令和5年11月28日知事会見記録

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ページ番号1070527 

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開催日時

令和5年11月28日10時30分から11時02分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 東日本大震災津波から13年目となります令和6年3月11日に、盛岡市において岩手県東日本大震災津波追悼式を開催します。
 東日本大震災津波の1年後から、3月11日の追悼式は、沿岸部の市町村と合同で開催してきましたが、沿岸市町村では、年月の経過とともに、単独で静かに追悼していきたいという意向があり、県では、こうした市町村の意向に配慮した追悼式の在り方を検討してきました。
 県では、「東日本大震災津波を語り継ぐ日条例」の趣旨にのっとり、引き続き、3月11日に県として、東日本大震災津波で亡くなった多くの尊い命を追悼する式典を開催することが必要と考え、内陸に避難された方々を始め、多くの方々が参列しやすいことなどから、沿岸市町村に御理解をいただいた上で、県庁所在地・盛岡市で開催することを決定しました。
 県内の救助機関、復旧・復興に携わってこられた団体等に御案内し、内陸に避難された方々を始め、県民にも御参列いただき、県民一人ひとりが、改めて東日本大震災津波を振り返り、県として、犠牲になられた方々を追悼できるよう、式典を執り行っていきたいと思います。
 また、これまで盛岡市内で追悼行事を行ってきた盛岡広域首長懇談会に共催いただきます。
 なお、3月11日の午前中には、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園で、知事と県議会議長が献花を行います。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があれば挙手の上、質問をお願いいたします。

記者
 先ほど内陸で開催するということで、沿岸市町村の意向を受けてということでありました。そうしますと、今後、再来年、また次の年というふうに追悼式が続いていくかと思うのですけれども、今後は沿岸ではなくて内陸、盛岡市のほうで開催を予定しているのかという見通しのところを教えていただければと思います。

知事
 まずは、今年度(令和5年度)の追悼式について決めたところでありますけれども、基本的には、来年度(令和6年度)以降も今年度のやり方が基本になっていくものと考えますけれども、一方、前例がないような多くの犠牲と大きな被害があった災害をめぐる追悼の在り方でありますので、様々国の方針や、また、被災地の状況なども見ながら、年度ごとに丁寧にやり方を決めていくことが望ましいと考えます。

記者
 ありがとうございます。今回、沿岸の被災地ではないというところで、被災者の方たちは、もしかしたら、なぜ被災した土地で追悼式をやらないのかというような違和感を持って受け止められる方たちもいるかと想像はするのですけれども、そういった中で県としての被災地への姿勢というところを、改めて今後、どのように寄り添うというところが一つのキーワードになるかとは思うのですが、沿岸被災地との向き合い方について改めてお伺いできますか。

知事
 岩手県としましては、一つは被災地に寄り添うということで、そういうこともあって、今まで他県には例を見ないような合同追悼式というやり方でやってきたところであります。
 一方、県としては、岩手県民の皆さんや、また、岩手県内の各団体など、オール岩手で活動している団体、また、その団体を代表する方々などの、岩手全体に対して追悼したいという思いを形にすることが必要というところがあります。また、国の出先機関の代表や東京などから、岩手全体に対して追悼の意を示したいという人たちの思いを形にすることも県としてやらなければならないと考えております。
 今までは、一つ一つの市町村と代わりばんこで合同でやることで、岩手全体を代表するような方々や、また、政府関係者、あるいはアメリカやドイツの大使がおいでになったこともありますが、そういう方々が沿岸に、被災の現場でその市町村と、そして、岩手全体への追悼をすることができたということがあったわけです。ただ、それは地元市町村にとっても、また、県にとっても、費用がかかることでありますし、また、沿岸市町村にとっては、VIP対応や、大きな施設を用意しなければならないなどの負担もかかるところでありました。沿岸市町村の意見を聞く中で、沿岸市町村としては、今は単独で静かに追悼していきたいという意向が多く示されたところであり、そのような意向を尊重しながら、一方で、オール岩手や、また、県外(の方々)からの追悼の思いを形にするということについては、県庁所在地・盛岡で行うことが適当と判断したところであります。
 一方、県として沿岸被災地に寄り添うという、そういう県の思いを形にすることとして、3月11日午前中に、県の施設ということもあるのですけれども、高田松原津波復興祈念公園で知事と県議会議長による献花を行うということを予定しております。

記者
 ちょっと細かい話になって恐縮なのですけれども、そもそも県主催の追悼式が内陸部で、沿岸以外というくくりですが、開催されるのは初めてということでよろしいでしょうか。

知事
 初めてになります。

記者
 ありがとうございます。あと、今回、来賓として予定される方が(記者に配付された資料に)書かれていますが、大体何人規模になる予定というのは、現時点で見通し立っていますでしょうか。

知事
 そこはまだ白紙の状態で、今後詰めていきます。

記者
 あと、もちろん、先ほどから知事が被災地に寄り添うという発言があったので、ないとは思いますけれども、(式典会場が)内陸に動いたことを機に、例えば、式典を縮小、中止という考えは、今のところあるのでしょうか。

知事
 今、発表した内容がそのとおりにならない可能性があるかという質問ですか。

記者
 すみません。私の質問が悪かったですね。まず、今年度は(式典会場が)盛岡になりました。沿岸から離れてきました。どんどんと来年度、再来年度以降と、追悼式が縮小していく、もしくはやらなくなっていくということがあり得るのかという質問です。

知事
 県の単独の追悼式というのが今後なくなる可能性があるかということについては、「東日本大震災津波を語り継ぐ日条例」もありますし、県として、オール岩手で追悼を行うということは、存続させるべきことと考えます。

記者
 先ほどの質問とも少し重複するのですが、沿岸被災地での追悼式の開催というのは、追悼という意味も含めて、ほかに、やっぱり、沿岸被災地に実際に足を運んでもらって、今の被災地がどういう状況かということを見てもらうことと、それを県外の方々に発信していくという、そういう側面もあるかと思うのですけれども、それが今回、盛岡市になるということで、失われてしまうのかなという気もしているのですが、今後、そういった部分については、県として、これまでも様々対策、対応を取られていると思うのですけれども、どのようにそういった部分を県としてフォローしていきたいかお考えをお聞かせください。

知事
 過去においては、まず、発災の1年後、2年後の段階では、まだ、仮設住宅に住んでいる人がたくさんいるとか、そしてまだ、震災(の災害)廃棄物、いわゆるがれきがたくさん積み上がっている、そういうところをオール岩手、また県外の人にも、政府を代表する人などにも見てほしいという思いが沿岸被災地にあったと思いますし、その後、ものすごい勢いで盛土が行われたり、高台移転、住宅の建設が行われたり、そして、復興道路の建設が行われているような、そういうところを見ていただきたいということも、その後あったと思います。
 そして、12年を経て、来年(令和6年)3月11日には、丸13年となるわけですけれども、今来てほしい、見てほしいというのは、三陸鉄道も含め、新しい交通ネットワークを利用した観光とか、そこには教育旅行、震災学習ということも含まれるのですけれども、豊かな物産、海の幸などをどんどん活用していただきたいとか、そして、復興のことを考えたり、防災を考えたりする、そういう交流や、また、学習旅行、視察旅行、そういったこともどんどんやってほしいというのがあるのですけれども、そういったことは、3月11日に追悼という目的で来てもらう以外にも、1年を通じてどんどん来てもらうということが今、被災地のほうの願いとしてあると言っていいのではないかと思いますし、県としてもそういったニーズに関しては、もう1年を通じてどんどん来てもらうようにしていきたいと思います。

記者
 先ほど来、今は単独で静かに追悼をしたいという自治体さんの意向が強まったということが理由だということですが、こういった意向が出始めたのは、大体いつ頃からかというのが分かればお教えいただきたいのと、逆に、やっぱり沿岸でやってほしいという自治体さんとか、そういう声もあったのかどうかというのも教えていただけますでしょうか。

知事
 数年前から、市町村によっては3月11日の追悼式という形の行事をやらないようになってきたところがありました。また、合同追悼式をどことやるかを検討するに当たって、いろいろ意見を伺う中でも、だんだん、コストの問題や、また、広い場所や、そこに多くの人手をかけなければならないということに関して、きつくなってきているという意見も少しずつ出てきていたところであります。

幹事社
 ほかにはございませんでしょうか、この件についての御質問は、よろしいでしょうか。
 私からも1点よろしいですか。先ほど沿岸市町村のほうからは、静かにやりたいという意見もあったということでしたけれども、例えば、それがどういった調査に基づいたものだったのかということと、あるいは、何回か質問にも出ておりますけれども、沿岸住民の方からは、見放されたのではないかと思われる方も、もしかするといるような気がするのです。追悼するのも一つの意義があることだと思うのですけれども、その日(3月11日)に沿岸に足を運ぶということももちろん意義あることですし、あるいは津波、震災を忘れないということにもつながると思うのですけれども、風化するのではないかというおそれもあるということについて、この2点についてお伺いできますか。

知事
 まず、今年度の追悼式の在り方を決めるに当たって、(今年度、市町村主催の追悼式典の開催を予定している)沿岸市町村に意向を確認したというのが、今回の判断をする根拠となる意見をいただく機会でありました。今のような状況の中で、沿岸市町村ごとの追悼式、犠牲になった方々を悼む行事というものがそれぞれの市町村の状況に合わせて、静かに行われていくというようなときに、岩手県がどこか一つの市町村と合同で、そこで何か大きな追悼式を行って、いろんな人もそこに集まってもらうみたいな形になるのも、バランスが崩れるのではないかなというふうにも思っております。
 あくまで沿岸、被災の現場で追悼したいという岩手県民の方や、あるいは県外の方は、それぞれの思いに応じて、自分とつながりの強い市町村をどこか一つ選んで行っていただくという、そういうケースもかなりあると思います。県として招待する方々の中でも、岩手全体への追悼の思いもあるけれども、ここはやはり、自分に縁のある沿岸のほうに行って(追悼する)ということについては、それはそれで歓迎したいと思っております。ですから、県民に対して、また、県外の人たちに対してということについて、県は、そちらにやや軸足を置く形で風化防止に努め、そして、市町村は現場に即して風化の防止に努めるというような形の役割分担ができればいいのではないかなと思います。

幹事社
 分かりました。ありがとうございました。各社さん、よろしいでしょうか。
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございません。各社から質問があれば、社名を名のった上でお願いいたします。では、質問のある社は挙手をお願いいたします。

記者
 先日、(次期)保健医療計画の素案が示されました。その中では、事業を疾病別に医療圏の設定というところも盛り込まれたというところでありました。改めてこの狙いについて、他県では、特に二次医療圏の再編に踏み込むところもありながら、今回は九つの二次医療圏というのは維持するのだというところで、本県特有の判断もあったのかなというふうに思います。そこの狙いというところを教えていただきたいのと、もう一点が、それに付随して県立病院の配置がどうなっていくのかというところも、今度は県民の関心事になっていくかと思います。施設の数でありますとか、あと、機能でありますとか、今後の見通しについて知事の所感があれば、ぜひお願いします。

知事
 県の医療計画は、まだ議論の最中ですので、今の案に対して様々な意見をいただきたいというところが基本ではあります。一方、まず最初の受診、ちょっと具合が悪いというときの最初に診てもらうという医療ニーズと、あとは手術やら何やらというのが必要な段階ではない日常的な医療ケアについて、それぞれ身近なところで受診したいというニーズに対して、今の二次医療圏というのを基本的に維持していくという考え方があり、一方で、高度な手術が必要な分野ですとか、あるいは検査の段階から高度な医療が求められるような、そういう病気の種類ごと、分野ごとの医療圏というものを二次医療圏と別に広域的につくっていくことで、そういう高度な医療も漏れなく県民の皆さんがきちんと利用できるようにするという、そういう考え方を組み合わせているのだと思うのですけれども、限られた人材や医療資源を効果的に活用して、県民の命と健康を守っていこうという方向性は出ているのではないかなと思います。
 そうした方向で、いろいろ御意見を伺う中で指示をいただいて、そういった方向性が決まっていくと、それを基にして医療局の県立病院のほうの経営計画を決めていく段階に入っていくわけでありますけれども、県の医療計画の考え方を尊重すれば、それほど県民の皆さんに心配をかけたりするような方向には進まず、むしろ基本的な医療ケアから高度な医療ケアまで、それぞれに対応できる方向に発展していくというような、医療局のほうの計画が期待できるのではないかと思います。

記者
 昨日(11月27日)発表がありました県の個人向け地方債、「わんこ債」の件です。以前も発表ありましたが、改めて知事がわんこ債に期待すること、どんな人に買ってほしいかであるとか、あとは「わんこ債」を通じて岩手県がどうなってほしいか、期待の部分を聞かせてください。

知事
 小口から始めてどんどん増やしていくこともできますので、「はい、どんどん」、「はい、じゃんじゃん」というふうに利用していただければと思います。わんこそばは、ニューヨーク・タイムズで世界に紹介されたばかりでもありますので、英語にすると「ワンコボンド」ということになるのだと思うのですけれども、「ワンコボンド」として有名になりながら、どんどん利用していただければいいなと思っております。
 日本は、県を含め地方自治体にはお金がないし、地方経済の中にも今、お金が足りない状況だと思いますが、お金はあるところにはありますので、そういうマネーが余って、マネーゲーム的な現象はあちこちで起きているわけで、そういう筋のいい事業を求めてさまよっているマネーが、回り回って岩手の筋のよい県民計画に基づく様々な事業に使われていくよう、わんこ債を活用いただくことをお願いしたいと思います。

記者
 私からも「わんこ債」についてお伺いしたいのですけれども、ちょっと財政課のほうに伺ったところ、「わんこ債」という愛称は知事が考案されたということなのですけれども、あえて「わんこそば債」とか、そういう名前にしなかった理由、「わんこ」だと犬とか、別なふうにも捉えられると思うのですけれども、そこは知事のどういうセンスを発揮してつけられたのか(お聞かせください)。

知事
 まず、担当のほうでも「いわて復興わんこ債」みたいな案は考えられていたのですけれども、それではちょっと長過ぎるということで、分かりやすく、一般の皆さんが聞いて覚えて、口づてにほかの人に伝えられるくらいの長さの愛称がいいだろうということで議論して、「わんこ債」となったところであります。おわんの中におそばではなくて債券、ボンドが入っているようなイメージでありますが、犬のわんことごっちゃになるというのは、「わんこきょうだい」とか、「わんこきょうだいの歌」とか言っていた頃から言われていたことですので、議論の中でも犬のわんこと思う人はいるかもしれないねという話はありました。でも、それはそれで話題になって、いやいや、わんこそばのわんこだよというふうに、そういう話題も合わさって、ストーリー性が出ればいいなということで、「わんこ債」でいこうと決めました。

記者
 ありがとうございます。改めまして、こちらの個人向け地方債は、関係人口の拡大に資するというような大きな目的があるかと思うのですけれども、調達された資金というのは、そういった関係人口の拡大とかに主に活用されるのでしょうか。

知事
 使途については、限定はされてはいないのですけれども、気持ちとしては、今行おうとしている人口減少対策を主軸に、グリーンとデジタルの両翼で危機管理的な安全安心の対策も怠らずに、前に進んでいくということに役立てたいということでありますので、そういうところに役立つという思いでお買い上げいただければと思います。

記者
 先週、楽天の銀次選手が引退を発表されまして、普代村出身ということで、地域の方からも惜しむ声が上がっていたところですが、知事の銀次選手の印象だったり、記憶だったり、今後の活動に期待することがあれば教えてください。

知事
 銀次選手と岩手県のつながりを振り返ろうと思って、自分の過去のツイッター(現X)をツイログで検索してみたところ、あれはまだ震災前と記憶していますが、銀次選手が1軍登録されて、そして、先発で1軍の試合に出るようになった頃から私はツイートをしておりまして、そして、東日本大震災津波で打ちひしがれた岩手県民の心を、銀次選手はプレーで励ましてくれて、被害のあった岩手沿岸、普代村出身の銀次選手でありますから、銀次選手の頑張りというのは、ことごとく被災地、そして、岩手県民の心に届いたところでありました。そして、2013年の楽天優勝、日本一を牽引する大活躍をして、岩手県民みんなが喜んで、いろんな祝勝会とかもやり、その頃県庁にも来てもらったりとか、県も一緒になってお祝いをしたり、県民にアピールしたりしました。そして最後、旧県営野球場での最後のプロ野球公式戦が楽天戦で、そのとき選手の皆さんに岩手のお米を差し上げるというときに、代表で銀次選手がグラウンドに出てきて、私から米俵だったか、パネルだったか、岩手のお米を差し上げるということをやって、旧県営野球場の最後にも花を添えてもらった銀次選手であります。
 岩手出身のプロ野球選手は、国内でもアメリカでも大勢大活躍しているわけですけれども、その中でもかなり知事とか県組織を含め、県民といろんなやり取りもしながら活躍してきたのが銀次選手だなと改めて思っておりまして、県民とのつながりとか、県民との一体感というのでしょうか、県民と一体となって選手生活、選手人生が毎年毎年続いていったということでは、銀次選手が一番かなというふうに思っております。

記者
 ありがとうございます。

知事
 岩手県民とともにあったプロ野球選手としては、銀次選手が一番かなと思っております。かつ、楽天に残ってアンバサダーということで、更に岩手含め、東北の人たちとともにあろうとされているところが、またすばらしいところでありまして、岩手県としても大歓迎したいと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は12月12日(火曜日)の予定です。

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