令和5年6月13日知事会見記録

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開催日時

令和5年6月13日15時30分から16時15分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事、お願いいたします。

知事
 まず、県議会6月定例会に提案する令和5年度一般会計第2号補正予算案についてです。
 補正予算額は、14億円です。原油価格・物価高騰への対策として、早急に対応が必要となる予算を計上しています。
 2ページ目を御覧いただき、今年度の原油価格・物価高騰対策は、4月の臨時会で議決された予算と合わせ、総額62億円の規模となります。
 今回計上しているのは、全て2の「事業者支援関連」で、1番、支援金の支給により中小企業者等の事業継続を支援します。
 併せて、2番、円滑な価格転嫁や賃上げを支援するため、設備投資や人材育成等の経費を補助します。そして、3番、価格転嫁が困難な教育旅行の受入れに伴う負担を軽減するため、宿泊施設に支援金を支給します。

 次に、令和4年の合計特殊出生率の公表を受けての対応です。
 6月2日、厚生労働省から公表された本県の令和4年の合計特殊出生率が1.21と、過去最低となりました。この数値の背景には、結婚、出産、子育てのしにくさや新型コロナウイルス感染症の影響による社会経済活動の停滞など様々な要因があると考えており、危機感を持って受け止めています。
 本県では、第2期アクションプランで、人口減少・少子化対策を県政運営の最重要課題と位置づけ、令和5年度当初予算における全国トップレベルの子ども・子育て予算をはじめ、就労環境の改善や賃上げなどにも踏み込んだ総合的な対策に意を用いながら、生み育てやすい環境の整備に取り組んでいます。
 今回の合計特殊出生率の状況を踏まえ、更に生きにくさを生きやすさに変えていくため、速やかに実施すべき施策の早期の実行、必要な追加的施策の検討などを指示したところです。直近の6月議会においても、県内就労者の所得向上対策の強化など、補正予算案を提案することとしています。
 これらの内容について、6月15日に開催する令和5年度第1回岩手県人口問題対策本部会議において議論・決定することとします。
 この会議は、「令和5年度第1回いわてで生み育てる支援本部会議」及び「令和5年度第1回いわてで働こう推進本部会議」の併催であり、全庁を挙げて人口減少対策を強力に推進します。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項2件につきまして、各社から質問があればよろしくお願いいたします。

記者
 補正予算と、あと合計特殊出生率について、それぞれ1点ずつ伺いたいと思います。まずは、補正予算なのですけれども、教育旅行の受入れ支援なのですが、都道府県単位でこのような支援を実施するのは初めての例となるようですけれども、現状で宿泊施設が直面している物価高騰の影響をどのように認識して、また、今回の支援がどのように役立ってほしいかというところのコメントいただけますでしょうか。

知事
 教育旅行に関する受入れでは、宿泊施設において最近の急激な原油・物価高騰に対して、宿泊料の価格を急に変えるのが難しいということであります。教育旅行は、旅費全体の上限額が定められていて、また、1年以上前に宿泊料が決定しているということがあり、単純な価格転嫁が困難だそうです。こういった理由で、宿泊施設において価格上昇分を負担している、いわゆる「かぶる」という実態があることから、教育旅行を受け入れる宿泊施設に対し、支援を行うということ、そういう予算を準備したところであります。
 岩手は、沿岸の東日本大震災津波の被災地、また、復興の現場、3つの世界遺産、そして、盛岡も歩ける修学旅行スポットでもありますし、県北のほうの体験旅行スポットも充実しております。岩手全体が教育旅行に力を入れているところに、この教育旅行に特に不利な経済情勢であるということで、補正予算に提案するところであります。

記者
 ありがとうございます。次に、合計特殊出生率についてお伺いします。県内の合計特殊出生率ですが、こちらの資料にもあるとおり、過去最低となったというところで、また、今まで全国平均と近年はほぼ変わらない水準で推移していたかと思うのですが、今回、全国水準よりも0.05ポイント差と、過去最大の幅になったというところで、全国平均との差が大きくなったことについて、受け止めとその要因がどこにあるのかというところをお聞かせいただければと思います。

知事
 まず、合計特殊出生率を決める要因として、未婚率と有配偶出生率の組合せということがあるのですけれども、今回、未婚率が高まっているということがあります。全国的にコロナ禍が3年間続いて、様々行動制限もあり、また、心理的にも行動にブレーキがかかっていたようなところがあります。同じ期間に、岩手県は自殺者の数と自殺率に関して、令和3年に全国的にも例を見ないような大きな減少があり、昨年(令和4年)それがまた元の傾向に戻ったというところはあるのですけれども、コロナ期間中の県民の行動様式に関して、改めて分析をする必要があるかなとも思っております。
 一方、この原因について、詳細な分析は今後となっていくところでありますけれども、未婚率を減らす、婚姻率を増やすということです。そして、有配偶出生率を増やす、婚姻している男女の間の出生率を増やしていくに当たっては、生きにくさを生きやすさに変えると、そういう生きにくさ、経済的に困窮している個人や事業主が多くあるという実態は、別途把握しているところでもありますし、そうしたところと様々なデータを突き合わせながら要因を分析しつつ、かつ、早く手を打ったほうがいいことや、また、早くやれることについては、早め、早めに手を打っていこうということになります。

記者
 私も出生率の関係です。ちょっとこの場で聞くのか、後で聞くか悩みましたが、話が出ましたので、お伺いします。山梨県が全国初の人口減少非常事態宣言を出されました。質問の前提として、まず、この件についての知事としての認識、あとは出したことに対する是非などあればお聞かせください。

知事
 岩手県としては、人口減少問題というのは、今、目の前にある課題、人口が減り続ける、出生率が下がり続けるというところには、生きにくさの問題がそこにあるであろうと。その生きにくさを生きやすさに変えていくところをきちんとやっていくことが重要ということで、その分析に力を入れながら、早急に対策を講じていくというところに力を入れていきたいと思います。
 そして、生きにくさを生きやすさに転換するということは、どこでどういう人たちが困っているかというのが明らかになって、そこに適切に支援の手が差し伸べられれば、すぐにも解決していく可能性というのはあるわけでありまして、それから職場の女性の働き方の問題なども、問題になっている特定の職場の働き方を変えるというのは、経営の判断があればすぐにもできることでもありますし、そういった適切な対応というのが、オールいわてでどんどんできれば、それは危機を希望に変えていくことができる、そういう性質の問題だと思っています。

記者
 宣言を出したことに対して、ほかの都道府県のことなのであれですけれども、知事としてこれはいいことなのか、悪いことなのかという辺りは(いかがでしょうか)。

知事
 いや、そこはもう全然状況が分からないので、コメントはなしです。

記者
 ありがとうございます。もう一点、実際にあさって(6月15日)、(令和5年度第1回岩手県人口問題対策)本部会議が開催されるようですが、岩手でも、例えば、緊急事態宣言、非常事態宣言のようなものを出される可能性は今のところあるのか、出すとすればどういう内容になるのか、もしあればお聞かせください。

知事
 基本的には、人間が直面している人間的な問題や課題だと思いますので、そこを明らかにできれば、それを克服、解決していく道筋というのは、かなりクリアになって、そこに適切な施策を講じていくことができれば、速やかに問題を解決していくということは、決して不可能ではないと思っておりますので、そういう姿勢で臨んでいきたいと思います。

記者
 私も合計特殊出生率に関してですけれども、先ほど今度の本部会議のほうで対策を検討するというふうなお話ございましたけれども、23日招集の県議会のほうに、この会議の内容を踏まえたような補正予算というのも含まれてくるのでしょうか。

知事
 賃上げを順調に進めるサイクルを生み出すような事業が、先ほど説明した中の「中小企業者等賃上げ環境整備支援事業費補助」、これは若い皆さんの収入を増やして、生きにくさを生きやすさに変えるというのに、かなり直接的に関わるものかなと思っております。

記者
 そういったもの以外でも本部会議のほうで出てきたら、そういった更なる補正というのでしょうか、事業として組むことも検討するということでしょうか。

知事
 それは、可能性としては否定しません。

記者
 先ほど知事のほうから、未婚率が、岩手県は非常に高いという話があったと思います。こちら増やす取組を何かしたいというような話でしたが、既に結婚の相談の事業をやっていると思うのですけれども、その辺りどういうふうに強化していきたいかとか、何かあれば教えてください。

知事
 i(アイ)―サポの強化や、また、会費無料キャンペーンなど、今年度既に力を入れていることは決めていますので、それをきちんとやっていくことが大事だと思っています。あとは、やはりコロナ禍の関係で、この辺は市町村にも広く状況を聞かなければと思っていますし、また、県は県で調査もしますけれども、例えば、うちの村でも、うちの町でも結婚を予定していたけれども、コロナがあったから結婚を延期していた人たちがいたとか、そういう状況があれば、コロナの制限がなくなり、社会経済活動が普通になってくれば、その問題は克服し得るわけで、そういった分析をしっかりやっていきたいと思います。

幹事社
 それでは、発表事項以外について……

知事
 ちょっと、さっき緊急事態宣言を出さないのかという質問との関係で、少し希望的な面を強調した答弁をしたなと思っておりまして、お隣青森県の知事選挙で当選した宮下当選者が政策の一番最初の部分で、やはり、子育て・人口減少対策として、若い人たちの賃金の低さ、若い人たちの働く環境をもっと変えなければ、それは国に強く言っていかなければならないというのが政策パッケージの冒頭に強く書かれていたのを見たのですけれども、やはり、燃料代や物価の高騰というのは、ここ何十年かの日本が経験したことがないような物価の値上がりで、これは若い人たちの生活に対しては、非常に厳しい影響がありますので、国を挙げての対策というのが求められるような非常事態ではあり得るというようにも思います。ウクライナで戦争が起こって、世界中で燃料費や物価の高騰が起こっているというのは、これは非常事態でありますし、あとは新型コロナウイルスというもののパンデミックが3年間続いたというのも非常事態でありましたので、その非常事態的な影響が、去年(令和4年)の人口減少にも及んでいるということは言えるのだと思います。

幹事社
 では、発表事項以外について記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 先日、IGR(アイジーアール)いわて銀河鉄道の赤字の発表がありました。4年続けてということで、本当に物価の高騰など、もろもろ要因があると伺っていますけれども、出資されている県として、この数字、現状をどのように受け止めていらっしゃるか、まず、聞かせていただけますでしょうか。

知事
 やはりコロナという世界的パンデミック、そして、ウクライナの戦争に基づく世界的な物価の上昇、そういう非常事態によってもたらされた部分が大きいと思っております。そこは、経営の問題とか働き方の問題で起きたことではないので、県や市町村が支援する、そういう必要性があると考えています。
 一方、IGR(アイジーアール)はそういう危機を希望に変えようということで、効率化でありますとか、またいろんな新しいお客さんを増やす工夫などをどんどんやっていますので、そこは非常にいいなと思っておりまして、そういう会社の自助努力に県と沿線市町村の支援が相まって、持続可能な経営が続けばというように思います。

記者
 ありがとうございます。そうしますと、非常事態が大きいと認識されているということで、新たな支援的な出資の枠組みの変更など、今後検討されていらっしゃることはあるのでしょうか。

知事
 去年(令和4年)、既にもうやっておりまして、それもあって、そこそこの収支になっていますので、まずはこの調子で様子を見ていくという段階だと思います。

記者
 話題替わって、知事選についてお伺いしたいと思います。先日10日、立憲民主党と国民民主党、あと共産党の各県組織のほうを知事が回られました。その中で支援の要請ということを行ったかと思います。近く社民の県連のほうにも、支援の同様の要請を行うというふうに伺っていますが、この時期に4野党に対して支援の要請を行ったという理由の部分について、まず答えていただけますでしょうか。
知事
 社民党さんが、知事からの具体的な要請はないけれども、自主的に支持を決定すると発表したことがきっかけです。既に日常的な活動や、また、過去の国政選挙での連携など、協力して活動するという形はできていて、それで知事選の準備も進めてきたということは、この定例記者会見でも何度も答えているとおりなのですけれども、一方、改めて私のほうから過去に協力いただいている政党に次期知事選挙についても協力を求めて、そして、それをきちんと伝えることがあったほうがいいというように思いまして、社民党さんには、もう既にそれがあったかのような自主的な決定を発表されたので、そのお礼に行くということを調整中でありますが、それ以外の立憲民主党、共産党、国民民主党については、旧に倍する協力をお願いしますというようにそれぞれ要請したところで、それぞれ非常に好意的な反応をいただいているところです。

記者
 ありがとうございます。先ほど知事も触れられたとおり、社民の県連のほうで、知事の自主的支援ということを機関決定したというところでございました。その中で執行部のほうは、知事からまだ推薦要請がなく、また知事が県民党的な立場で臨むのではないかということで自主的支援というところを機関決定したというふうに答えていました。4年前は4野党に推薦要請という形を取ったかと思うのですけれども、今回の知事選では、またかつてのように県民党的な立場で推薦要請等を行わずに各組織と協力関係を図っていくというようなお立場なのか、推薦の形にこだわらないのかどうかというところをお伺いできればと思います。

知事
 前回の知事選で推薦を要請して、そして、推薦が決まったのは、知事選前の参議院議員選挙が行われる前だったと記憶しておりまして、参議院議員選挙での野党共闘の形を確かなものにするためにも、その後に控える知事選での野党共闘の形をつくっておくのがいいということで、そのようにし、参院選、知事選、続けて当時の野党共闘による劇的な勝利があったというように考えておりますけれども、今年はそれとは全然違う構図になっておりまして、そういう中で県民党的な支持の広がりを一人でも多く極力増やし、そして、いわばオールいわてというような政治の形をつくっていくために、今、私も各党も、そして、政党に属さない人たちも、それぞれ工夫しながら動いているところということだと思います。

記者
 先ほど知事が少し触れられました、日がたってしまいましたけれども、4日の投開票が行われました青森県知事選で、新人で元むつ市長の宮下氏が当選しました。この隣県の知事選と、その結果について、どのような所感を持たれたでしょうか。

知事
 あのくらいの票差で宮下さんが当選したというのは、驚きでありました。普通の政党と政党の政治競争とかというのとは何か違う力学が働いたのかなというように感じておりまして、1つは青森県が直面している課題は、岩手県が直面している課題とも共通点が多く、人口減少問題や農林水産業の直面している課題、そういったものをやはり一気に改善していく、問題解決に向けて持っていく、そういう県民の願いが、宮下候補に結集していく形ができたのだと思います。そういう在り方というのは、大いに参考にしなければならないなというように思っていますし、充実した政策パッケージや、それを県民に浸透させていくための努力などを参考にしたいなと思っています。
 そして、知事に当選されましたので、ぜひ、県民の思いを形にしていくよう頑張ってほしいと思いますし、課題が共通していますので、協力できるところは、青森、岩手と協力していきたいと思います。そこには秋田県も入って、北東北での協力ということもあると思いますし、また、健全な競争というところもあるでしょう。必要なところでは協力、また、競争がいい場合には競争しながら、青森と岩手、そこに秋田も含めて北東北でお互い高め合っていければなと思います。

記者
 ありがとうございます。それで、知事も少し触れられましたが、今回投票率も上がりました。そういったところから、これまで選挙にあまり関心がなかったと見られる層も今回は関心を持ったようにもうかがえます。一方、岩手県も9月に県知事選を控えております。そういった今回の青森県知事選の熱が岩手県の知事選にどういうふうに影響するかどうか、また、青森県知事選の様子から、次の岩手県知事選挙についてどのような選挙になってほしいなというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

知事
 これは青森の県民の皆さんがあれだけ盛り上がって、思いを形にしたいというふうになったわけですから、岩手県においても、岩手県民も負けずに頑張ろうというような影響があるのではないかと思います。私としましても、そういう岩手県民が一層奮起する、そういう流れに合わせて、県が今やっていること、やろうとしていることを県民に浸透させていくということに加えまして、今回の6月2日の人口統計公表を受けての更なる人口減少対策のように、年度の途中でもどんどん政策を付け加えていきたいと思いますし、更に県民の皆さんにその気になっていただくには、やはりこれは記者会見でも何度も聞かれていることですが、今の県の計画やアクションプランにはまだない新しい政策をある程度まとまった形で私から当選の暁には、こういう新しいこともやりますというのを発表しなければならないなと今は思っています。

記者
 ありがとうございます。ちなみに、今回の(青森県知事)選挙について、どなたか候補を支援されたりとかされたのでしょうか。

知事
 青森県の選挙には、私は関わらないようにしておりました。

記者
 話題替わります。全国植樹祭が無事終わりました。まず、お疲れさまでした。今、終わられてみて、どういった植樹祭だったか、知事御自身の口からお聞かせください。

知事
 天皇陛下のお言葉にもあったとおりです。東日本大震災津波で大きな被害を受けた陸前高田市が復興を進め、そして、高田松原の松の4万本の植樹に象徴されるような復興を進めている、そういうところで全国植樹祭が行われたことが、大変意義あることだったと思います。森林の保全と活用というテーマに復興というテーマが合わさって、相乗効果で復興に更にはずみがつき、そして、森林の保全、活用ということの重要性も更に強くアピールできたと思います。

記者
 ありがとうございました。すみません、またちょっと話題替わってしまいます。先ほど県政クラブ(記者室)のほう(で発表が)ありました、明日(6月14日)政府予算要望のために上京されるとお伺いしました。要望項目も多々ありましたが、知事の中で、これは確実に強く伝えたい、実現に向けて力を尽くしたいという項目が何かありましたらお聞かせください。

知事
 人口減少対策に関わるような部分、それから農林水産業関係、またILC(アイエルシー)国際リニアコライダーに関しても、機会あるごとに発信していかなければならないと思っています。

記者
 ありがとうございます。すみません、私からは次が最後になります。衆院選の関係です。県内では、自民党さんのほうで1区支部長候補が決まり、立憲県連のほうで2区の候補予定者も決まってくるなど、ここ最近、衆院選に向けた県内の動きも加速しています。知事は、これまでも早期の解散総選挙というのは否定的な立場を取られていましたが、改めてこういった県内の動きも踏まえて、次期衆院選はどういうタイミングで、どういう形であるべきだとお考えか、お聞かせください。

知事
 一般論として任期満了か、それに近いものがいいと思っております。基本的に4年間の負託を、投票した人たちはしているわけでありまして、2年未満でいいと思って投票している人はあまりいないのではないかと思います。そういうこともあって、世論調査によると半分以上の人が、今解散すべきではないというように答えているということだと思います。
 また、特に東日本大震災の被災地の県や市町村は、震災で延期された選挙日程が、今、どんどん行われているところなので、やはりそこに集中したいところで、解散総選挙はいかがなものかということがあると思います。

記者
 私からは、先ほど出た知事選について伺います。先ほどの10日に各党を伺ったときに旧に倍する支援をお願いしたいとおっしゃったというふうに御説明があったと思うのですが、この言葉というのはどういう意味なのか教えてください。

知事
 旧に倍するというのは、前回の倍のという意味です。あと、協力を求めたわけです。その協力のやり方について、支持という言葉を使うのか、応援という言葉を使うのかは、そこは党によっていろいろ違うでありましょうし、また機関決定をするところもあればしないところもあり、様々でありましょうから、そういう全てに当てはまるお願いの仕方として、旧に倍する協力をお願いいたしますと言ってお願いして回ったところです。

記者
 前回は推薦という形だったと思うのですが、それ以上の組織決定でというわけではなく、全体としてという意味でおっしゃっている(ということでしょうか)。

知事
 手続的なところは、お任せでありまして、人を集める回数とか、1か所に集まる人の人数とか、そういった中身の面で、旧に倍するような協力をお願いしますという気持ちを込めてお願いしました。

記者
 ちょっと話は戻って大変恐縮なのですが、合計出生率の話にちょっと戻らせていただきたいのですけれども、知事になってからいわて県民計画の策定、第2期アクションプラン等でも、人口減少対策は最重要課題というふうにして政策を推し進めてきたわけですが、その中でもなかなか出生率が上がってこないという部分で、今回最低になりましたけれども、それは何かコロナであったり、そういったものがやはり影響しているのかという部分、その見通しの部分がどうだったのかなという部分はいかがでしょうか。

知事
 やはり取り組んでいる中で、データや、あるいは現場の声などから、30代の女性の婚姻率と出生率が低い、実は働く現場で、都会のほうでは進んでいるような仕事と生活の両立ということが岩手では遅れている可能性がある、という新たな問題が見つかり、そこに力を入れていくというような形で、どんどん分析しながら政策を加えたり、また、強化したりしているところで、そのようにして生きにくさを生きやすさに変えていくということがあちこちで起きていて、結婚、妊娠、出産、子育てのハードルになっているところをハードルを下げたり、なくしたりしていくことができればと思っています。そこまでやっても、例えば、大谷翔平君のようにふるさとを離れる人というのはいるわけで、個人一人ひとりの生き方の選択については、その選択を生かして成功してほしいという気持ちではいるのですけれども、ただ、その選択が人によっては、岩手の中に生きにくさというのがあって、それでその生きにくさがなければ、生きやすさがあれば、地元に残っていたのに、地元を離れなければならなくなったということは減らしていきたいという気持ちです。

記者
 あと、人口減少対策問題、岩手県に限らず多くの自治体が抱える大きな問題だと思いますが、なかなかそれを各自治体単位で根本的に解決していけるのかという部分は、それは国の強力な支援もないとやはり難しいということなのでしょうか。

知事
 そこは、この間も(日本創生のための)将来世代応援知事同盟のサミットを盛岡でやったとき、「人口戦略法案」という本の著者の山崎史郎(やまさき しろう)さんに講演をしてもらいましたが、数兆円規模の子育て支援対策を国が大々的にやれば、日本が直面している人口減少問題を克服できるというビジョンはあります。ですから、国に対する働きかけは、それはそれで県から、あるいは将来世代応援知事同盟、また、全国知事会から国への働きかけは、これはやり続けますが、今年度、生きにくさ、生きやすさの関係で、不本意ながら岩手を離れることになる人が一人でも少ないように、また、不本意ながら結婚、妊娠、出産、子育てに進めないでいる若者が進むことができるようにということは、やっぱり地方自治体として力を入れてやっていかなければならないとは思っています。

記者
 その中で、岸田首相は、異次元の子育て対策というふうに大きくかじを切っていますが、やはりそれでは物足りないという感じなのでしょうか。

知事
 そうですね。防衛費倍増であれだけの、数兆円規模の予算を確保できるというのであれば、それを先に子育て支援のほうに回して、子育て支援のほうを確かなものにしてから防衛費倍増にしても遅くないと思います。何しろ、防衛費倍増で守るべき国民が生まれてこなくなる問題のほうが防衛できないことより深刻で、生まれてきて国民になっていさえすれば、そこから防衛について取り組むことはできるけれども、守るべき人間がいないのでは防衛を幾ら充実させても、それは意味がなくなってきますから、やはり子育て支援のほうを先にやってほしいなと思います。

記者
 間もなく6月定例会が始まりますけれども、今回の議会が、今の任期での最後の県議会ということになると思いますが、そういった意味でどのような思いで、意気込みで臨まれるかというところを教えてください。

知事
 4年間の負託を選挙で受けていますので、そういう意味では、任期の最初のほうの議会も今回の議会も同じくらい重要で、きちんとそのとき、そのときの県民課題に最大対応できるような予算が必要であれば予算を提案し、政策を新しくしていく必要があれば、そういう新しい政策を出していくということだと思っておりまして、冒頭で発表したような補正予算や、また、人口減少対策の追加的なところを議会でアピールできればいいなと思います。

記者
 ありがとうございます。特にこういった話題が焦点になるといったようなところの見込み、予測はありますでしょうか。

知事
 これは、議員の皆さんの腕の見せどころというのもあって、ほとんどの人が気付いていない課題を、実はこういう課題があるのですといって議員さんが議会で出してくるということがたくさんあれば、それはそれでいいなと思いますし、県の側ではやはり燃料、物価高騰問題対策という喫緊の課題への対応と、それはまた、同時にかなりの部分が、人口減少対策にもなるということで、そこが主要なテーマかなとは思っているのですけれども、特に人口減少問題などで、やはりこういう理由で婚姻数が減っている、出産数が減っている、だからここを直せば婚姻数、出産数は増えるとか、そういう現場の実態に根差したような質問が議会で出てくることを期待します。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は6月23日(金曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

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