意向があればお伺いします。

知事
 やはりデータについて共有し、そして、検討のプロセスを経て、県民的に考え方を共通のものにしていくことが大事だと思っております。

記者
 私からは熊のことを聞きたいのですけれども、昨日(10月19日)の岩手(警察)署の発表で、八幡平(市)の山林で秋田県の御夫婦が熊に襲われたという事案がありました。女性の方は、熊に襲われて亡くなったということでした。10月の前半現在で、熊による人的被害で亡くなっているのは岩手県と北海道で、その後もほかの県で出ていると思いますが、岩手はワーストクラスで被害が続いていると思います。知事からの警戒のコメントをお願いいたします。

知事
 亡くなられた方の御冥福をお祈りしたいと思います。そして、けがをされた方、被害を受けた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 今年は、岩手県での熊の出没数については、令和2年も出没数が多くて、令和2年並みの出没数なのですけれども、被害の多さ、特に人身被害が過去最高の数字で、10月の時点で既に35件、38人被害を受けているということで、過去最多の人身被害になっています。ということで、数も過去最高と並ぶ多さ、出没数の多さということがありますが、その中でも人身被害が増えているということで、危険性が高まっているということです。熊被害の危険性が高まっているということもありますので、県民の皆さんには、ぜひ気をつけていただきたいと思います。
 10月6日から秋の熊被害防止キャンペーンを県として始めているのですが、PRイベントでありますとか、注意喚起カードの作成、配布、また、ホームページやSNSの活用などしておりますけれども、この注意喚起カードにも書いてあるのですが、山に入るときは出没に備えるということ、そして、餌になるものは片づけるということ、襲われたら両手で顔と頭を守るということ、こうした注意喚起を行っているところでありますので、気をつけていただきたいと思います。
 あと、市町村ごとに熊出没情報をSNSはじめ、様々な形で発信していますので、この辺は大雨とか台風とかの気象情報と似ているところがありますので、最近、マスコミでも盛んに報道されていますし、それから市町村ごとに、市町村のどこで目撃があったという具体的な情報が出ていますので、そこに気をつけていただきたいと思います。

記者
 私からは、岩手の清酒の(地理的表示)GI(保護制度)登録についてお伺いしたいと思います。9月25日付けで国税庁長官から指定を受けたということで、2020年度から県内22の業者が取り組まれてきたということが、今回、実を結ばれたということなのですけれども、まずは、このことについて知事の受け止めをお願いいたします。

知事
 おととい(10月18日)、スタートアップイベントも行われ、これは去年(令和4年)やおととし(令和3年)ですと、コロナ禍の関係もあってできなかったようなイベントが今年(令和5年)はできて、GIで岩手の日本酒をアピールしていくということを、ちょうどいい時期にスタートアップ、キックオフですか、できているなというふうに感じています。お酒を生産する方々も、流通販売に携わる方々も非常に張り切っていますし、実際、国内、国外に、いいお酒への需要というのは底堅いものがある、あるいは高まっているところもあるというところですので、県としてもどんどんPRをしていきたいと思います。

記者
 知事も先日、祝賀会のほうへ御参加されて、いろいろ飲み比べもされたかと思うのですけれども、今年度からいろいろ海外に打って出るということもおっしゃっていますし、岩手の清酒については、特にどういうところが魅力と感じていらっしゃるのか、何か御感想あればお願いします。

知事
 水が良くてお米も良くて、そして、南部杜氏の伝統の作り手の技能も大変高いということで、クオリティーの高い日本酒が生産されています。そして、日本のいろんな有名なお酒の産地の日本酒に比べて、コクがあるとか、独特のパンチが効いているとか。そうですね、あとはコクがあり独特のまろやかさとか。一方に水のようなスムーズなお酒をよしとする傾向があり、そういう銘酒を産出、生産している県もあるのですが、岩手もそういう水のようなスムーズなお酒を生産しているところもあり、それもおいしいのですけれども、特徴とすれば、その反対の独特のコクとかパンチとか、また、まろやかさとか、そういった特徴があるのが岩手のお酒だと思いますので、その辺を楽しんでいただければいいなと思います。金色の風、銀河のしずくといったようなお米も、ほかのお米と違う、食べたことないような味、口当たりというところが特徴なのですが、岩手のお酒というのも、飲んだことないような、しかし、どこか懐かしい味というのを楽しんでいただけると思います。

記者
 私も熊の被害に関してお伺いしたいのですけれども、昨日の方が熊の被害で亡くなられたと確定されれば、岩手県で2人が亡くなったというのは、これは調査史上初めてということになりますけれども、こういった状況の中で、これまでも種々対策は行ってきていると思うのですけれども、改めて緊急の対策の強化であったりとか、あるいはコロナ(感染症感染拡大の時)のような形で何らかの行動制限ではないですけれども、強いメッセージを発するであるとか、そういった何かお考えがあればお伺いできますでしょうか。

知事
 先ほども申し上げましたように、危険性が高いので、熊なら見たことがあるよとか、熊と遭遇したことはあるけれども、大丈夫だったというような、そういう過去の例を基準にして安全性を過信しないようにというのでしょうか、裏を返すと熊に対する警戒を、やはり今年は一段高めて強くしていただかなければならないということを、もう一度申し上げたいと思います。
 今はPRイベント、そして、ホームページやSNSの活用、また、カードの作成、配布といったことをやっているわけでありますけれども、全国的に被害も増えていて、マスコミの報道も増えているところで、ニュースだけではなくて、いわゆる情報番組でも取り上げられているようですので、これを受けて県民の皆さんが警戒の度合いを高めていただければと思います。

記者
 (岩手)県生(活)協(同組合)連(合会)の灯油価格が、シーズンの最初の価格としては最高値となりました。ウクライナ、ロシアの問題に加えて、中東情勢とか円安ですとか、この冬もエネルギーの高騰が懸念されますけれども、県としては今後、さらに対策強化していく考えというのはありますでしょうか。

知事
 財源として、やはり国からの交付金、コロナ対策を看板にしつつ、物価高騰の特別の交付金というやり方と、あとコロナ対策なしで物価高騰の交付金と、いろんな種類が交付金として過去、出ているのですけれども、それぞれ地方で自由に柔軟に使えるような交付金が早く必要な局面だと思います。その交付金を活用してどのような対策、支援を行っていくのかというのは検討を進めて、もう実際に交付金が、国会の議決とか、あるいは閣議決定とか、そういうのが正式に決まる前からやるということが分かれば、すぐにも県としての準備にも着手したいなと思っているところです。その中では、灯油の値段がどんどん上がっているということについても、しっかり状況を見極めていきたいと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は11月2日(木曜日)の予定です。

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