令和6年1月29日知事会見記録

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ページ番号1071655 

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開催日時

令和6年1月29日10時30分から10時53分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 私のほうからは、能登半島地震の支援についてお伺いできればと思います。県はこれまで、住家被害認定調査に関する職員の派遣でありますとか、医療関係の職員の方々の派遣を行っています。先週末時点の県のまとめというのは出ているのですが、今週以降、新たに始める予定の支援活動があれば教えていただきたいと思います。また、派遣活動からちょっと時間がたったので、現地活動の情報も入ってきているかと思います。現地活動から見えてきた課題でありますとか、継続的に取り組まなければならないことは何か、知事の認識をお伺いできればと思います。

知事
 岩手県からの支援としては、まず発災直後、医療、保健、福祉、漁港、そして建築、そういった専門家、専門的な職員の派遣から始まって、そして、1月中旬に入って、事務職の職員も派遣する段階に入ってきて、そこで住家被害認定調査を行う県職員と市町村職員のチームを能登町に派遣するようになったというところです。能登町が岩手県の対口支援団体に決定したということも、そういう展開になっている背景にあります。
 ということで、まずはそういう専門家、専門的な職員の派遣も、交代しながら継続していますし、能登町への住家被害認定調査業務の職員派遣も第1班が終わって、第2班に交代というように進んでいるところであります。
 あとは、最近の動きとしては、石川県の求めに応じまして、災害廃棄物処理に係るノウハウ資料、そして、復興計画の策定手法等に関する資料、そういった資料を提供しております。
 ということで、職員派遣の継続と、それから救援、救助から復旧、復興へと段階が進んでいくにつれ、被災自治体と連絡を取り合い、また、全国知事会等の調整もありますが、更に人的、また、情報の提供や助言等の支援を行っていくということになります。

記者
 ありがとうございます。能登半島地震についてもう一つ伺いたいのですが、避難者の方々の受入れなのですけれども、県内市町村での被災者の受入れについて、現状と今後の見通しがあれば教えていただきたいのですが。

知事
 公表を希望されていないということですけれども、県内市町村に避難してきた被災者の方がいます。提供可能戸数として、県、市町村等合わせて合計370戸が今、用意されておりますので、そこはまだまだ余裕があるというところです。

記者
 分かりました。そうすると、具体的な数等については、まだ非公表の状況ということでよろしいでしょうか。

知事
 報道されてはいますけれども、大体そんな感じというところです。

記者
 先日、イヌワシの生息エリアを地図上で可視化をして、風力発電所の建設回避を求めるレッドゾーンの設定を、県として、方針を示しました。これは、全国初の取組ということですが、知事として、今回のこの計画(方針)にどのようなことを期待するかという御所感を伺えればと思います。

知事
 岩手県は、再生可能エネルギーポテンシャルが日本の中でも非常に高い県でありますので、その有効活用を図ることで、気候変動対策の推進、脱炭素化を進めるという責任があり、かつ、県民意思としてもそれを進めていきたいというところがあります。
 一方、同時に岩手県には、イヌワシ生息地など貴重な生物が生息するところが広くあり、この生物多様性を守るということも岩手県にとって重要な責任であり、また、これも県民的に進めていこうとしているところであります。これを両立させるために、風力発電事業の立地を回避すべき区域を事業者向けに示すということは、意義があると思っておりますので、事業者の皆さんにはその内容を考慮して計画を立案し、また、環境アセスメント等の必要な手続を通じて、地域住民の理解の下で環境と共生した事業を進めていってほしいと思います。

記者
 先週なのですけれども、盛岡の岩手中央タクシーさんが事業破綻という状況になって、月内で営業を終了するということになりました。県内でも2番目の保有(運行)台数を持つ業者さんということで、タクシー業界さんに与えるインパクトであるとか、市民生活への影響というのも考えられるところであります。そういった中で、知事が、今回の事業がうまく立ち行かなかったというところについてどのように思われるか、地域公共交通の観点からも、地域の足としての観点からも、どのように思われたのか、また、何か県として打開策といいますか、そういったことを考えているのかというところを教えていただければと思います。

知事
 子供の頃から利用していましたし、盛岡市、さらに、岩手県を代表するタクシー会社の一つであったと思います。また、IGRいわて銀河鉄道の利用者に向けた岩手医大や県立中央病院までの定額プランなど、そういう地元住民のための様々な工夫もしていただいて、地域の生活と経済に大きな貢献をしてきた会社だと思います。今回の廃業方針ということは報道で知るところでありますけれども、残念に思います。
 やはり、コロナ禍が日本の経済、社会に及ぼした影響は、まだまだ残っているということだと思います。特に、地方の経済、社会にコロナ禍がもたらした影響は残っていて、そこにウクライナ戦争に起因する燃料費、そして、物価の高騰ということが重なっていて、事業者の皆さんの経営はやはり大変な状況の中、特にタクシー事業というのが運転士不足問題も重なって、更に大変なのだと思います。
 県としては、タクシー事業者向けの支援もコロナ対策として、また、物価高騰対策として行ってきたところであり、今年度(令和5年度)の4月の臨時議会と12月定例会にも補正予算を措置したところでありますので、まず、タクシー業界全体に対しまして、更に注意深く見ていきたいと思います。また、岩手中央タクシーの会社、そして、働いている人たちの今後についても注意深く見ていき、地元の岩手県内の有力企業がこういうふうな状況になったときは、その地元市町村と連携しながら、あとはハローワークとも連携しながら、雇用の確保などもしっかり行われるよう、必要があれば、県においても対応を検討していきたいと思います。

記者
 先日、警察庁の統計に基づく2023年の自殺の死亡率が出て、岩手はワースト3位ということで、暫定値ではありますが、そういった結果が出ました。この結果について、知事としてどのように受け止めているのか、また、どういった対策が必要かということについてお伺いします。

知事
 令和3年に、全国的に見ても異例な形で自殺者数、自殺死亡率が大きく下がったのですけれども、おととし、去年と、これが増えて、減る前の水準に戻ったような状況なのだと思います。大きく減った反動として大きく増えるというふうになっていないというところは、まだ救いがあるといいますか、そういうところなのですけれども、元の水準に戻っているということについては、やはり、今までやってきた対策を更に強化していかなければならないということだと思います。今までやってきた対策というのは、長期的に見ますと岩手県内自殺者数、自殺死亡率が、長期的には少なくなっていく傾向にありますので、そういう長期的なトレンドをきちんと保ちつつ、その年その年の自殺者数が、より少なくなるように努めていきたいと思います。

記者
 ありがとうございました。特に必要な対策というのは、先日の会議の中でも男性の自殺者が増えているとか、特に重点にしなければならないところというのは話し合われたと思うのですけれども、改めてどういったところに力を入れていきたいかというのをお伺いします。

知事
 今回の速報値では、まだ年代や原因・動機別の(詳細な)統計は公表されていないのですけれども、基本的に、令和3年以前の状況に戻ってきたというようなことであれば、さきに分析した過去の内容が基本的に当てはまるということだと思いますので、経済的な困窮、仕事上の困難に直面しやすい年代や、また、健康面とか、そういった課題に直面しやすい年代、それぞれに対応したきめ細かい対策を丁寧にやっていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。あともう一点なのですが、(1月)23日に中尊寺の金色堂の建立900年の節目に当たる特別展が開幕しました。知事もオープニングに出席して、ちょっと新幹線とかいろいろトラブルはあったと思うのですけれども、(特別展を)見られたところだとは思うのですが、どういった感想を抱かれたのかお伺いします。

知事
 大変すばらしい展覧会を東京国立博物館でやっていただいていると思います。
 まず、入ってすぐのところにNHKさんが作った8Kの映像ですね。普通、金色堂はガラスの向こうにあるわけですけれども、そういうガラスがないかのごとく金色堂にどんどん接近していくことができ、触れることができそうな映像ですので、まず、そこは大きな経験になると思います。
 そして、更に進みますと、金色堂に祀(まつ)られている仏像が金色堂の配置に従って置いてある中を入っていくことができますので、仏様の間に入って、それぞれの横に立ったり後ろに回ったりできるというのは、これはもう、生涯、今回しかできないのではないかという経験ですし、そもそも、この900年の歴史の中で今までできなかったことでもあります。これは本当にすごい、一生の体験と言っていいと思いますので、そのためだけに行ってもいい展覧会だと思います。
 あとは、中尊寺というのは、実は国宝がたくさんありまして、いろいろなお経ですとか、飾りですとか、そういったものもたくさん国宝に指定されていて、それを一度に、ばっと見ることができますので、これも非常に得難い経験であります。
 という、大きく三つの得難い経験がありますので、これはもう行かなければならないということだと思います。そして、中尊寺に行ったことがない人には、まず、その展覧会を見てもらって、そして、実際の中尊寺に来てもらうように呼びかけたいと思います。

記者
 先ほどの話でも少しありましたが、23日の新幹線トラブルがありまして、新年度(令和6年度)(当初)予算査定がオンラインになるという異例の事態になりました。まず、実際にオンライン査定をやってみての所感というのは何かございますでしょうか。

知事
 県の内部協議の最高峰と言っていい予算の知事査定でありますが、オンラインでもできるなと思いました。冒頭の挨拶をきちんとやれたのは、取材にいらした皆さんが県庁側の現場で目撃したとおりでありますし、その後も総務部、各部局の説明をきちんと聞くことができ、私の意見も述べることができ、ほかの副知事や幹部の意見も聞くことができて、そういった議論もウェブ上で行うことができまして、オンライン、リモートでも予算査定も十分できるなという手応えを感じたところです。

記者
 今回はトラブルが原因でしたけれども、特にリモートにしたことによって何か作業の遅れとか、そういったものはなかったということでよろしいでしょうか。

知事
 そうですね。リモートやオンライン一般に通じることですけれども、かえって集中できるというところがあり、いろいろ遅れるとか、スムーズにいかないとか、そういう不都合は全然なかったです。

記者
 ありがとうございます。2023年度予算からDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を掲げているわけですけれども、これを機に庁内の会議のリモート化であるとか、そういったものを推し進める試金石になったと考えてよろしいでしょうか。

知事
 ええ、なりました。実際、今後の知事日程の中でも今回の成功例を踏まえて、普段リアルで出ている会議に東京事務所から(オンラインで)出るようにして、それで日程を効率よく組み立てられるというような試みを、今後の知事日程の中でもやっていくこととしています。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は2月5日(月曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
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